「銭湯芸術」とはなにか?
「京都銭湯芸術祭」は、2013年に新進気鋭の若手作家らによって立ち上げられた芸術祭です。銭湯という独特の魅力を持った空間を展示場所とすることで、新たな芸術の発見を試みるというのが「銭湯芸術」の目標です。銭湯といえば、浴室の壁に描かれた富士山を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。富士山のペンキ絵は、「銭湯芸術」の元祖だったのかもしれませんね。「京都銭湯芸術祭二〇一五」では、絵画だけでなく、立体やパフォーマンスを通して銭湯と芸術の出会いを楽しむことができます。
作品の展示場所は、京都市中京区・左京区・東山区にある8つの銭湯と堀川団地。そのエリアごとに展示される作品が異なります。「京都銭湯芸術祭二〇一五」の展示場所を、簡単な説明とともにご紹介します!
[中京区]
☆玉の湯…川田知志、フクナガコウジ
市役所の一筋西にあるお風呂。お子さん連れの方も多いです。
☆錦湯…河井順子、ピコピコカケラ村・菊川法子×松前公高、フクナガコウジ、Kyoto Dance Exchange
昭和2年築。旧き佳き風呂情緒を味わえます。
[左京区]
☆東雲湯…西垣工務店、フクナガコウジ
地下水を使ったお風呂が人気。
☆東山湯温泉…日名舞子、フクナガコウジ、Yann Le Gal、横須賀馨介×手塚健太郎
京都大学のお膝元。学生御用達銭湯です。
☆平安湯…池田精堂、フクナガコウジ、ベジっつら、Yann Le Gal
季節のイベント毎に浴室でイルミネーションを楽しめます。
[東山区]
☆新シ湯…池田精堂、フクナガコウジ、Yann Le Gal(会期後半のみ)、Kyoto Dance Exchange
外国人も立ち寄る戦前からの老舗。
☆大黒湯(山城町)…フクナガコウジ、林泰彦、Kyoto Dance Exchange
モザイクタイル絵が美しいお風呂です。
☆旭湯…池田精堂、フクナガコウジ、Kyoto Dance Exchange
外観はビル、暖簾をくぐれば伝統的なお風呂屋さん。
☆堀川団地(上長者町棟535号室)…西垣工務店、林泰彦
昭和の雰囲気漂う集合住宅の535号室で展示中です。
なお、作品は常設展示のものだけでなく、ワークショップやダンスの公演もあります。
開催日時の詳細は、ホームページ(http://www.kyotosentoartfes.com/)でご確認ください。
なぜギャラリーではなく銭湯なのか?
最後に、銭湯で芸術祭を開催することの意義をちょっと真面目に考えてみましょう。現在、浴室付住宅や複合型入浴施設の普及で、日本全国で銭湯の数が減ってきています。確かに、銭湯は21世紀の生活様式に合わなくなっているかもしれません。しかし、お風呂に入るということだけが銭湯の役割ではありません。近所のおじいちゃん、学校の友達、いつもスーパーで会うおばさん…老若男女が分け隔てなく集い、交流できる。それこそが、銭湯の一番の魅力であり、今見直されるべきところなのではないでしょうか。裸で他人と語らう銭湯は、ギャラリーにはない、プライベートかつパブリックな空間を持っています。「京都銭湯芸術祭二〇一五」は、そうした銭湯独自の空間を活かし、「銭湯芸術」が銭湯に行ったことがない若者や常連さん、地域の人々をつなぐかけ橋になることを願っているのです。
▼開催概要
「京都銭湯芸術祭二〇一五」
会期:2015年4月18日(土)~ 5月17日(日)
※定休日・営業時間(観覧時間)は、各銭湯により異なります。
各銭湯 入浴料(鑑賞料):大人430円、小学生150円、小学生未満60円
http://www.kyotosentoartfes.com/
銭湯・団地の地図
http://www.kyotosentoartfes.com/sento
※展示場所までは市バス、地下鉄をご利用ください。
PARTNER編集部より、美大生や卒業生にオススメのニュースを配信しています。展示情報やイベント情報、学校や学生にまつわる情報を提供します。