[news]『美術手帖』でおなじみ美術出版社の、新しいスポンサーと新しいチャレンジ

今年3月「美術手帖」発行などで知られる株式会社美術出版社が民事再生手続きを受けるというニュースがとびこみ、アート業界・アートファンの人々を驚かせました。みなさんもそのことは記憶に新しいのではないでしょうか。 3月11日の民事再生手続き開始とともにスポンサー選定手続きを実施、そして5月19日に多数の候補者の中からカルチュア・エンタテインメント株式会社がスポンサーとして選定されました。

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スポンサーに選定されたのはTSUTAYAでおなじみCCC!?

今回スポンサーに選定されたカルチュア・エンタテインメントは、TSUTAYAなどを運営する会社、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が2014年12月に組織改編をしたことで生まれたグループ会社です。担当事業は出版・映像・音楽製作・企画などで、アート系書籍・雑誌を含む幅広い出版物を取り扱うのみならず美術関連事業にも力を注いでおり、美術出版社の事業との親和性が極めて高いことが今回の選定結果に結びついたようです。


出版事業の売り上げが落ち込み民事再生法の適用を申請した美術出版社


2015年3月4日に株式会社美術出版社は東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。もともと多額の負債を抱えていたことに加え、業界全体の不振で本業の出版事業の売り上げが落ち込んだことが原因でした。厳しい資金繰りが続いていたとのことで、美術手帖愛読者たちをはじめとした多くのアート関係者に衝撃が走りました。
多くの愛読者たちからの励ましの言葉に岩渕貞哉編集長は「大きな勇気をもらった」といい、同月11日の民事再生法手続き開始とともに「美術手帖」の継続は発表されました。美術手帖4月号も、通常は17日発売のところを一週間遅らせてではありますが3月25日に無事発売されました。5月号、6月号…とかわらずに「美術手帖」が販売されていることに喜びを感じる方も多いのではないでしょうか。


出版事業に加え、アートニュースサイトの展開も!

美術手帖では海外のアートの情報も知ることができ、また近年「ボーイズラブ」や「初音ミク」など扱うアートや現象の範囲を広げていることも注目を集めています。日本語で読める、これだけ多様なアートの情報が手に入る雑誌は貴重な存在です。

また、5月半ばからは新たなアートニュースサイト「bitecho(ビテチョー)」も公開しました。コンテンポラリー・アートに留まらず、デザイン、 建築、 ライフスタイル、イラスト、工芸、雑貨、音楽、旅、映画など、カルチャー全般の情報を幅広く発信しています。
このPARTNERもフリーマガジンという紙媒体に加え、春からウェブメディアをスタートしました。出版業界にとって厳しい時代・ネット社会の時代と言われますが、紙媒体ならではの魅力は世に残しつつ、インターネットにおける「情報」との付き合い方も模索していくことが求められていると言えるでしょう。同じクリエイティブを扱う情報メディアとして、カルチャーメディアを盛り上げていきたいと改めて感じています。

美術出版社はこれからカルチュア・エンタテインメントのもとで全社一丸となって事業再建をはかっていくとのことです。経営が立て直せることと「美術手帖」が発刊され続けることを、アート関係者の一人として願うばかりです。



情報参照元:http://book.bijutsu.co.jp/newsrelease/2015/05/20150519.html
創造力を社会に生かすアートニュースサイト「bitecho」:http://bitecho.me

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