近年、安く手軽に行けると、海外旅行先として人気の上がっている台湾。
近隣の国々の中で、日本人に比較的友好な国としての認識も強いかもしれません。
台湾はかつて日本に統治されていましたが、その記憶と影響は年配のおじいちゃんおばあちゃんから鮮明に見て取れ、若い世代にも伝わっています。
歴史的にゆかりがあることに加え、近隣であるためその文化的な影響も大きく(例えばアニメ、バラエティ番組、ドラマなどが浸透しています)、それ故に台湾では日本語をちょっと喋れるという人も少なくありません。「海外旅行は言葉が通じないのがネック」という方にも行きやすいかもしれません。
ある時、「春休み台湾行く?でも台湾はいつでも行けそうな気がするからなー。」といった、知らない人の会話を小耳に挟んだことがありました。
そこで、今回は日本と台湾のハーフである私が、
今こそ行くべき、「散歩で台湾アート旅。」を提案したいと思います!
そもそも台湾ってどんな場所?
台湾へのフライト時間は大阪-台北(タイペイ)で2時間半、東京-台北で3時間半、東京-高雄(台湾の南方の都市・カオション)で4時間ほどかかります。
平均気温は日本より5度ほど高く、湿度が高いです。
台湾の面積は日本の九州ほどの大きさで小さな国ですが、地域により異った魅力があります。
一番良く知られている台湾の風景イメージはこんな感じではないでしょうか?
日本の方々がよく行かれる観光スポット、九份(ジョウフン)です。
台湾旅行というと、大都市台北やその近辺のツアーが多いですが、
実はそれ以外にも、現地のアーティストにも人気なエリアがあります。
ということで、今回は台湾の特色「美食」は押さえながらも、台北や、観光スポット「夜市」「寺院」から離れ、ひと味違う台湾のスポット、台南(タイナン)を紹介したいと思います。
台南は台北の大学生達も休みにプランを立て、日常から離れてデトックス出来る様な、ゲッタウェー的な場所で、台湾のアーティストがアトリエを構えるのにも密かに人気なツウな場所です。
旅行ではなく、ちょっとした旅をしよう!
昔に比べ、海外旅行は飛躍的に簡単になりました。
航空券も以前より安く手に入り、スマホの普及によって情報は常に不足しない状況になっています。
「旅行が趣味」と、耳にすることが増えましたが、それは豊かな経済とテクノロジーに抱擁されてからこそ、言えることである事を忘れがちです。
一昔前(おじいちゃんおばあちゃん世代など)は、海外はほど遠く、旅行に出る事は難しいことであり、海を渡る事は、一生一代のことでありました。
心して、つぶさに、海の向こうの世界を体感していたかもしれません。
言葉の壁も忘れ、口にしない言葉で会話し、滞在時間が短くても人対人として、心を通わせていたかもしれません。
カメラ片手にレンズ越しで旅先を見る事に違和感を覚えていませんか?
新しい旅路の一歩として、簡単に訪れることができる台湾をきっかけにしてみませんか?
