【ソーシャルクリエイティブ研究所】政策とビジョンとテクノロジーとスタートアップと25歳以下

2020年2月8日(土)

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今日の美大入試は、東京造形大が最終日、ムサビはクリエイティブイノベーション学科・映像学科の試験最終日、タマビが入試日程のちょうど真ん中というタイミング。
ぼちぼち結果待ちの人が出てくる時期なので、「空いてる時間に展覧会を見に行くのもいいけど、先を見越してこんなイベントに参加してみてはいかが?」な話を。


ムサビは社会問題・課題を企業・地域・行政・教育の壁を越え領域横断的に取り組み、新たな人類価値の創出を目的として、ソーシャルクリエイティブ研究所(略称RCSC)を2019年に設立しました。

この2月、3月にムサビ市ヶ谷キャンパスでRCSC主催のイベントが4つ開催されます。
ここまでこの分野のイベントを開催するのは美大ではムサビだけだし、あとはロフトワークさんぐらいかもしれません。
一般の方はもちろんのこと、今は絵やイラストしか興味がない方も「デザインやアート等クリエイティブな思考がいろんなシーンで求められてる」ことを知れるし、「美大って絵を描く大学なんでしょ?(半笑)」と思ってる大人には「実はこれも美大のテリトリーなのか」と理解できるし、「子供が受験したクリエイティブなんちゃら学科って何を勉強するところなんだ?!」と思っている親御さんにもいい機会になるはず。


日程順に紹介していきましょ。

●日時:2020年2月27日(木)18:30-21:00(18:10 開場)
●登壇者:菊地拓哉(経産省)|橋本直樹(特許庁)|外山雅暁(特許庁)|岩嵜博論(博報堂)|上平崇仁(専修大学)|長谷川敦士(武蔵野美術大学)|山﨑和彦(武蔵野美術大学)
●会場:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス
●主催:武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所、武蔵野美術大学
●協力:SDN Japan、Xデザインフォーラム
●参加費用:無料(事前申込が必ず必要です)


日本をよくするための「政策のデザイン」という視点で作られた「政策デザインラボ」の(プレ)キックオフ・イベント。
デザイン政策に関わる活動をしている経済産業省の菊地拓哉さん、経済産業省が進めるデザイン経営プロジェクトチームに着任され、大阪・関西万博に向けた未来のビジョンの策定を進めている特許庁の橋本直樹さん、そしてムサビの長谷川先生、山崎先生から話題他提供して、政策のデザインに関連する学生発表とディスカッションにより議論を深めます。 
 

●日時:2020年3月1日 (日) 10:00 - 20:00
●登壇者:左右田智美(東京大学)|矢崎智基(株式会社KDDI総合研究)|稲葉貴志(GVA TECH株式会社)|浅野花歩(パナソニック株式会社)|島崎龍太郎(クリナップ株式会社)|井上諭(国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所)|神谷泰史(コニカミノルタ株式会社)|青木孝太朗(VIVITA株式会社)|井口博美(武蔵野美術大学)|山崎和彦(武蔵野美術大学)
●会場:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス
●主催:武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所、武蔵野美術大学
●参加費:無料(事前申込は必要ありませんので会場においでください)
●展示内容:産学プロジェクト展示、大学院生研究展示

ソーシャルクリエイティブ研究所の8個の産学プロジェクトの活動を中心に関連する大学院修士研究もあわせて研究発表と展示します。
左右田さんはソーシャルクリエイティブ研究所発足記念イベント「日本のビジョンをデザインする」にも登壇されてましたね。
 
 
Creative Technology Forum 2020 Vol.1

●日時:2020年3月6日(金)18:00開場 18:30開始
●登壇者:石黒猛(石黒猛事務所 代表)|近藤テツ(東京工芸大学芸術学部 准教授)|清水恒平(武蔵野美術大学造形学部 准教授)|長谷川敦士(武蔵野美術大学造形構想学部 教授)
●会場:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス 7F講義室B
●主催:武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科 / 武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所
●参加費用:一般:1,000円(懇親会費用込み)|大学院生・大学生・高校生:無料


クリエイティブ教育に関わるex-IDEOでデザイナー/アーティストとして活躍中の石黒 猛さん、アーティストで東京工芸大准教授の近藤テツさん、ムサビのプログラミング教育に長く携わってきた清水 恒平先生に登壇いただき、「テクノロジーを通じたクリエイティビティ教育」について考えるシンポジウム。
 
 

●日時:2020年3月25日(水)18:30-21:00(18:00開場)
●登壇者:秋吉浩気(VUILD株式会社代表)|小川悠(i.club・代表理事)|戸井田雄(混流温泉株式会社・代表)|丸山亜由美(トリプル・リガーズ合同会社代表)|渡辺賢太郎(Mistletoe, Inc.)|山﨑和彦(武蔵野美術大学)
●会場:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス7階
●主催:武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所
●参加費:一般 2,000円、大学生以下 無料(事前申し込みが必要です)


