【10年後も食えるクリエイターとは】宝塚大学 東京新宿キャンパスに行ってきた!

2017年7月5日(水)

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7月4日、午後半休をとって「君の名は」の聖地でもある

新宿の歩道橋を渡って、こちらへ行ってきました。

宝塚大学 東京メディア芸術学部!!


新宿サテライトがある頃はセンタービルから毎月宝塚さんの建物を見てたし、前を何度も通ってるけど入るのは初めて。一度入りたかった場所。

ここで宝塚大学さんについてちょっとご紹介。

学校法人関西女子学園が運営する大学で、1967年に関西女子学園短期大学(のちに関西女子美術短期大学に改称)を設置後、1987年に宝塚造形芸術大学を開設。2010年、看護学部を作る時に「宝塚大学」に改称。つまり、2017年は学校法人関西女子学園創立50周年、宝塚大学30周年となります。

美大愛好家なもんで宝塚大さんの話題で、この件に触れないわけにはいかないのですが、
宝塚大学 造形芸術学部(宝塚キャンパス)の学生募集停止について
平成28年度から宝塚キャンパス造形芸術学部の募集を停止しています。
このニュースは美大業界でもかなりショッキングで、これだけで1記事書いたりもしましたが、
宝塚大学造形芸術学部が募集停止
後から聞いた話だと、宝塚大の職員さんも全く知らされてなく、次年度募集のための新大学案内をトラックから降ろしてる時にニュースで聞いたそうで。
学生さんがいなくなる前に宝塚キャンパスへ行きたいなーと思ってるんだけど遠くて・・。

昨日行ったのは2006年にできた東京新宿キャンパス。「東京メディア芸術学部」があり、松本零士さんが教授になられて話題になりましたね(今は週に1度教えにきてるそう)
しかし、地名が入る学部名って他にあるのかな?

んで、宝塚大学さんに何をしにいったかというと・・・完全にやっちゃった系なんだけど・・・

NEWVERY 理事・倉部史記さんのFacebookで「高大接続共創フォーラム」というイベントで「世代クリエイター育成に向けた教育改革・新しい進路選択~10年後も食えるクリエイターとは~」というかなり気になるタイトルの基調講演をやると知り、「場所も新宿だし、これは聞くしかねえ!」と他のコンテンツをろくに見ずにポチっと参加ボタンを押したんです。
「場所が宝塚大学さんなのは場所貸しをされてるのかなあ?」ぐらいな感じで全く気にもせず。

倉部さんには昔からお世話になってて、倉部さんがやってたニコ生番組に出演させてもらったこともあります。

あの倉部さんがどういう観点でクリエイター教育を語るのか楽しみで。


会場について全体レジメを見て「・・・ん?」と思いつつも、倉部さんの講演が始まった。

具体例の豊富さはさすがですね。

冒頭は「現在の小学1年生の65%は現時点で存在していない仕事に就く」と言われてるように、確実に将来が保障されている仕事なんてない、という話。中学生だとカメラのフィルムを見たことがない世代。写真屋さんというのは専門職だったはずだけど、どんどん町から消えている。
この話で思い出したけど、町から自転車屋さんが減ってて困ったことありません?小さな町に必ず一つは小さな自転車屋さんがあったのに、パンク修理をお願いしたくても今は遠くまで自転車を持っていくしかなく・・・。本屋さんもどんどん無くなってますが「アフターケアが必要」ってことを考えると本屋さんとは違う役割があるんですよね。将来自転車が「パンクしたら使い捨て」になりそうな気がしてて。ま、「パンクしないタイヤ」も生まれてきてるけど。ちょっと脱線。

また、AIの進化によって人間がやってきたことがどんどん機械がやっていくようになる。高齢化とは労働層が減るということでもあり、これはある程度仕方ないことなんだけど、予想以上にAIが進化してるから、必要以上に人間の仕事を奪われてしまう可能性も高い。これまでの産業革命時は、必ず大量の失業者を出してる歴史があります。もうすぐ起きるAI産業革命で大量の失業者・格差をどうするか、という問題が発生すると言われてますね。
そういえば、昔は東芝に就職したら「すごい!これで一生安泰やね」と周りに言われてたけど、今の状態を10年前に予測してた人はほとんどいないはずで・・シャープも然りですね・・昔は「企業の寿命」は30年と言われてたけど今は18年。その大企業が20年後どうなってるかも全くわからない。

その中で、AIは抽象的な概念の判断がまだ苦手なので、「30年後に残る職業」にはクリエイター系業種がかなり入っています。これからはクリエイターの時代だ!!・・と言いたいところだけど、ただこれもわからない。色を塗ることはAIで既にできてるので、絵を描くぐらいならもうすぐAIができるようになるはず。クリエイターの役割・関わり方・働き方も初音ミクやクラウドファンドだったり、BAUSのようなプラットフォームが生まれてきてるし、これからどんどん変わるはず。

なので今の進路指導は「進路選び」になってるけど「進路づくり」であるべきで、「自分で仕事を創れる人」という意味でのクリエイター教育が必要だ、という話。
うん、今度この話を使わせてもらおう。

でも、「私の知ってる美大関係者がこんな素晴らしい言葉を語ってました。美大生とは、覚悟を決む・・決めた悩める自信家だ』と」って、それ、手羽が作ったかっこいいフレーズ!!
その大事なところをかんじゃダメだって!!(笑)


後半は「宝塚大学さんがWeekday Campus Visitを初めてやる」と妙に宣伝チックな言葉がちょいちょい入るようになって、「ん?!」と感じ出したところで、続いて「宝塚大学の学びと今後の業界トレンド」と言う話を准教授が説明。

「宝塚大学を事例にした業界トレンドの話かな?」と思ってそのまま聞いたけど、宝塚大学の話。そして、さらに続けて入試課の方が「宝塚大学新AO入試制度について」という説明。

ここで慌ててノートPCをネットにつなげてWEBで確認。

おもっきしイベントタイトルに「高等学校教員対象」って書いてた・・・高校の先生のための大学説明会だったんだ(汗)

完全にやってしまった・・・倉部さんの名前につられて全く見てなかった・・・確かに美大潜入が趣味ではあるけど、不本意に潜入するつもりはなく・・。
申し込み時に大学名を書かなかったのが唯一の救い。
ここまで来たら「クリエイター教育に興味を持ってるおっちゃん。もしかしたら子供が受験を考えてるかも」のテイでいくしかない・・・会場には川崎総合の碓井先生や橘学園の先生、(株)さんぽうさんがいらっしゃったりしたけど、ここはそれを通すしかない・・。


そのあとはキャンパスツアー。
こうなったら「美大って施設が立派ですねー。初めてみました!(感動)」のテイで行くしかない。


  • これは解剖学の授業だったかな?


  • 京都から材料をとりよせた立派な茶室が10階にあった


  • こちらは多目的ホール。ここで学生さんは食事をとったり休憩したり。


  • こんな絵も。ジョジョのアニメを担当されたんだとか。


特徴的なのは、ビルの中に「ジェットグラフィクス」という、教員が運営するゲームコンテンツ制作会社が入っていること。学生は機密保持契約を結ぶことでここでアルバイトもできます。

逃げるように帰ろうとしたら、名札を見た入試課の方から「あ。時々ブログ見させてもらってますよ」と言われる。
完全にばれてた・・・・。



以上、

お土産に非常勤講師の先生がパッケージデザインされた「東京しょ・こ・らラスク」を頂いてしまった手羽がお送りいたしました。
ほんとすいません・・・。
 

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。