【大学によってさまざま】台風接近による授業の取り扱いについて

2017年9月16日(土)

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台風18号(タリム)は17日(日)に九州上陸、18日(月・祝)は関東地方も接近・通過する可能性が高そうです。
授業週確保のためにムサビは18日(月・祝)と23日(土・祝)は授業日なんですが、多くの大学がやっぱり授業日に設定してるし、この週末は入試やイベントをやってるところも多いです。

学生さんは「台風で大学が休みになるのか?」が今の一番の心配事(嬉しい事?)かもしれません。
そろそろtwitterとかで「大学あるかな?」と学生さんが騒ぎだしそうなタイミングなので(笑)、今後の参考にも書いておきます。
 

ほとんどの大学には「こういう時は授業を休講にします」という休講基準というのが存在します。
(多分学生手帳に書かれてるはずなんで確認してね)

参考に東京4美大の気象警報に伴う休講基準を紹介しましょう。
東京造形大学
気象警報発表時における授業の取扱いについて
台風による暴風警報が伊豆諸島を除く東京都と神奈川県のいずれかの地域に気象庁より発令された場合、以下の措置をとります。
•午前6時の時点で気象庁より暴風警報が発令されている場合には午前の授業を休講とし、 午前6時までに解除された場合には平常通り授業を行います。
•午前10時の時点で気象庁より暴風警報が発令されている場合には以後の授業を休講とし、 午前6時から午前10時までの間に解除された場合には午後の授業を行います。



女子美術大学
台風接近に伴う授業等の取り扱いについて
台風接近に伴う授業等の取り扱いについて、次のように定めています。
【相模原キャンパス】
気象庁より、神奈川県西部相模原に「暴風警報」の気象警報が発表された場合。
1.午前6時の時点で発表されている場合→午前の授業を休講とします。
2.午前10時の時点で発表されている場合→午後の授業を休講とします。
【杉並キャンパス】
気象庁より、23区西部に「暴風警報」の気象警報が発表された場合。
1.午前6時の時点で発表されている場合→午前の授業を休講とします。
2.午前10時の時点で発表されている場合→午後の授業を休講とします。



多摩美術大学
天候異変・交通機関不通時の授業の取り扱い
【八王子キャンパス】
気象庁より、多摩南部に、暴風、暴風雪、大雪のいずれかの気象警報が発表された場合は、以下のとおりとします。
・午前6時の時点で、多摩南部が、その警報下にある場合、1、2時限の授業を休講とします。午前6時までに解除された場合には、平常どおり授業を行います。
・午前11時の時点で、多摩南部が、その警報下にある場合、3、4、5時限の授業を休講とします。午前6時から午前11時までに解除された場合には、午後の授業を行います。
【上野毛キャンパス】
気象庁より、東京23区に、暴風、暴風雪、大雪のいずれかの気象警報が発表された場合は、以下のとおりとします。
・午前11時の時点で、東京23区が、その警報下にある場合、1、2時限の授業を休講とします。午前11時までに解除された場合には、平常どおり授業を行います。
・午後3時の時点で、東京23区が、その警報下にある場合、3、4時限の授業を休講とします。午前11時から午後3時までに解除された場合には、3、4時限の授業を行います。



武蔵野美術大学
気象警報に伴う休講について
造形学部(通学課程)及び大学院・博士課程において、気象庁が多摩北部に「暴風」、「暴風雪」、「大雪」の気象警報(注意報を除く)を発表した場合は以下の通りとなります。
1. 午前 6時00分において発表されている時は、午前を休講等とする。
2. 午前 9時00分において発表されている時は、午後を休講等とする。
3. 午前 9時00分より後に発表された場合は、学長の判断により決定する。



ポイントは3点。
(1)「注意報」でも「大雨警報」「洪水警報」でもなく「暴風警報」
(2)台風で休講なんかになっちゃうより勉強したいよね?
(3)大学が出す公式情報をちゃんとチェックしよう。



