【ムサビで学んだあんな人こんな人】インターンシップ演習2018を終えて3【完全保存版】

2018年12月18日(火)

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インターンシップ演習2018の振り返り編をやってます。
これまでの話はこちら。
インターンシップ演習2018を終えて1
【今年のプレゼント発表!】インターンシップ演習2018を終えて2


インターンシップ演習は「企業に就職した人だけじゃなく、こんな卒業生もいる(いろんな職種・将来の選択があるんだよ)」を学生さんに知らせる授業でもあるので、手羽が個人的に15年間チマチマ調べてきたムサビOBOGを紹介するコーナーを設けています。
「このロゴやプロダクトを作ったのもムサビの卒業生なんだよ。誰だよ。『ムサビはタマビに比べて有名デザイナーがいない。クソだな』とかSNSで言ってるやつは。それは君が知らないだけなの!」ということを知らせるためにやってたりもするけど。

で毎年「卒業生紹介をゆっくり見せてほしかった」とアンケートに書かれてるんで、今回は手羽インターンシップ演習10周年を記念して、特別に公開しちゃいましょ!!

*注意事項:
(1)スライドでは作品写真や動画、肩書も出してますが、あえて名前だけにしました。あとは調べてみてください。
(2)「中退者」「最終学歴は藝大大学院だけどムサビ学部を出てる人」等も含めています。
ちなみに昔は「ムサビは中退すると有名になる」とか言われてたけど、そんなことは全然ないし、早稲田や大阪芸大でも「中退すると有名になる」と言われてるんで、どの大学でもそういう噂はあるよう。
(3)こういうデータを出すと「なんであの人は入ってないんだ!」とよく怒られるんですが、「大学1、2年生(18-20歳ぐらい)が作品や活動を知ってそうな人。もしくはムサビ生なら知っててほしいなあ、って人」を基準にしてます。
(4)情報を15年間上書きしてるもんでどっかで勘違いしてる可能性もあり、「え。その人はタマビだよ」って人がいたらぜひ教えてください・・。


では、いきます!
200人ぐらいいるんで一気に紹介。

あえて括るなら「グラフィックや広告系」かな。
 

このグループは「プロダクトや舞台美術、建築、空間、衣装系」てなところ。


アーティストやカメラマン。

 

「作品」を作ってるわけじゃなく、社長や代表とか。丹青社の社長もムサビ出身なんです。

絵本作家でくくってみました。

 

PVやCM、アニメ、映画など映像系の方。

マンガ家やイラストレーター+コラム系の人たち。


なんらかのキャラクターをデザインした方々。
成田さんはウルトラマン、清水さんはキティちゃんです。

文章だったりその活動だったり。もうちゃんと括るのをやめました・・。

最後は「ミュージシャンや俳優・モデルさんなどテレビでよく見かける人」ぐらいの括りです。ざっくり。

毎年増えちゃうんで時間の関係で涙をのんで紹介を削った人もいまして、上村一夫さんや長岡秀星さん、荒川修作さんを以前は入れてたけど学生さんの反応が薄くて今は外しちゃいました・・先輩、すいません・・今の学生さんは「荒川修作」を知らないんですよね・・。
逆に「外したけど復活」パターンもあり、その典型例は伊藤修子さん。
IPPONグランプリに出演した2014年に一度入れたんだけど知ってる人がほとんどおらず、それ以降はシートから外してて。でも今年は「おっさんずラブ」でブレイクしたから入れ直した、と。やはり学生さんの反応が大きかった(笑)


はっきりと覚えてるのは、15年前ぐらいまで「ムサビ卒の著名人(テレビに出てるか、一般の方も作品を知ってる可能性が高い人)は?」と聞かれたら「黒鉄ヒロシ」か「城戸真亜子」の名前を出すことがほとんどでした。あとは村上龍(中退だけど)や作品認知度で佐野洋子さんか中島信也さんかな。
その頃まで広報や校友会も学生さんも、どんな卒業生がいるのかちゃんと調べてこなかったんですね。

