関西と関東の美大の違い

「こちょばい」が方言だと最近知った福岡出身の手羽です。東京では「くすぐったい」って言うんですね・・。東京生活の方が長くなった手羽なので、さすがに「○○ばい!」とかは言わないけど、「それ、片付けといて!」と言いたい時に、とっさだと「それ、なおしといて!」と言ってしまうんです。いまだに福岡の血が流れてるな、と感じる瞬間。

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日曜に「PARTNER 第1回ライター総会」が国分寺の(株)モーフィングでありまして。
・・・簡単にいえばオフ会です(笑)

当日参加されてた学生さんは南は熊本の崇城大学、北は東北芸工まで。名古屋造形、京都造形、京都精華、早稲田とかいろんな学生さんが来てました。あ、最南はチリから来た人もいたか(笑)
美大日記は、北は北海道の東海大学芸術工学部だったけど、西は京都が限界でしたから。ま、最西はイギリスのDe Montfort Universityだったりもするけど。

オフ会といっても顔合わせ兼ミーティングみたいなもので、編集長からこの2ケ月の振り返り、PARTNER_WEBの方向性などが語られ、学生ライターさんの質問に大人組がトークセッションで答える的なシーンもありました。

そこでやはり、「どんな内容を書けばいいのか?」という話が。

編集長がいるので本当の書くべき内容は編集長責任だと思うけど、10年間学生ブログを運営してきた手羽の経験則からちょっとだけ。


「違い発見」は素直に面白い。
私はこれに尽きると思ってます。
「へー、あの人はこんなこと考えてたんだー」とか「うそ。そんなことやってるの?」いう情報は面白いんですよ。
なので、PARTNER_WEBのメリットを生かすなら、「美大・地方による文化の違い」を書いてもらうのもいいかもしれません。
当たり前だと思ってたことが、大学によって、地域によって当たり前じゃなかったりするんです。


関東では「マック」だけど関西では「マクド」と言うように、関東と関西の美大で違う点があります。


真っ先に思いつくのは・・・これは美大に限ったことではないけど・・・関東だと「●年生」っていうけど、関西だと「●回生」って言うんですよ。
これは東大が●年生、京大が●回生を使ったから、関東では●年生、関西では●回生というようになった・・・という説が有力。
このことは昔から知ってたんだけど、今回のライター総会で名古屋造形の学生さんが「●回生」を使ってて、「あ。名古屋は関西文化圏なんだな」と新たな発見がありました。
これ、どこから「●年生」になるのか、調べてみたいなあ。静岡あたりなのかしら。


美大または美大予備校特有のシステムで「講評会」ってのがあります。
これも関東では「講評会」だけど、関西では「合評会」って言うんですね。
でも手羽が通ってた福岡の画塾では「講評会」って言ってたから、どこかで変化する土地があるはず。

ちなみに金沢美術工芸大学さんに行った時、学生さんが「合評会」を使ってて、「金沢は『合評会』系なのね」と聞くと、「どちらかというと、合評会は授業でやる会、講評会は授業外、課外で学科関係なく先生有志が集まってやる会」と言われました(逆だったかな?)
「合評会と講評会は別物」なんだそうです。面白いでしょ?
しかも金沢美工さんにはそういう文化があるってところも発見。
最近、「●●という言葉は東京だと○○、福岡だと△△」ってのを表した日本地図がよく出回ってるけど、「講評会・合評会MAP」をいつかPARTNERの力で作りたいな、と。


手羽的な発見だと、「京都の美大は建物に名前を付ける」ってのがあります。
意味が分からない方、例えば京都精華さんと京都造形さん、京都嵯峨さんのキャンパスマップを見てください。
https://www.kyoto-seika.ac.jp/about/map/
http://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/access/campusmap/
https://www.kyoto-saga.ac.jp/about/campus_map/
関東だと「12号館」「彫刻工房」とか、せいぜい人を記念した「大隈講堂」がほとんどだけど、京都は「人間館」とか「友愛館」とかそういう名称が建物についてることが多い。
聞いた話だと、「代々学長か理事長が命名する」というルールがあり、でも「管理上、頭文字とイニシャルは既存の建物名とかぶっちゃいけない」裏ルールもあるそう。
「うーん、残りはYだけか・・・Y、Y、Y・・・あ、友愛館ってどうよ!!You and Iでもあるしさ!どう、どう?良くね?」てな感じで決まってるんじゃないかと(勝手な推測)。
ただ、全部の京都美大ってわけでなく、京都市立芸大さんとか京都工芸繊維さんはこのルールから外れます。


「関西」といいつつ、例が京都ばかりなのは京都の美大しか知り合いがいないもんで・・すいません・・・。
あ、そうそう。京都の美大だと、あだ名というか「大学での通り名」をつけるのが習慣みたいです。
マイクとかハイジとかハサミとか、あだ名とはちょっと違う文化。
日本人がアメリカの大学や会社に入ると、「じゅんざぶろう」みたいな人があっちでは「ジョージ」と呼ばれるようなもので。


もひとつ京都の大学がよく使うフレーズが「」。
京都の大学が出してる情報で「●●展覧会 -アートの新しい風-」なキャッチフレーズをよく見かけるんです。関東の大学では「風」ってキーワードは全然使わないので面白いなーと。
京都は盆地だから、「風」には「普段はないもの」「待ち望んでたもの」「嬉しい」という意味合いがあるのかな、と推測したり。


今、こんな記事が話題を集めてますが、
クオリティー高っ(笑)野球の早慶戦・慶早戦の「煽り合いポスター」が話題に!
美大に置き換えるなら、

ムサビ「毎日山登りで大変ね。ぷぷ」
タマビ「平地だからデブになるのよ。ぷぷ」

京都精華「はいはい。また『困ったときの吉田編集長頼み』ね」
京都造形「はいはい。また『困ったときのシカ頼み』ね」


と、大学の違いをディスりあうのも面白いかと。



長くなりそうなので続く!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。