【ノンデザイナーのための学校】WEデザインスクール第二期募集開始

2017年5月20日(土)

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大学では「起業家育成」「アントレプレナー教育」等が叫ばれるようになりましたが、大きな意味では個人デザイン事務所を作るのもアーティストになるのも「起業」には違いなく、「もともと美大には起業家精神を育てる文化がある」とも言えます。ただその方法論・テクニック論をちゃんと教えてないというか、そういう授業もあるんだけど学生時代にその必要性を気が付かせる展開をしてないというか・・。


「若くして起業した(株式会社を作った)ムサビ卒業生を教えて」と聞かれたら、手羽がパっと思いつくのは二人です。

1人は、(株)モーフィングの芸術文化学科卒・加藤晃央くん。彼は学生時代に起業してます。
そして、もう1人が(株)OFFICE HALOの稲葉裕美さん。彼女も芸術文化学科卒です。
加藤くんも稲葉さんも「アート・デザインと社会をつなぎたい」というポリシーで起業されてるので、当初から「 これからのデザイン教育を議論しながら、企業・社会と大学がつながりを持てる場」を目指して開設されたデザイン・ラウンジとしても応援したくなる二人でもあります。


その(株)OFFICE HALOとデザイン・ラウンジとの共同事業で2016年にスタートしたのが、今日紹介するWEデザインスクールです。

しかし、「デザインの発注」ってほんと難しいですよね。
「相場がわからない」という問題もありますが(笑)、「ここはこうして、これはああして」と細かく指示すると「だったら自分でやれよ」だし、「ハラケンヤっぽいデザインで」と依頼すると「じゃハラケンヤに依頼しろよ」だし、「お任せで」とお願いしても完全なお任せは絶対にありえないし、上司の意見で最後にコンセプト自体がガラっと変わってしまい「デザイナーになんて説明しよう・・・」なんてこともあるし。
このサイトは涙なくして読めません。
【どん兵衛×ベルサイユのばら】なぜこうなったどん兵衛の広告。| 日清のどん兵衛


ポイントは「この依頼の肝はなんなのか?伝えたいことはなんなのか?」をちゃんと考えて、デザイナーにはっきりと伝えることだと思っています。
余談ですが、よく「新しいことをやるんだったら、ちゃんとアンケート取ったり調査しろ!」ともっと言う人がいますよね。
市場調査は大事なんだけど、実はアンケートや調査で何を調べたいか、何を聞きたいかを詰めていくと、それがコンセプトを深く考えることにつながることも多く、「アンケートで聞く行為」よりも「アンケートの質問項目をちゃんと考える行為」の方が意味があったりします。「肝が何か考える」ってやつですね。
ぶっちゃけ、情報の組み合わせによって見せ方を変えられ、いくらでも見せかけの結果は操作できるし。
例えば「『好き』『どちらかといえば好き』が半数以上!」というデータがあったとします。でも、よく見たらサンプル数が50人で、しかも
・好き10人
・どちらかというと好き16人
・どちらかというと嫌い4人
・嫌い11人
・無回答9人
だった、とかね。このデータ、否定派にも使えるでしょ?(笑)
アンケート結果は「質問項目を考えたら生まれた副産物」「自分で調べたり考えたりできない人への説得材料」ぐらいに考えてもいいかも。
余談でした。話を戻します。


自分のイメージしてるものと全然違うものをデザイナーが提案してきたら、多くの場合は伝え方がまずかった可能性が高く、クライアントにも「デザイン作成能力」や「センス」とは違う、「デザイン力」が必要だってことです。

また、「PCで誰もが簡単にデザインができちゃう時代」と言われてますが、やはりデザイン教育を受けた人が作ったチラシとそうじゃない人のチラシでは、なにかが違います。そのなにかとはすごく微妙なものだけど、だいたい見ればどっちかわかりますよね?
素人が作るととっちらかっちゃうというか、キレがないというか、知れば知るほど手羽が思うのは「やっぱりデザイナーってすごいなあ」でして。


世界でバリバリに活躍するデザイナーになるには、やはり備わった才能やセンスがあるかが大きいし、それをもってるかどうか気が付ける場所がある意味「美大」だ私は思っています。でも、私たちが伝えたいのは「デザインやアートは学べるものである」ということ。
「デザインはセンスがないとできない」「才能がないからあきらめろ」とか、なんか特殊な場でしか使えない特別な才能のように思われがちだけど、学びと熱意によってアートやデザインは習得でき、それは普段の日常でも活用できることを知ってほしいんです。

そんなクライアントのデザイン力やデザインリテラシーの必要性に気が付いてる人、資料作成や日常業務で発生するデザイン制作物をつくるスキルをあげたい人、デザインの視点で企画・発想する力を磨きたい人、文字やレイアウトについて理解を深めたい人、汎用性のある『デザインの考え方』の基礎を理解したい人、そして純粋にデザインを学びたい人などを対象とした講座が、「ノンデザイナーがビジネスに活かせるデザインを学ぶ」をコンセプトとするWEデザインスクールなのです!


