東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2018by楽天ビューティ」スタート!

2018年8月1日(水)

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昨日7月31日(火)のデザインハブは、JAGDAさん主催の「日本のグラフィックデザイン2018展」最終日。

毎日来場者が多かったですね。去年と比べてもあきらかに人が多く、JAGDAさんも「なんでだろう?」と不思議がってました(笑)


そんな日、デザイン・ラウンジでは東京工業大学(東工大)とムサビの合同ワークショップ授業「コンセプト・デザイニング2018」がスタートしました!

2011年に東工大の(当時)留学生センター・人間行動システム専攻の野原先生とムサビ・デザイン情報学科の井口先生によって「デ情生と東工大生」という組み合わせでこのコンセプト・デザイニングは実験的にスタートし、「これは面白くなるぞ」とわかって、2013年に両大学は連携協定締結。
武蔵野美術大学と東京工業大学が協定締結式を行いました
以降、ムサビは「全学科3年生以上対象」、東工大は「大学院生」で募集をかけるワークショップに変化しました。手羽が関わりだしたのはその頃から。


  • 東工大の野原先生

「理系と美術系の合同授業をやろう!」となると、どうしても「理系とアートの融合!中身を理系が考え、外側を美大生が考えるぜ!」なステレオタイプ的な方法になりがちだし、「理工系と美大の連携」といいつつ「理工系の大学に美大生の作品を展示」しかやってない大学が多いのも事実です。
そのアプローチは否定しませんが、「美大の学びの本質」に気が付いてくれたのが野原先生なんです。


  • ムサビ視覚伝達デザイン学科の古堅先生からデザイン的アプローチについて説明

せっかく美術・デザインの専門大学であるムサビがファインアートもデザインも関係なく学生・教員を動員してやってるので、このコンセプト・デザイニングでは単なる「デザイン思考」「ガワを美大が作る」なものではなく、もっと踏み込んで「お互いの『違い』を感じ補完しつつ、理工系思考とデザイン思考とファインアート思考をごちゃまぜにしたコミュニケーション中心の課題発見・課題解決型授業」を行うようになったのです。
ここまでそれぞれの「思考」を中心においた合同授業は他にないはずですだし、「ファインアート系とデザイン系教員が一緒に理工系大学との合同授業を受け持つ」てなことは他美大さんでは多分無理なんじゃないかと。

てな感じのこととワークショップの全体の流れを手羽が説明。
このあたりのことは明日続きを書きます。


で、この趣旨・思考アプローチに共感を持っていただいたのが、

楽天ビューティーさんなんですね。
美容を通してEmpowermentする(力づける、活気づける)ことをミッションとする楽天ビューティさんは、楽天株式会社の中でも比較的新しい中規模の事業で、大企業の安定感がありつつも、スピード感やボトムアップアプローチを重視するベンチャースピリットを兼ね備える事業部です。サイト運営にとどまらず、ファッションイベント「Girls Award」の企画などリアルイベントもされています。

「東工大との合同WSといっても誰もがイメージする『最新のAIを使った洗練されたプロダクトデザイン』なんかできません。それが目的じゃないし、多分企業さんが求めるものはできないはずです」と説明すると、多くの企業さんは「そんな産学って意味あるの?」と理解してもらえないのですが、楽天ビューティさんはこの思考中心の合同ワークショップにすぐに興味を持ってくれまして。
イノベーション精神があり、発想が柔軟で、「デザイン」の本来の意味を知り、若手育成を大事にしてる企業さんじゃないと、こうはいかないんですよね。さすが楽天グループというか。

そこで東工大もあまり例がなく、ムサビとしては初めての「寄付講義」という形で今年は実施することになったのです。いわゆる「スポンサードバイ楽天ビューティー」です。


さて、この5日間の合同ワークショップでは、ざっくりと下記のような流れで行われます。
1)ある与えられたお題(問い)から
2)あらゆるコミュニケーション方法や発想法を使って、
3)コンセプトを構築(再構築)し、
4)なんらかの造形デザインを作り、
5)グループプレゼンテーションする


理工系と美術系では「何が違うのか」または「違わないのか」、 そこから自分に必要なもの、または相手に補完してもらいたいものを知ることができれば、一種の異分野コミュニケーション、グローバル人材教育、キャリア設計教育にもなるはず。
なので、学生さんには最初に「アウトプットの出来はそんなに問わない。様々なコミュニケーションを使って理解・補完しあうことを経験することがこのワークショップの最大の目的」と伝えています。

