【名門の5大美大によるアート甲子園?】「第3回Pillar Art コンペティション」と「アーッ!!ト叫ぶアート展」に行ってきた

2018年8月10日(金)

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8月8日(火)、

Tokyo Midtown Award 2018アートコンペ部門の2次公開審査会に参加した・・・という話はもう書きましたね
詳しくは改めて単独記事にするとして、その後、台風が接近する中、汐留シオサイトに行ったのです。
前から一度見てみたい企画をやってたの。
それは何かというと・・・

汐留ストリートフェスティバル2018-SUMMER-です。

アートのある風景を目指した街づくりを推進している一般社団法人汐留シオサイト・タウンマネージメントが夏の恒例行事として実施してるイベント。多分「汐留の夏を若いアートで盛り上げよう!」的なものだと思います。(すいません、趣旨文が見つからなくて)

美大生が作品を販売するアートマーケットや子供向けワークショップをやってたりするんですが、手羽の目的はこちら。

「第3回 Pillar Art コンペティション」です。
汐留公共地下歩道にある直径1.1m×高さ3.8mの巨大な柱をキャンバスに見立て、東京藝大、タマビ、女子美、東京造形、ムサビの洋画・油画・油絵学科の学生さんが2チームずつ参加し、8月4日から制作しています。厳密には「柱に」ではなく「柱巻きに」ですね。

制作途中の作品を見ていきましょう。


  • 東京藝術大学


  • 武蔵野美術大学


  • 東京造形大学


  • 多摩美術大学


  • 多摩美術大学

この日は台風がやってきてる日だったから涼しかったけど、普段は暑いだろうなあ・・。


  • 女子美術大学


  • 東京造形大学


  • 女子美術大学


  • 武蔵野美術大学


  • 東京藝術大学。記憶で書いてるので大学名違ってたら教えてください

19日まで制作して、その後グランプリが発表されます。
去年はグランプリと審査員特別賞をムサビチームが受賞したけど、はたして今年はどの大学か。


ただ、今年この企画ですんごく気になってるのが、WEBやリリース文などで使われてる

「五大美大生が激突」とか「名門美大」とか「アート甲子園」いうフレーズで。

よく起きる「五美大がどこなのか?」問題は以前書いたとおり「解釈・シーンによって変わる」が結論なので、どの大学の組み合わせでも問題ないのですが、よーく見てほしいんです。
「五美大」じゃなくて「五大美大生」なんですね。違和感ありません?なにが「五大」なのか。学生数ではないし敷地の広さでもないし歴史でもないし。
手羽の完全な推測ですが、第1回のWEBでは「東京都内の有名五美大」と書いてあるんで、もしかしたらどっかの段階で「五美大」を「五大美大」と誤植しちゃって、それがコピペコピペでそのまま使われてるパターンなんじゃないかと。実はこういうことって結構よくあるんです(笑)

そして「名門美大」
非常にありがたいのだけど、「ムサビ最高ーー!!」と普段から叫んでる手羽でさえ、心の中では「日本で一番の美大」と思ってる手羽でさえ、「名門美大」というフレーズはさすがに使いません・・。でも、某美大さんのSNSではそのままコピペしてるから「名門美大」と自分で言っててね。「ああ。誰もチェックしてあげてないし、誰も見てないんだな・・」と思ったり。

そして「アート甲子園」
高校のアートバトルであればまだわかるんだけど、大学同士のコンペで「●●甲子園」ってフレーズは嫌じゃありませんか?「高校の野球大会と美術大学のコンペが同レベルってことなの?」とすごく抵抗感があるのは手羽だけなのかな・・。

とにもかくにも、19日まで東京の美大生達が頑張ってるので、応援しに行ってあげてください。


で、さらにそこから西武渋谷店でやってる

アー!!ット叫ぶアート~ 大Ah!!rt展
●会期:2018年8月1日~8月19日
●会場:西武渋谷店 A館7階 催事場
●時間:10:00~21:00 (8月15日、日祝〜20:00) ※最終日〜17:00
●休館日:無休
●料金:無料
●出品作家:江頭誠、(euglena)、久村卓、時吉あきな、大村雪乃、JART、大月壮、LEE KAN KYO、小宮太郎、太田祐司、高島亮三、池内啓人、上路市剛、髙田安規子・政子、高石優真、松山淳、入江早耶、飯野哲


一言で説明すると、フジテレビ深夜に不定期で放送されてた「アーホ!」の紹介作家作品展で、今回で4回目の開催となります。
「アーホ!」は多分全回チェックしてるはずで、子供たちも好きな番組でした。展覧会も初回から開催されてることはチェックしてたけどタイミングが合わず。「この台風の勢いを借りて行かないと多分行かない」と思ったもんで(笑)

これまでの展示では1回に3作家ぐらいしか展示してなかったけど、一気に18人に増えました。


  • 上路市剛さん『ご本人さんの登場です!! Ah!!rt』


  • すごいリアル・・


  • 太田祐司さん『憑依しちゃいましたAh!!rt』。ポロックをイタコさんに憑依させた作品。


  • 飯野哲心さん『この支配からの卒業Ah!!rt』。


  • 「ジャーマンスープレックス如来」を作った方ですね。


  • LEE KAN KYOさん『なぜこれを描こうと思った?! Ah!!rt』。日本のチラシに日本らしさを感じるそう


  • 高田安規子&政子さん『切子細工Ah!!rt』。ガラスではなくプラスチックの吸盤です。これ好きだなあ


  • euglenaさん『吹き飛ばし厳禁! Ah!!rt』。綿毛を使った作品って最近増えましたね。


  • 池内啓人さん『ちょっとイヤホン貸して……って、なにこれ! Ah!!rt』。


  • 池内さんの作品はタマビ卒展で見たのが初めてだったけど、それからこんなに話題になる人とは思ってなかった・・


  • 大村雪乃さん『ネオンの街Ah!!rt』。ご存知の方も多いはず

手羽は各作品についてる「●● Ah!!rt』というキャッチコピーがジャマでジャマでしょうがなかった(しかもドンピシャで説明してるわけでもなく)けど、一般の人に興味をもって見てもらうにはこういう工夫も必要なんだろうなあ、と思ったりも。
こういう視点って大事だと思ってます。


  • 時吉あきなさん『イヌ大好き♥Ah!!rt』。犬をスマホで撮影・プリントし、新聞紙の骨格に張り付け


  • 久村卓さん『ちょい足しAh!!rt』。ちょちょっと刺繍を加えるだけで


  • 松山淳さん『ビフォーアフターAh!!rt』


  • 江頭誠さん『うちの実家でも見たことある! Ah!!rt』。江頭さんも一気に話題になった作家さんですね

現代アート系の展覧会はそんなに見てる方じゃないけど、SICFやミッドタウンアワード受賞者が多いので、知ってる作家さんが多いですね。
でも・・・えーと・・・ほとんど「タマビOB展」なんだけど・・・10人ぐらいはタマビOBOGなんじゃないかしら?ちゃんと調べるのが怖くてやりませんが。

手羽が大好物な作家さんばかり集まってる展覧会で作品は満足なんだけど、仮設壁だったり「デパートの催事場」そのままの空間なのが残念で。
スパイラルとかで有料でやれば、もっと作品がよく見えて、人ももっと来ると思うんだけどなあ・・。

あ、ちょっと否定的な書き方してますが、作品はいいものばかりなので皆さんもぜひ!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。