プレイベント、第1期を2016年度に実施したところ、これが大変好評でして、この夏に第2期を開催させてもらうことになりました。
今回も「理論」と「制作」の2つをご用意しています。


デザイン理論トレーニング基礎「デザインの良し悪しを理解する」

さまざまな事例を通してデザインの法則やルール、領域横断的な理論と良し悪しの基準を学ぶことで、優れたデザインを判断し、言語化して人に伝える力を磨きます。

●開講日: 全6回|2017年6月17日(土)6月24日(土) 7月8日(土)7月22日(土)8月5日(土)
※各回とも欠席者のためのオンラインでの動画補講有り
●内容:
■DAY1 2017/6/17(土)14:00-17:00
デザインとは何か|デザイン概論
デザインの学び方 / ビジネスにおけるデザインの可能性 / デザインの目的と役割 / なぜデザインが分からないのか / デザインを判断しマネジメントする / 文字・色・かたちからはじめる理由

■DAY2 2017/6/24 (土)14:00-16:00
デザインの基本要素を知る1|文字
書体の基本を知る / 文字の成り立ち / 文字の印象を読む / 文字の使い方とルール/ヒエラルキーの示し方 / 発注トレーニング

■DAY3 2017/7/8 (土)14:00-16:00
デザインの基本要素を知る2|色
色の基本を知る / 明度・彩度・トーン / 色と機能 / 色の理由と印象を読む / 色の組み合わせ分析 / 判断トレーニング

■DAY4 2017/7/22(土)14:00-16:00
デザインの基本要素を知る3|かたち
かたちを読み解くキーワード / 平面・立体・空間 / 平面のかたち / 写真・イラスト・グラフィック / かたちと印象 / レイアウトの基本

■DAY5 2017/8/5(土)11:00-13:00
デザインプロセスを体験する|課題発表と講評
課題発表

■DAY6 2017/8/5(土)14:00-16:00
デザインプロセスを体験する|課題発表と講評
デザインの判断基準 / イメージと知覚を鍛える / デザインマネジメント側の役割 / デザイナーとのコミュニケーション / デザイン・マインドを持ったビジネス・リーダーになるために

●会場: 武蔵野美術大学デザイン・ラウンジ
●講師: 稲葉裕美、渡邉翔(WEデザインスクール講師)
●定員:30名(先着順)
●受講料:72,000円(全6回)
→ お申し込みはこちら



デザイン制作トレーニング基礎「Illustratorの使い方とデザイン制作の方法を学ぶ」

グラフィック制作ソフトIllustratorを使ったデザインの実践を通して、デザインを考えアウトプットする一連のプロセスと発想のポイントを身につけます。

●開講日:全6回|2017年6月15日 (木)6月22日(木)6月29日(木)7月6日(木)7月13日(木)7月20日(木)
※各回とも欠席者のためのオンラインでの動画補講有り
●時間: 19:00-21:00
●内容:
■DAY1 2017/6/15(木)19:00-21:00
情報の整理|デザインの改善点を考える
情報の意味を考え、分解・整理し再構築します

■DAY2 2017/6/22(木)19:00-21:00
基本のサイズ設計|文字の扱い方
書体を選定し、基本の文字サイズを元に紙面全体の設計を考えます

■DAY3 2017/6/29(木)19:00-21:00
余白と紙面設計|レイアウトの方法
最適な余白を計算し紙面全体のレイアウトを決めます

■DAY4 2017/7/6(木)19:00-21:00
ピクトグラムの制作と使用|ビジュアルで伝える
ピクトグラムを制作しそれを使ってデザインします

■DAY5 2017/7/13(木)19:00-21:00
データの視覚化|グラフで伝える
グラフを理解しデザインします

■DAY6 2017/7/20(木)19:00-21:00
最終プレゼンテーション
最終発表とリフレクション

●会場: 武蔵野美術大学デザイン・ラウンジ
●講師: 富田誠(WEデザインスクール講師)
※各回とも欠席者のためのオンラインでの動画補講有り
●定員:24名(先着順)
●受講料:72,000円(全6回)
→ お申し込みはこちら



パっと金額を見て「7万2千円?!高い!!」と思う人もいるかもしれません。
調べてみるとわかりますが実は内容と相場からしたら激安金額なんです。研修助成金制度がある会社も増えてて、それを活用されて参加された受講生も第1期ではいらっしゃいました。

あ、社会人だと「ああ。どうしてもその日は仕事でダメだああ(涙)」「突然残業が入っちゃった(涙)」というケースが1日ぐらいはあるかもしれませんね。
そういう人のために今回から欠席された方に向けて授業のオンライン動画補講をご利用いただけるようになりました。ワークには参加できないけど「欠席しちゃった前回はどういうことやったんだろ?」と概要はつかめますので、そのへんはご心配なく。


んで、募集はもうスタートしてるんだけど、既に申込みされた方や申込みを検討されている方から 「講座やスクールについて詳しく聞きたい」との問い合わせを多数いただきまして。
なので、急きょ追加説明会を開催することになりました。

WEデザインスクール プログラム説明会

●日時: 2017年6月6日 (火) 19:30-21:00 (受付19:00-)
●会場: 武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
●定員:50名(先着順)
●参加費:無料
●参加対象者: デザインに関心のある社会人の方限定
 → こちらからお申し込みください


WEデザインスクール校長の稲葉さんが学びの特徴について説明するほか、講師に学習の進め方について相談できる場も設けています。
受講を検討されている方、デザインを学ぶか迷っている方など、この説明会は無料なので遠慮なくきてください!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。