芸術・美術大学の卒業制作展にいってみよう! こんな風にみると面白い!4つのポイント

今年も1月半ばから全国各地の芸術・美術大学で卒業制作展がスタートします。 でも、そもそも卒業制作展っていったいどんなものなのでしょう? 芸術・美術大学では、ものつくりとその周辺のあれこれを学ぶことができます。実際作家として作品をつくる学生も多く、その集大成として卒業制作展では、論文ではなくて、作品を制作する学生がたくさんいるのです。

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芸術・美術大学の卒業制作展って、どんなものか知っていますか?

卒業制作展は一般の方々にも公開されており、ここで出品されている作品で、成績を評価もされますし、美術関係者も見に来るので、スカウトや就職など、ここから羽ばたいていく学生もいっぱいいます。


  • 写真サンプル(東北芸術工科大学 卒業制作展 2013)撮影:山田

①明日の巨匠に会いにいこう!

いまや色んなところで名前を聞くデザイナーや美術作家もかつては美術・芸術に通う学生でした。卒業制作で制作した作品がきっかけで、企業やギャラリーにスカウトされたり、ここで取り組んだことをもとに社会へと旅立っていく学生がいっぱいいます。そういった明日の巨匠がここには隠れているんです。


  • 写真サンプル(愛知県立芸術大学 卒業制作展 2013)撮影:山田

②芸術・美術だけじゃない!こんなことも学べるんですか?

芸術・美術大学にいる学生が、みんな絵を学び、絵描きになる訳ではありません。そういった学生はたしかにいますが、全体数で言えば少数といってもいいでしょう。今の美術大学は漫画も教えれば、演劇や映画、ファッションや工芸、文学から音楽と各大学が特色をもって教育を行っています。

京都にある京都精華大学は昨年度より漫画家さんが学長を勤めています。大学施設にまんがミュージアムがあり、マンガ学部もあります。東京芸術大学には美術だけでなく音楽学部があり、多くの音楽家を輩出しています。


  • 写真サンプル(東北芸術工科大学 卒業制作展 2013)撮影:山田

美術・芸術大学といっても各大学ごとにいろいろな特徴があるのです。だから、卒業制作で出品される作品もものすごく幅があります。美術の展示だけにとどまらず、演奏会、映画上映会、ファッションショー、漫画や小説を書いたり、建築の領域では家を建てる人も!幅広い領域の展示は、ちょっとしたお祭りのようです。

恐いもの見たさでいってみると、面白いものに出会えるかもしれません。



③もしかして買えたりするのかな?

もしも家に飾りたいな、買い取りたいなって思ったら、思い切って作家さんに声をかけてみましょう。もしも作品を売ることができなくても、声をかけられてうれしくない作家はいないはず。ほかの作品を紹介してくれたり、自分を扱ってるギャラリーを教えてくれたりします。


  • 写真サンプル(京都造形芸術大学 卒業制作展 2013)撮影:山田毅

世界に一つしかない商品を見に行くって考えると、ドキドキしませんか。



④クリエイターの工房も見ておこう。

芸術・美術大学って結構どこの大学も都心から離れたところにあるんです。それは、ものを生み出すためには、アトリエや工房、倉庫など広い工場のような場所が必要だからです。


せっかくものつくりの工場に行くのですから、ぜひ工場見学もしてください。大学出身の有名建築家が設計などに携わっていることも多いので、そもそも建物が面白いです。
アトリエや工房は、ふだんなかなか観ることができません。

学食でご飯を食べたり、建物を観たり、そして作品を鑑賞する。卒業制作展にいって芸術・美術大学全体を楽しんでください。



卒業・修了制作の情報はこう探す!便利なサイトを駆使すべし。

全国の美術・芸術大学の卒業制作展情報は、各大学HPからもアクセスできますが、「JDN 卒展特集2015」(http://school.japandesign.ne.jp/sotsuten/15/)のようなまとめサイトもあります。

展示も学内だけでなく学外展示を企画したりする学生も多く、五美大展や「TETSUSON」(http://tetsuson.com/)のように大学の枠を超えて学外で展覧会を開催する企画もあります。大学内展示よりも、学外展示は学生が主体的に運営やキュレーションを行っていたりして、展覧会をつくるということについての力の入れようがまた違うので、そういった点でも見物です。うまく情報をキャッチして楽しんでください。


ライター:山田毅

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OTONA WRITER

山田毅 / yamadatsuyoshi

東京から移住して、現在は京都で、編集者をしたり、本屋の店長をしたり、村作りに携わったり、そして再び美術を学んでいます。東京と京都のアート・デザインの世界にまつわるあれこれを配信していけたらと思っています。