【手羽が気になる美大以外の展示】東京大学制作展2019とSFC Open Research Forum2019と科学と芸術の丘2019

2019年11月7日(木)

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今日は手羽オススメの展示情報を3つ・・といっても美大関係ではありません。


ひとつめは行くたびに「美大関係者はチェックして、この気持ち共有してほしいなああ・・」と感じてる大学の展覧会です。
東京大学制作展2019 "ああ言えばこう言う。こう言えばどう言う?"

●日時:2019年11月14日(木)-18日(月)
●時間:11-19時
●会場:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館 フォーラム+展示室+9階 92B
●入場無料
●主催:東京大学大学院 情報学環・学際情報学府

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一言で説明するなら「東大のテクノロジーメディアアート展」。
東京大学制作展は、7月に前哨戦(Extra)、11月に本展示という流れで開催されていて、今回の本展示では「対話」をキーワードにしてるそう。

手羽は去年の本展示、今年のExtraを見てます。
【聖地巡礼】第20回東京大学制作展 "Dest−logy REBUILD"に行ってきた
【そこに宇宙を見た】東京大学制作展Extra 2019 enact one's selfに行ってきた

今回手羽が気になってるのはこの2つの作品かな。

東京の美大のメディアアート系というと、筑波さんとか藝大先端とかタマビ情デや東京工芸さんとかムサビ映像・デ情あたりなんだけど、微妙に美大のメディアアート系展示と何かが違うんですよ(どっちがいい悪いではなく)
おそらく気になるモチーフが違ってて、なんとなく美大生はもっと自分に近いものを表現してる感じだし、同じ主題でもアプローチが微妙に違う感覚。
これを共有できる人がまだ周りにいないから、美大関係者の方にぜひ見に行ってほしいとおもってます。
しかし、東大がこの分野に手を出すのは美大にとって脅威で、ほんと勘弁してほしい・・。


この展示が好きな人はこっちも興味を持たれるはず。
科学と芸術の丘 2019 Matsudo International Science Art Festival

●会期:
・2019年11月16日(土)10:00-17:00
・2019年11月17日(日)10:00-16:00
●会場:戸定邸・松雲亭・戸定が丘歴史公園

先端科学と芸術が融合した、国内では数少ないフェスティバルで今年のテーマは「Citizens of the Future(未来の市民)」。
Ars Electronica Futurelabや東京大学生産技術研究所 山中俊治研究室の他、市原えつこさん、田所 淳さん等の展示もあるそう。
去年から始まったイベントだけどかなり気になってます。
 

そして3つ目がこちら。
慶應義塾大学 SFC Open Research Forum2019

●会期 :2019年11月22日(金)・23日(土・祝)10:00-20:00
●会場:東京ミッドタウン
●入場無料 事前登録不要


SFC Open Research Forum 、略してORF
湘南藤沢キャンパス(SFC)で行われている産官学連携による研究成果の発表と、研究シーズ紹介による産官学連携の推進を目的に、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス/慶應義塾大学湘南藤沢学会が共催して毎年やってるイベントです。
一言で説明するなら「SFCの研究会が一堂に会した研究成果発表会」で、今年のテーマは「Beyond SDGs -SDGsの次の社会」。

毎年ムサビ企画デザインハブ展の準備期間にミッドタウンホールでやってるんで、最初はたまたま入場してみたんだけど、見事に圧倒されてしまって。普段「天下のムサビ」「日本では二番かもしれないけど世界では一番のムサビ」とか言ってますけど、「ああ。これがSFCのパワーか(涙)」と。
ちょっとこれを見てください。

去年手羽が撮影した写真ですが、この来場者数なんですよ。
ま、写真に映ってる半分ぐらいはSFC生だけど、それでもこのミッドタウンホールを埋める来場者を動員するって、ちょっとムサビ・・というか美大では無理。それにこのブースの多さね。ブース数=研究してる数であり、ホールを埋めるほどの多様性のある研究展示は美大ではできない・・。

なおかつ、

「SFCが研究発表会をミッドタウンでやる」ってだけで、これだけの大企業スポンサーがついちゃうんですから。美大だと周年事業だとしてもこのレベルの企業がスポンサーにつくことは厳しいのに、毎年やってるイベントでこのスポンサー数はちょっと無理。やっぱりSFCさんの卒業生ネットワークの力ってすごい。

そして会場もB1のミッドタウンホールのAとB、4階カンファレンスを使ってるんです。
グッドデザイン展以外のイベントでここまでミッドタウンを独占した外部企画はあまりなく、なおかつ1大学のイベントとなると他にありません。
これもミッドタウンさんが「SFCさんなら人を集められるよね」と判断してるからで、もしムサビが「ミッドタウンホール使わせてください」とお願いしても「へー。ムサビさんがSFCさんみたいに人を集められると思ってるの?」と鼻で笑われるだけな気がする・・。。

何が怖いって、最初見た5年前はパネルデザインや見せ方が素人同然で「そりゃデザイン教育を受けてないから当然か。ここは美大の勝ちだし、まだまだ美大も安泰だな(笑)」なんて安心できたのに(無理やり安心させた)、2年前ぐらいから「あれ。見せ方が良くなってる・・・」と感じ始めてて・・・ほんと勘弁してほしいんです。いらすとやのイラストを使って、MSゴシックでワードでレイアウトして、タイトルは3D文字で、いっぱい色を使ったパネルを作っててほしいのに。

昨日深津さんのSNSにあがってたこちらを見て恐怖を感じた人も多いんじゃないでしょうか。

学生さんだと「あ、課題が楽になるぞ」と一瞬思うかもしれないけど(笑)、もう「明日までに100パターン作ってこい」みたいな仕事やそういう人がいらなくなって、誰でもできるようになるという意味もありし(確実に1年以内に精度が上がって3Dでも同じことができるようになりますよね)、また美大の初期デザイン課題でよくある「100パターンづくり」も「なぜそれを授業でやるのか」という意味をちゃんともたせたせないとダメってことでもあり。

毎年周りに「絶対ORFは見に行った方がいいですよ」と言ってるんだけど、これも共有できる人が全然おらず。気にせずのんびり八王子や小平で制作するのももちろんいいけど、気が付いたら総合大学にメディアアートやサービスデザイン系で置いてかれ、「メディアアートといえば東大」「デザインといえばSFC」と言われそうで不安で不安で。
東大制作展とSFCの展示をチェックしてから、「まだ美大も大丈夫」と手羽を安心させてもらいたいのです。 >美大関係者

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。