[news] 平成の大和絵師・山口晃の個展まもなく閉幕! 

現代芸術家の山口晃(やまぐち・あきら)さんをご存知ですか? 山口さんは、大和絵や浮世絵のようなタッチで街の俯瞰図を細密に描く作風で知られる作家です。水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、今週5月17日(日)まで山口さんの代表作と新作を合わせて展示する個展「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」を開催しています。今週末、水戸まで足を伸ばしてみてはいかがですか? トップ画像:前に下がる 下を仰ぐ 2014 紙に鉛筆、ペン、水彩、墨 36.6 x 28.9 cm (c)YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery

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大人気作家、山口晃。

山口さんは、1969年に東京都で生まれ、群馬県桐生市で育ちました。幼い頃から絵を描くのが大好きだったそうです。東京藝術大学在学中は油彩画を専攻していましたが、次第に油絵から水彩にその技法は変遷していきました。現在、細密かつユーモラスな独自の作風を確立し、2001年に岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を、2013年には第12回小林秀雄賞を受賞するなど、高く評価されています。書籍の装丁や広告、パブリックアートを数多く手掛け、成田空港でも彼の作品を見ることができます。まさに、日本のアートシーンの第一線で活躍する作家なのです。 



  • ポスター用描きおろし原画「続・無残ノ介」2007 紙にペン、墨、水彩51.7 x 73.5 cm 撮影:宮島径©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery

平成の大和絵師ってどういうこと?

山口さんは、日本の歴史的な絵画手法を自分の作品に応用していることから、「平成の大和絵師」と呼ばれることがあります。かっこいい愛称ですよね。彼の作品には、墨を使うだけでなく、空間を斜め上から俯瞰していたり、金泥が配置してあったりと日本史の教科書で見たことがあるような雰囲気があります。こうした点が大和絵師と呼ばれる所以です。しかし、そこは「平成」の絵師だけあって、ただ和風な絵ではないのです。建物を見てみると、高層ビルに瓦屋根がついています。合戦の場にいる馬が実はバイクだったり、侍は眼鏡をかけていたり、と昔と現代がちぐはぐに混ざり合っています。こうした奇想天外なイメージを、正確な描写力をもって、ぎゅっと画面に凝縮しているのが、山口さんの作品の大きな魅力と言えます。



  • 子の字引留行形柱 2010 紙にペン、水彩 35 x 24 cm 個人蔵 撮影:宮島径 ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery

新作は…まだ制作中?

さて、山口さんは地元である群馬県桐生市をモデルとした新作をこの「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」でお披露目する予定でした。繁栄するショッピングセンターと寂れたシャッター街をテーマにした大型の水彩画です。しかし、新しい表現を模索した結果、新作を個展のオープンまでに完成させることができませんでした。そのため、山口さんは会期中も作業を続けています。果たして、山口さんの新作は完成したのでしょうか。それは、水戸芸術館現代美術ギャラリーまで足を運んで確認してください! 



▼開催概要
「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」

会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
   https://arttowermito.or.jp/gallery/gallery01.html
開催日:2015年2月21日(土)~ 2015年5月17日(日)
開館時間:9時30分~18時(入場時間は17時30分まで)
休館日:月曜日 ※ただし5月4日(月・祝)は開館
入場料:一般800円、前売り・団体(20名以上)600円
※中学生以下、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料

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