【ルーブルより広い】2017年度武蔵野美術大学卒業・修了制作展は1月18日(木)から

2018年1月11日(木)

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1週間後に迫ったので、ムサビの卒展情報をぼちぼちとシリーズで紹介。


平成29年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展

●会期:2018年1月18日(木)-21日(日)
●時間:9:00-17:00
●会場:武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス
*車でのご来場はお控ください。

http://www.musabi.ac.jp/sotsusei/
4年間の制作研究の集大成ともいえる卒業・修了制作/研究が、鷹の台キャンパス全体をギャラリーとして展示されます。

今日はよく聞かれるムサビ卒展に関する質問にお答えしていきましょう。
 

Q1.入場料はいくら?

卒展は入場無料、どなたでもウェルカムなイベントです。
 
 
Q2.親だけど、見に行ってもいいの?
これもよく聞かれる質問なんですが、もちろんです!
おじいちゃん、おばあちゃん、兄弟、友達、近隣の方、ギャラリスト、企業の方、社会人、絵が好きな小中学生などなど誰でもOK!!
卒展が終わったらすぐに入試による入構禁止期間に入るので、今年受験する方はムサビに入れるラストチャンスだし、学内卒展に切り替えた地方の美大関係者も見といた方がいいっすよ。
あ、最近だと聖地巡礼者もいらっしゃいますね。ハチクロ、スラムダンクファンもぜひ(笑)

ただ、タマビみたいな坂はないけど、お世辞にもバリアフリーとはいえない建物ばかりなので、そこだけ注意していただけると助かります。
手羽的には、一番見てほしいのはムサビ1,2,3年生だったりするけど(なぜかは後日書きます) 
 
 
Q3.いろんな人に見てもらいたいのになんで田舎の小平市でやるの?人に見せるのが目的なら都心でやるべきでしょ!
これもムサビ卒展をご覧になったことがない方から多い質問です。

多分「100人ぐらいが展示する」「展示壁面に油絵をぶらさげる」「彫刻をポンと置く」な美術館展示をイメージされてるんじゃないかと。
詳しくはQ6で書きますが、卒業対象者は約1200名いるんです・・。また、ムサビ卒展は展示室やアトリエ、演習室はもちろんのこと、工房、体育館、屋外、吹き抜け、廊下など、「学内」の利点を使った展示で、さらに展示だけじゃなく映画・アニメ上映、パフォーマンス、ファッションショー、ワークショップ等々ボリュームもサイズもバリエーションもかなりあります。

上記は去年の卒業制作作品ですが、このサイズの作品がゴロゴロあって、さすがにこの大きさのものは美術館じゃ設営も展示も無理。
一度ご覧になれば、きっと「ああ。そりゃ都心の美術館じゃできないし、大学でやった方がいいね・・」とわかってもらえるかと。
地方の美大もこれまで卒展を外部美術館でやってましたが、学内卒展に切り替える流れが起きてますね。
 
 
Q4.ムサビは遠いし、都内でゴビダイテンをやるみたいだし、そっちでいいよね?藝大も一緒に見れるし。
五美大展をご存じとはありがとうございます。

平成29年度 第41回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展

●会期:2018年2月22日(木)-3月4日(日)*2月27日(火)は休館
●時間:10:00-18:00*入場は17:30まで
●会場:国立新美術館
●参加大学:多摩美術大学・女子美術大学・東京造形大学・日本大学芸術学部・武蔵野美術大学

●講演会 :ポストSNS世代のアーティストの役割
・日時:2018年2月26日(月)14:00~
・会場:国立新美術館3階講堂
・進行:赤塚 祐二(武蔵野美術大学美術館館長・油絵学科 教授)
・パネラー: 若手作家(五美術大学卒業生)
 ※参加費無料

 

ゴビダイテンとは、タマビ、女子美、東京造形、日芸、ムサビが合同で行っている展覧会の略称で、毎年2月下旬に国立新美術館で開催されます。
あ、そうそう。都美館で五美大展をやってる時は藝大の卒展と日程がかぶってたので、「藝大も一緒にやってる(はず)」という印象を持たれてるようです。「東京の私立5美大」という括りで藝大は入っていません(笑)