でターニングポイントになるのが2003~2005年頃。
「ハチミツとクローバー」「ブラックジャックによろしく」でムサビが舞台に使われ、なおかつ作者の佐藤秀峰さんは映像学科中退だし、そして2005年頃のリリーフランキーさん「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」の大ブレイク。リリーさんは2003年芸術祭に出演した時はしがないイラストレーターで、知る人ぞ知る存在だったのに(笑)

その頃がちょうど手羽が広報課にいた時代で、「『こんな卒業生がいる』『ムサビがこんな使われ方してる』っていうのは広報コンテンツになるんだな・・そしてなんか卒業生の共通点がありそうだなあ・・」と気が付かされ、当時企画部長だった池田さんと趣味的に競い合うようにムサビOBOGを調べ、お互い自腹でムサビOBOGの本を買いあさり、それがのちに相談会で使われる「イケダ文庫」になり、ムサビ文庫になります。未だに入試広報課が当時のデータを使ってるのを見ると、「調べて更新すればいいのに・・」と思ったりもしますが。


ただ。
これで終わると単なる「卒業生自慢」で、高校生相手にやってろよ、って話で(笑)
授業ですから「ここからムサビOBOGの共通点を考えてみよう。そしてその理由は?」というのが主にあります。

あくまでもシートで紹介したのは著名人で、もちろんインハウスデザイナーも沢山いるし、あとは
・高校や美大の教員
・地域密着の造形教育活動者

もムサビ卒業生に多いんですよね。
「美大教員」ってことだと多分芸大の次にムサビは多いんじゃないかしら。東北芸工の中山ダイスケ学長もそうですし(中退だけど・・やっぱり中退多いなw)。

あ、そうそう。

いよいよ残り一週間を切った「タクラミ展」のクローズドイベントが今週末にありますが、
「企(たくらみ)展 × green drinks 」 ー 同時開催 「企(たくらみ)マルシェ<むすんで ひらいて>」 ー

●日時:2018 年 12 月 22 日 ( 土 ) 13:00-19:00
●会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
●定員:50名(入退室自由)
●参加費:無料


に登壇する河野さんと山田くんもムサビOBOGだし、今日開催される
企(たくらみ)展 関連企画:「夜のギャラリーツアー」
●日時:2018年 12月18日 (火) 19:00-21:00
●登壇:河野奈保子(greenz.jp)、織戸龍也(岩淵家守舎代表/co-toiro)
●会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
●定員:30名
●参加料:無料

の織戸さんもムサビ卒。あ、当日突然参加でも大丈夫っすよ

また、

この地域密着の活動をされてる萩原修さんは、明星大教授であります。

ムサビOBOGの共通点をまとめると、
●絵も文章もいける。(実技も思考力も高い)
●中心となる柱がありつつ、いろんなモノに興味を持つ。
●主張はしつつ、人と協力して何かを作り上げるのが得意。
●カテゴリをくくれないタイプが多い。
●自分のことが大好きだが、客観的な自分も存在する。
●ネガティブなこともポジティブに変換できる能力が優れている。
●流行よりも文化を作るタイプ

と言えるんじゃないかと。

でも、それはなぜなのか。
やはりムサビの教育理念「教養を有する美術家養成」「真に人間的自由に達するような美術教育」がいつのまにか知らぬ間に影響してるんじゃないだろうか。
そして、それは在学生の皆さんも一緒のはず・・という話をしています。はい、「卒業生から考える自校教育」ってわけですね。


そうそう。今回うまいこといったシーンがあって。
授業で学生さんに「ムサビ卒の著名人を一人言ってみて」と聞いたところ、「リリーフランキーさん」と返ってきたんです。
そして手羽が次に準備してたシートが

このスライドで、今回の授業で一番盛り上がったシーンとなりました(笑)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。