どの大学も「暴風警報」が判断基準になっています。
「なんで暴風警報なんだよ?!普通大雨でしょ?バカじゃないの?!」と思う学生さんも多いです。
でもこう考えるとわかりやすいですよ。
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大雨では通学中や大学内で2次的な災害はあったとしても、「雨にぶつかってケガした」ということはないはず。また、大雨は自分が注意すれば回避できることも多い。
でも暴風の場合は、いくら注意してても突発的に何か飛んできてケガすることがありえるから。
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聞けば理由は簡単で(笑)
「交通機関が動いてるか」ではなく、「安全に通学し、授業を受けられるか?」なんですね。
だから暴風警報を休講・休校基準にしてる大学が多いんです。
*交通機関を判断基準にしている大学もあります。


また、「タマビは休講にしたのにムサビは休講にしない!クソが!(その逆)」と学生さんが言ってることがあるけど、基本的な大学のスタンスは
「みんな、そんなに勉強したくないの?そんなはずないよね?小学生の頃は台風で学校が休みになったら嬉しかったけど、まさかまだその気分が抜けてなかったりしないよね?」
です。
一般大学生は「授業休講=休み=ヤッホー!!」なんでしょうけど、美大の場合、学校に入れなくなると制作時間が減ることを意味します。特にファインアート系はアトリエや工房じゃないと作れませんし。といって、1日休講になったからといって講評日が延期される可能性は低い。
最近は 「なぜ大雨警報出てるのに休講にしないんざますか!」とお母様が大学にクレーム電話をかけてくるケースがあるんですが、「あなたの子どもさんと違って、制作したがってる学生さんがたくさんいるんですよね」で。
上述したムサビの休講基準をよーく見てほしいんですが、「造形学部(通学課程)」と書いてあります。つまり通信教育課程のスクーリングはよほどのことがない限り休講にはしない、ということで、通信の学生さんは「簡単に大事な授業を休講にされてたまるか」という人が多いからだったりします。


そして、「台風が来ることはテレビやネットで事前にわかってんだから、学生さんも対応を考えるよね?」です。よく言いますよね、「いいなー。台風は進路が決まってて」と。
台風は震災等と違って突然やってくるもんじゃないから、家が遠い人は大学近くの友達に泊めてもらうとか事前に取れる対応策がなにかしらあります。
台風情報をボーと見て「休みにならないかなー・・」と祈ってるだけってのもどうなの?と。


とはいっても、以前より基準を適用せず学長判断で事前に休講告知をするケースも増えてきてます。
時代の流れってやつですね。
東京工科さんは休講決定してるし、
【蒲田キャンパス】台風18号の接近に伴う休講措置について
大阪成蹊大さんはAO入試の順延を発表してます。
《緊急》台風18号接近によるAO入試【9月18日(月・祝)】実施について
こういう緊急時は「実施について」じゃなく「延期について」とタイトルに書いた方がいいと思うのだけど。

逆に「ピンチはチャンス」と、京都造形さんは学園祭の開催を1日延長開催することを発表しました。
【台風18号の接近でご来場できない方のために、オープンキャンパスを9月18日(月・祝)まで延長開催します】
こういう判断をすぐできることが京都造形さんのいいところですね。


あ、twitter等SNSではデマ情報が時々流れるので、こういう時は大学公式情報だけ見るようにしましょ。今は大学WEBサイトやメールですぐに情報が配信されますので。


念のために書いておきますが、「早めに休講判断した大学が偉い」とか「授業を優先した大学が偉い」ということではありません。
各大学の立地条件・交通手段・カリキュラムがそれぞれ違うので、各大学・時期によって対応が違うのは当然のこと。同じ大学でもキャンパスによって基準は違うし、 「明日が講評日だから、今日全体休講にしたら困る学生さんが多いだろうなあ・・」というケースもあるわけで、なかなか判断って難しいのです。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。