クリエイティブ・スタートアップを実践している人達に話題提供をしていただき、クリエイティブ・スタートアップへ向けての参加者一体型ディスカション。
戸井田くんはムサビ建築OB、丸山さんは基礎デOGで、手羽ブログでも何度か紹介した二人。
丸山さんにいたっては
アートやデザインでワクワクさせる医療・健康サービスを

臨床検査技師の資格を持ち、製薬会社でトップセールスになった後、ムサビでデザインを学んだという経歴をお持ちで、2019年1月に経済産業省が開催した「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019」のアイデアコンテスト部門で優秀賞を受賞したりしてます。

一般大学では「企業に就職する」が最優先キャリア、それ以外ありえないって状態だけど、美大では昔から「独立したデザイナー・作家になる」も当然のキャリアであり、つまりスタートアップと相性がいい大学と言えるんですね。


市ヶ谷キャンパスでは他にもいろいろイベントをやっていて、
こどもクリエイティブ:杉と糸で絵馬を作ろう

●日程:
・2/13(木)15:00-17:00|
・2/22(土)14:00-16:00|
・3/12(木)15:00-17:00|
・3/21(土)14:00-16:00
●会場:MUJI.com 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス
●参加費:無料
●参加対象:小学1年生以上、中学3年生まで※小学生は保護者の方同伴でお願いします
●定員:各回5組様会場にて先着順

「こどもクリエイティブ」は、良品計画と、マナビとアソビのクリエイティブフィールドを運営するVIVITAと、武蔵野美術大学と千葉工業大学の学生さんが企画するプロジェクト。
定期的に開催してるので、ちょこちょこチェックしてください。
ちなみに
親子で工作 積み木スタンプでハンカチづくり
こちらはすぐに満席になりました・・。


学生さんといえば、
TOKYO STARTUP DEGAWA 2020~ガチで審査!ヤバいよ!ヤバいよ~

2月15日(土) 16時からテレビ東京で放送される番組に、公開講座「スタートアップにとってのデザインとアートの意味」でもプレゼンされてた大学院クリエイティブリーダーシップコースの赤木謙太さんが出演します。「室内で自然を感じられる衝撃の"風"を巻き起こすシステム!」なので応援よろしく!


頑張ってるのは学生さんだけではありません。
This is Service Design Doing サービスデザインの実践 マーク・スティックドーン

ビジネスのみならず、政策や公共サービス領域においてもますます注目を集める「サービスデザイン」。サービスデザインを実践するためのすべてを、約600ページにわたって詳細に解説した完全ガイドで、この本の監修を長谷川敦士先生がされてます。
キャッチコピーは「サービスデザインを『実践(Doing)』するためのバイブル、堂々完訳。」
これは買うしかない。

 
・・と市ヶ谷キャンパスばかり応援してると嫉妬されるので、
第1回 脳窓

●日時:2020年2月26日(水) 19:00-21:00
●会場:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5階)
●参加対象:25歳以下
●参加方法:事前申込


脳窓(のうまど)とは、25歳以下のクリエイティブに関わる人が、自身の知識や技術を共有し学び合うコミュニティで、以下のような方におすすめです。
・アート、デザインに関わる仕事をしている/したい
・社外で、同年代の人と情報共有したい
・自分の専門領域外の知識を得たい
・何かに熱中している/したい
今後デザイン・ラウンジで隔月開催の予定で、今回はその1回目!
手羽は永遠の28歳だから参加できない(涙)


私たちからすると、
折詰め会 第91回

●日時:2020年2月13日(木) 19:00-21:00
●参加方法:当日お越し頂ければ、どなたでも参加できます。
●会場:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ

折詰め会とは、デザイナー・エンジニアなど専門性を持つ人たちが月1回集まり、「何か面白いこと」を探索し合い各自持ち帰る場で、脳窓はこれのU-25版なのかな?と解釈。

折詰め会はデザイン・ラウンジが生まれてすぐにタマビOGから「こういうコミュニティをやりたい」と話があり、当時はコンテンツもそんなになかったんでOKしたら、なんと91回まで続く企画になりました。

手羽もある回に参加したら、プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、UIデザイナー、インテリアデザイナーと美大出身っぽい人以外に、プランナー、銀行員、障がい者支援員や、コンサルサントを経験し現在は「華道家」とか、風力発電のエンジニアとか、大学で津波工学を学び今はバーテンダーをされてる方とか、能楽コミュニケータとか、ほんと様々な方が参加しててビックリ。唯一の共通項は「クリエイティブなことを興味がある人」

ここまで違う肩書・経歴の人を定期的に集めようと思うと大変なことで、市ヶ谷キャンパスでも折り詰め会のアップグレード版をやりたいなーと思ってます。



以上、「美大研究家」じゃなくて「美大愛好家」な手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。