写真「1_WALL」展とは
ガーディアン・ガーデンが主催する、個展開催を掛けたコンペ「1_WALL」はグラフィック部門と写真部門の二分野で年2回開催しています。いずれもポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話する二次審査を通過したファイナリスト6名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展形式で作品を発表、そして一般見学者にも公開されるプレゼンテーションを伴う公開審査会を経てグランプリが決定し、受賞者には一年後の個展開催とパンフレット制作の権利が贈られます。
「1_WALL」展は選りすぐりの若手アーティスト6名のグループ展であると同時に、登竜門となるコンペティションのファイナルステージなのです。
6人のファイナリストたち
今回ファイナリストに選ばれた6人の作品は、日常や身の回りに存在する人物・環境を対象にした概念的な作品が多いようです。
東京総合写真専門学校研究科卒業の錦有人は、「波欠け」という日本海沿いの局地的な浸食現象が発生する地域で冬の海を撮影した作品を出展。浸食が続くことによる地形の存続性のなさ、沈む集落、形成を続ける浜といったものが写真で表現されています。
Photo makerの「ベイマックス半澤」は友人が写真を恥ずかしがり、カメラを向けるたびにぶれてしまう様子を表現した写真作品です。Shun Hidakaのベイマックスをテーマとしたコレクションとのことです。
青木陽は過去の個人の記憶に起点を置いて日常の1シーンを撮影した「反転スペクトル、サークル」を出展。「これらは斜めに撮られたものが多く、ある出来事では些細な違いが記憶の意味内容に大きな違いをもたらすのです」と言葉が添えられています。
京都造形大学大学院卒業の阿部直樹は「空洞」を出展。日常にあふれる光と静物を丁寧にモノクロームに定着させることにより、「ものがものであること、中身が抜け落ち、形が形になること」を表現しています。
「ひょっこりと自分のまえにあらわれ、どんどんかたちを変えながら、ときに想像もつかないところまでつながり広がるイメージ」というコメントを作品に寄せた石田浩亮は、「YUME NO SHIMA CRUISE」というタイトルで、街頭のスナップショットのように戦略的に作り上げた日常の風景を作品にします。
日本写真芸術専門学校で写真を学んだ土志田みかるによる、1人の女性を3年間、年に一度のペースで撮影した作品「2012-2015」も注目です。「年に一度彼女を映すことにより、彼女が得たもの・そして失ったものを想う」という、奥行きを感じる言葉も添えられています。
これらの作品が、ガーディアン・ガーデンの6つの壁を埋めます。
最終審査ではアートディレクターの菊池敦己、写真家鷹野隆大、フォト・ギャラリー・インターナショナルギャラリーディレクターの高橋朗、写真家の土田ヒロミ、アートディレクターの町口覚の5名が審査し、グランプリを決定します。(順不同、敬称略)
展示は6月4日まで、グランプリが決定するのは5月13日です。未来の写真界のスター誕生をお見逃しなく。
▼開催概要
第12回写真「1_WALL」展
会場:ガーディアン・ガーデン(東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F)
会期:2015年5月11日(月)~6月4日(木)
休館:日曜
時間:11:00~19:00
入場無料
▽公開最終審査会
2015年5月13日(水)18:00~20:30
予約 電話:03-5568-8818
▽関連イベント
「PORTFOLIO REVIEW」
レビュアー:小林美香(写真研究家)/瀧本幹也(写真家) ※五十音順・敬称略
開催日時:5月26日(火)19:10~21:00
参加者応募締切:5月12日(火)19:00
見学自由
▼主催
株式会社リクルートホールディングス リクルートクリエイティブセンター ガーディアン・ガーデン
情報参照元:
http://rcc.recruit.co.jp/gg/exhibition/gg_wall_ph_201504/gg_wall_ph_201504.html
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