植物たちの吐息の匂いを映画作品に撮る「映像歳時記 鳥居をくぐり抜けて風」10/15公開

来月15日、東京・阿佐ヶ谷にあるミニシアター・ユジク阿佐ヶ谷で、映画「映像歳時記 鳥居をくぐり抜けて風」の公開がはじまります。ゆっくりと流れる雲、風になびく木々の葉や水田の稲穂、炎の揺らめき。「鎮守の杜の風を撮りたい」とつくられた本作からは、神社と人と植物の、密接なつながりが見えてくるようです。

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「鎮守の杜の風を撮りたい」

映画の舞台は日本全国どこにでもある神社や鎮守の杜。
ニューヨーク育ちの少女が、日本人の祖父とともに、神社を旅する映画です。


『映像歳時記 鳥居をくぐり抜けて風』予告編


予告編からも、美しく静かに映し出される熊野の森や日本の祭りの風景に心うごく人も多いのでは。ゆっくりと流れる雲、風になびく木々の葉や水田の稲穂、炎の揺らめき。その土地に流れる時間や空気が画面から伝わってくるようです。

この映画は、プロデューサー小笠原高志さんが「鎮守の杜の風を撮りたい」との想いではじまりました。だから、神社を旅するストーリーですが宗教がテーマではないのです。

「鳥居をくぐり抜けると、空気が変わることに気づきます。
鎮守の杜の植物たちの吐息の匂いです。」


神社の「風」や「空気」を映画作品に切り取る、はじめは「清らかな風の心地よさ、わたしも記憶にある」くらいでピンとこなかったのですが、小笠原さんの作品に寄せる言葉を追っていくと、日本人として共感するものがありました。

たとえば仏教・キリスト教・イスラム教には教典があって、これらを信仰する人々は「言葉」に影響されたり救われたりしてきました。だけど、神社にはそれがない。そのかわり、鎮守の杜は、人々の体内においしい空気を運んでいるというのです。
鳥居をくぐり抜けて感じられた、鎮守の杜の植物たちの吐息の匂い。人々は、神社から「言葉」ではなく、物質的な「空気」を通じて影響を与えられている。小笠原さんが十数年間訪れてきた鎮守の杜の風を題材に映画を作りたいと思った理由が、伝わってくるのではないでしょうか。



ニューヨーク育ちの少女が、日本人の祖父と神社を旅する映画

映画では、ニューヨーク育ちの少女が、日本人の祖父と神社を旅します。
ストーリーはもちろん秘密ですが、もうひとり、映画のなかで重要な人物が話題にのぼります。
 

 
おじいちゃんが、南方熊楠のことを語るのです。
「熊楠さんは、携帯用の顕微鏡を持って熊野の森の中に入って行ったんだ。そこで、粘菌類をたくさん発見した。目に見えない大切なはたらきをするのが神さまの仕事なら、動物と植物をつなぐはたらきをしている粘菌は、神さまなんじゃないか。熊楠は、鎮守の杜の中にたくさん存在している粘菌という神さまをみつけに森の中に入って行ったんだよ。」
 

 
熊野の森や日本の祭りの風景を切り取った作品。
劇中楽曲は、青葉市子さんと馬喰町バンドが全曲描き下ろしで担当。
美しい映像と音楽、ぜひ劇場で鑑賞してはいかがでしょうか。
 

 


▼映画概要
「映像歳時記 鳥居をくぐり抜けて風」
・上映期間:2016年10月15日(土)~11月18日(金)
・映画館:ユジク阿佐ヶ谷

▼チケット
・前売り券800円 ユジク阿佐ヶ谷にて販売中
 ※当日、必ずユジク受付にて整理番号券とお引き換えください。
 ※Onlineショップ

・当日券:一般1,000円 会員・シニア800円 小学生〜大学生500円 半券割800円

▼イベント
ザムザ阿佐ヶ谷にて本編上映+トーク&Liveイベント開催!
日時:2016年11月8日(火)19:00〜(本編上映後)
会場:ユジク阿佐ヶ谷
登壇:青葉市子、馬喰町バンド、池田将(監督)、小笠原高志(プロデューサー)

>> 映画公式ホームページ
>> 映画公式Facebookページ
>> ユジク阿佐ヶ谷



(執筆 / 上野なつみ)

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