で、先日も書きましたが、これも勘違いされてる方が多く、ファインアート系学科(油絵や日本画、版画、彫刻)のみの展示なんですよ。デザイン系は展示されてないし、デザイン系の合同卒展もありません。
また、五美大展はスペースが限られてるので「3つ作ったうちの一つ」「全体は見せられないから一部のパーツだけ」「パフォーマンスものは再現できないからビデオ撮影したものを」「五美大展サイズに小さく作った作品」というケースがほとんど。そして国立新美は「水モノ・土モノNG」など規制が厳しく、そういう作品も設置できません。
本当の作品を見てもらうには、やっぱりムサビだとムサビでやる卒展に来てもらうしかないんです。5美大展は自分を知ってもらうための「ポートフォリオ実物版」を展示する感じかな?

とはいっても東京5美大のファインアート系卒業制作作品が一堂に会すわけですから、こちらもぜひ見に来てください!
五美大展についてはまた後日詳細書きます。今年はムサビが幹事校なので。
しかし・・・「パネラー」になってるね・・・これ、完全な和製英語で本当は「パネリスト」なのよ・・。
 
 
Q5.んじゃ学外卒展情報教えてよ
ムサビで毎年学外展をやってるのは日本画学科、視覚伝達デザイン学科(選抜展)、工芸工業デザイン学科ぐらいであとは有志展かな。ムサビは学内展がメインという考え方なんです。
逆にタマビは学科ごとの学外展がメインで、大学によって学内展・学外展の位置づけが違うんですね。


Q6.わかりました。午後ぐらいに適当に行きます
まだわかってないでしょ?(笑)
参考までに単純な計算式を2つ書きましょう。

一つ目は「人数」で考えてみた場合。
ムサビの4年生・大学院2年生の合計数は約1200人。
1人1作品と仮定して(通常は複数作品あります)、1人の作品を見るのに1分かかるとしたら、1分×1200で1200分・・・・つまり20時間かかる計算になります。
1分ってのは作品によっては素通りに近い状態だし、映像作品・論文・パフォーマンスもあるので全作品を1分で見ることは不可能。また、一つの展示室でやってるわけじゃないので、隣の教室、違うフロア、違う建物への移動時間もかかります。

2つ目は「面積」で考えてみた場合。
日本最大の美術館と言われてる国立新美術館の延床面積は何㎡だか知ってますか?
47,960m²です。「1日ではとても見れない」と言われてるルーブル美術館が60,600㎡
んで、ムサビ4号館・7号館の延床面積はそれぞれ約4,000㎡、10号館は約7,000㎡、2号館は約15,000㎡、12号館が約14,000㎡、9号館は約73,000㎡。実は 6つの建物だけで11万㎡を超え、この他にも5A・B・C号館や8号館、14号館、美術館等でも展示しています。
さらにQ3でも書いたとおり、教室や展示室だけでなく屋内・廊下・屋外関係なく、あらゆるところに作品が設置されているので、国立新美術館はもとよりルーブル美術館より数倍広いところで展示してる計算になるんです。

ちなみに、ムサビの建物が全部頭に入ってて卒展も毎年見てる手羽が全体を浅く広く見ようと思っても2日かかります。それでも4月の卒制優秀作品展で「こんな作品もあったんだ」と気が付くケースがあるくらいで・・。

ムサビの卒業・修了制作展がどれくらいのボリュームか、これでわかってもらえたんじゃないでしょうか。なので、できるだけ朝から来ていただきたいんです。
見たい作家、学科や系統が絞られてれば午後だけでも大丈夫だけど、それはちょっともったいなくね?という話を後日書きます。
「ムサビの卒展にそんなに時間はかけられない!」という方には、さらに後日サクっと回れるルートをご案内します。


以上、いつものごとく自分の展示を宣伝してもらいたい学生さんを募集しますよ、の手羽がお送りいたしました。Facebookかtwitterで連絡くださいませ。できれば今週中くらいまでに。
既にDMをくれた学生さんも何人かいます(笑)

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。