全国芸術系大学コンソーシアム設立総会に行ってきた!

昨日は京都精華さん、長岡造形さん、神戸芸工さん等懐かしい人に会えた手羽です。  

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WEBには休館と出てたけど、もしかしたら「世界遺産登録を記念して特別に開館します!直接会場に来てくれた人だけの秘密のサービス!!」てな展開を期待して行ってみたけど、

西洋美術館は普通に閉館してました。普通に。


というわけで久しぶりに上野へ。もちろん目的地は、

東京藝術大学さんです。
久しぶりと言っても、4月以来で
【オリンピックの話】ロンドン芸術大学との懇談会@藝大に行ってきた
ここ数年は芸大に行く機会がすごく増えたような・・。
  

藝大に来るたびにこのピーマンの肉詰め定食を食べてる気がする。
この冷めきったピーマン肉詰め定食は、昔ムサビにあった学食「風月」を思い出すんですよね・・。
 
んで、本日の目的は

全国芸術系大学コンソーシアム(Japan University Consortium for Arts 、略してJUCA)の設立総会&シンポジウムに学長と出席するためです。(設立総会は1回だけだから「平成28年度」はいらないような気もするのだけど・・)

JUCA(ジュカと読みます)については先日書いたこちらの記事をご覧ください。
全国芸術系大学コンソーシアムが7月19日に設立されます
  


この設立総会・シンポジウムは、文部科学省「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」の公式サイドイベントに認定されました。
「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」とは10月19日から10月22日にかけて、京都と六本木で開催される、東京2020文化プログラムキックオフ的イベント・・・てのは一番簡単な説明かな。実はこれに合わせて今年の六本木アートナイトは10月開催に変更になったんです。
ちなみにスポーツ・文化・ワールド・フォーラムのロゴマークは佐藤卓さんデザイン。

佐藤卓さんといえば21_21で・・・ってこの話は長くなるのでまた後日。


会場は2014年に改修竣工したばかりの音楽学部4号館第6ホール。
これがまたすごく立派なホールでして、

4号館は耐震と防音のための改修を進めていましたが、資材価格高騰などで当初の目的が充分果たせなくなる恐れが出ていたところ、 宗次德二さん(株式会社壱番屋の創業者)をはじめとする多額の寄付で完成にこぎつけたそう。
天井の木の束は構造材であると同時に、音を拡散させる機能も持っているそう。飾りじゃないのです。


さて、いよいよ第1部の設立総会。

最初に東京藝大の澤学長から発起人挨拶。
「自信を無くしてしまった日本は尊敬される国にならないといけないし、第2次世界大戦で京都や金沢が空爆を受けなかったように、『日本の文化芸術はすごい』と世界に思わせることが最大の防衛力となる。また、昔の芸術系大学は『教育・研究』を中でやってればよかったが、今は地域・産官・大学・世界との連携をやるようになった。芸術が社会に必要なことをさらに世の中に認めてもらわないとダメな時代に入ってる。藝大でさえこの10年で受験生が20~30%減っている現状。2020年は一つの契機に過ぎず、組織の枠を超えた長い道のりがこれからはじまる。」というお話。
 

スペシャルなご来賓もありました。

宮田学長・・じゃなくて、宮田文化庁長官です。
「トキメキ」がキーワードになってましたね。
左は、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 企画・推進統括官の多田さん。

規約などの制定、事業計画、役員(副会長・幹事)が承認されました。役員についてはまた後で。

最後に報告連絡事項として、「beyond2020プログラムのロゴマーク募集」について内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 参事官の清水さんから説明。
beyond2020プログラムとは、国と東京都が一体となって2020年以降のレガシーを創出するための文化プログラムです。


ちょっと長くなりますが、いい機会なので「オリンピック文化プログラム」について説明しましょう。
最初は誰もが「なんでオリンピックと芸術系大学が関係すんのよ?スポーツの祭典でしょ?文化系はだまってなさいよ」って思うはずなので(笑)

実は答えはオリンピック憲章にあります。冒頭を引用します。
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オリンピズムの根本原則
1.オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化や教育と融合させるオリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などに基づいた生き方の創造である。
[オリンピック憲章 Olympic Charter 2011年版・日本語より]
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オリンピズムが根本として求めてるものは「スポーツを文化や教育と融合させる」ことなんですね。オリンピック憲章の頭も頭、根本原則にそうはっきりとそれが書かれてるんです。スポーツの祭典でもある一方、文化や教育の広がりをもたせるための祭典でもあると。

なので昔はオリンピックに「芸術競技」がありました。
建築、彫刻、絵画、音楽、文学の5種目が正式種目として存在し、スポーツをモチーフとした芸術作品のコンペ競技が行われ、日本人も銅メダルを受賞しています。でも作品輸送の難しさや客観的な審査の困難さから「芸術競技」は「芸術展示」(文化プログラム)に移行された、と。
【参考:オリンピックと 文化プログラムより】

「オリンピック文化プログラム」で話題になったのは、2012年ロンドン大会です。
2008年の北京五輪終了時からの4年間に「カルチュラル・オリンピアード」を英国全土で実施し、 2012年にはフィナーレとして2ヶ月半の大規模な芸術祭「ロンドン2012フェスティバル」を開催して、約18万件のイベント、延べ4340万人が参加して大成功をおさめています。(「約11万件」という説もありますが)

そうなんです。
オリンピックの開催成立条件、オリンピックの精神に芸術系大学・芸術関係者は大きく関係し、オリンピックを開催する以上、リオが終わってから2020年周辺までの4年間、芸術系コンテンツ、つまり文化プログラムを国としてやらないといけないんですよ。文化庁はロンドン大会を超える20万件を目標にしています。
「全然美大とは関係ない」どころの話ではなく、「ち、ちょ、それ早く言ってよ!なんでだまってるのよ」なのです。もうたくさん情報が出てるんですけどね。
あ、なんで文化プログラムについて詳しいかというと、2014年にこういうイベントをムサビで企画しましてその時に勉強しました(笑) この展開もその時にある程度予測できてたことでして。


で、ここから手羽の解釈が入ってるので間違ってたらアレなのですが。
オフィシャルスポンサーや地方公共団体が行う文化プログラムは東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が管理し、承認されたプログラムには公式文化プログラムマークが発行されます。
でも組織委が管轄である以上、オフィシャルスポンサーと競合する会社に許可は出せないんですよ。例えば東京大会公式スポンサー(ゴールドパートナー)がアサヒなのでサントリー美術館はダメだったりするんですね。
なので「オリンピックのための」ではなく、全部ひっくるめることができる「2020年を契機とした」文化プログラムには組織委とか文科省とか文化庁とか東京都とか超えて、内閣府オリパラ事務局でガツーンと統括しましょう、というのがbeyond2020プログラム。多分。

で、「そのロゴマークを全国芸術系大学コンソーシアム参画校の学生から募集します」ということなのです。ふー、長かった。。詳細については後日発表されるはずですが、「学生が直接申込」ではなく「大学でまとめて申請」になりますのでご注意ください。
適用範囲が広いのでbeyond2020マークが一番使われることになるんじゃないと推測してます。


というところで第1部総会は無事に終了。
セットチェンジのあと、第2部に突入。


と思ったけど、長くなったので続くっ!!

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹と西原理恵子とみうらじゅんと羽海野チカと銀魂と合体ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し日夜奮闘中