文化的香りが漂うスローテンポな古都・台南
台湾は以前から色んな国の支配下にあってきました。
順序的に言うと、ポルトガル、オランダ、漢民族、日本、また漢民族、という具合です。
台南は、そのほとんどの支配者が初めて手に入れ、殖民してきた都市です。
日本も、他の国がそうであった様に、台南を筆頭に台湾を統治していました。
今でも当時(明治、大正、昭和に渡る時代)の古い建物と、
都会にはないノスタルジックな雰囲気が残り、生活のテンポが緩く、気候も暖かく穏やかです。都市である割に、建物がひしめき合う訳でもなく、そこから余裕も感じることが出来ると思います。
空港から鉄道に乗り換え、台南駅へ。駅からの移動手段は、スクーターか自転車がおすすめです。街路地にすいすい入っていけて、町並みや風景も楽しめますし、何よりそれが台湾人な大きな移動手段であるので、それを体験する事により、訪れるだけの「旅行」から、生活をしている様な「旅」に変わってくるかもしれません。そしてその記憶が体に、心に生きてくると思います。
以前私が行った台南旅を基に
(スケジュールを立ててくれたのはほぼほぼ、デザイン学科の台湾人の友達ですが)、
リアルでツウな行き先をご紹介したいと思います。
ツウな台南①宿泊先
早速ですが、まずは宿泊先からご紹介したいと思います。
前回行ったその旅のメインイベントでもあった宿泊先は、
『兒子露營 sonstāy』 (アーズ ルーイン)といい、直訳すると「息子キャンプ」になります。
以前から私がずっと気になっていたフォトグラファーが開設した宿で、その宿の部屋は一つしかありません。
室内でもキャンプをしている感覚を覚えさせる工夫が施され、インテリアや家具、サニタリー用品などもこだわり抜いた品ばかりを使用しています。
例えば、洗面台の傍らに置いてある石けんや歯磨き粉は、台湾の現地の植物で作られた有機のブランド・阿原肥皂の製品で、
空港で販売されているほど名高いです。
宿にチェックインする為に、創設したフォトグラファーのスタジオを介しますが、それも醍醐味の一つです。気遣い細やかできさくなバトラーもいて、道に迷ったり、ローカルに人気な行き先を急に知りたくなった場合、LINEのやり取りで教えてくれたりします!
チェックインした際に、近隣の朝ご飯屋さんと連携していて食券的なもの頂ける可能性があり、その食券で翌朝、台湾式の朝ご飯を食べましょう!
ツウな台南②レトロカフェ
二つ目は『鹿早茶屋』(ルーザオチャーウー)といい、日本統治時代の古民家を改築して作った、レトロな雰囲気漂うカフェです。
一階は洋風で、その時代に「舶来」して来たおしゃれな習慣を、ここで味わっていたのだなと思わせるような作りで、二階は畳のある和室で、ランタンも窓の作りもすべて当時のままの様で、とてもノスタルジックな気分になります。
ツウな台南③バー
三つ目は鉄道沿いにあるバー、Freewill Bar です。
他にも台南にはコージーなバーは沢山ありますので、はしごしても良いと思うくらいですが、前回私たちが行こうとしていた目当てのバーが満席になってしまったので、バトラーにオススメのバーはないかと訊ねてみたところ、こだわったカクテルを出すと太鼓判をおしていたのがこのFreewill Barでした。
このBarのすぐ横にもバーがありますが、こちらもインテリアにこだわっていて、ビンテージアメリカン調の物が多数置いてあります。
カクテルのアルコールもしっかり目でした。
ツウな台南④自然を満喫
四つ目は『四草湖』(スーツァオフー)といい、
台湾のアマゾン川と自ら名乗っていて、
台南市街から車で30分(記憶が曖昧なので確認が必要)程度の所にあります。
背の低い湿地系の木々の下を小さな船で進み、笹で作った帽子をかぶり、台南ではなくホーチミンに来たかの様な感覚になります。
ツウな台南⑤個性的百貨店
五つ目は林百貨(リンバイフォー)といい、
当時の裕福層が暮らしていた一帯に出来た百貨店を改装して、
昨年(2014年)リニューアルオープンされた百貨店になっています。
王道ですが、台湾の「今」なハンドメイド商品や、MIT商品、
「台湾に来てこういうの欲しかった!」というような、
美大の方々にとっても刺激になる面白い物が沢山置いてあります。
お土産にも良いですよ!
新鮮さを求めて、ノスタルジーに出会う、そんな気分が味わえる台南
こういったルートは台湾の人達にとってもワクワクするものです。
アートに触れ、歴史を感じ、人間の暖かみと、なにより、忘れかけていたスローなテンポを取り戻させてくれる、そんな旅になるでしょう。
ツアーで手配するのは難しいかもしれませんが、
「ちょろっとそこまで、台湾へ散歩しよう。」という身構えで、気を張らず、絶対行きたい場所をいくつかだけリサーチして、それ以外は全部その場の空気に任せる。
そんな旅は、いかがですか?
Japanese/Taiwanese mixed. A business student who love arts and science.