そのために、通常のコンセプト・デザイニングだと「●●で社会問題を解決しなさい」的なお題になるはずですが、ここでは会話が発生しやすくなるようにできるだけ抽象的なモヤモヤっとした「お題」を例年出してます。
5年前が「オトナとコドモ」、4年前は「くりかえす」、3年前は文字言語ではなく「■」という黒い四角のみ、2年前が「ながいもの」、そして去年が「恋」と、こんな感じ。わけわからないでしょ?(笑)


で、今年のお題は

「鏡 2枚」です。
コンセプトデザイニングで初めての配布モチーフ。

さらに今年の難しいところは、お題は鏡だけでなく、
「のようなもの」
「似合う」
「自分」

という3つの単語も組み合わせることにしました。(一つでも全部でもOK)
手羽は7回かかわってきましたが、確実にこれまでで一番難しいお題だと思います。

しかもしかも、今年は楽天ビューティーさんがスポンサーについてるので、「楽天ビューティーさんの求めるものはできませんよ」と言ってはあるし、そこは求められてないけども、なんていうか今流行りの「忖度」もひっそりと含まれてるとおじさんは嬉しいわけで、東工大生とムサビ生がどれくらい大人かも問われます(笑)

9回目となる今年は東工大・ムサビ合計31名が参加しており、今までのコンセプト・デザイニングでは最大人数。
両大学とも毎年抽選しなくちゃいけない希望者があるんだけど、去年までラウンジはテーブルが4セットしか作れなかったもんで、ずっと5人×4チームでやってきてたんです。はい、単純にテーブルの数の問題だったの(笑)
でも今は6テーブルまでいけるので、5人×6グループができるようになったと。


では今年のグループを見ていきましょう。


  • グループA


  • グループB


  • グループC。立ってる女性が楽天ビューティーさん


  • グループD。実は手羽の彫刻学科同級生の息子が入ってます(笑)

ちなみに東工大参加者15名中2名が女性、ムサビ参加者16名中4名が男性と男女バランスが全く違うのもこの合同ワークショップの特徴ですね。


  • グループE


  • グループEは英語テーブル。

Eグループのディスカッションをふむふむと聞いてると、突然英語になるんですよ。
おそらく日常会話的な話は日本語でやって、ちょっと難しい議論になると英語って感じに切り替えてるのかな。

ちなみに先週まで東工大・野原ゼミはロンドン芸術大学セントラル・セントマーチンズ校(通称セントマ)さんとワークショップをやってたもんで、昨日はセントマの先生が見学にきてました。
帰りがけにセントマの先生から英語で・・・多分「また見に来てもいいかしら?」と聞かれた気がしたので「OK!OK!」と答えたけど、「今年セントマで一緒にワークショップやらない?」という質問だったらどうしようと後でちょっと不安になった手羽。
英検3級の怖さ。


怖いといえば、手羽の顔を見てニヤニヤしてる東工大生が一人いてね。

「どうしたの?(なんか怖いな、こいつ)」と声をかけると、サっと鞄から出したのがなんとムサビ日記

ムサビのファンで、手羽のブログを昔から読んでるファンなんだそう。私物にもMAUシールが貼ってあった。これはムサビ日記にサインをする手羽の図。

うん。とってもいい学生さんでいらっしゃる。よく見ると凛々しい顔してる。なんとなく美大生図鑑のヨシムラヒロムくんにも似てる気もする。
ぜひ新大学院に入学してください。

初日はほとんどレクチャーで終わってしまうのですが、二日目の今日はこのワークショップのキモとなる部分が行われます。
詳しくはあした。

デザイン・ラウンジでお待ちしております。


以上、朝、奥さんから「あんた、近々泊まりの出張とかないの?」と聞かれて「ああ。家族のこと考えて出来るだけ日帰りしてることにようやく気がついてくれたんだな」と思ったら、「あかりちゃんが友達を家に泊めたいって言ってるのよ」と衝撃的な理由だった手羽がお送りいたしました。
こうやって父親は邪魔者になっていくのか(涙)

悔しいから家族旅行にいったつもりで、いっそリッツカールトンにでも泊まってやろうかと真剣に考えています・・・。(ミッドタウンマネジメントさんで割引券くれないかしら。そういうものがあるのかわからないけど)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中