トップ画:森村泰昌《自画像のシンポシオン》2016 年 作家蔵
名画の登場人物などに自らが扮する森村泰昌のセルフ・ポートレイト
国立国際美術館では、日本の現代美術を代表する美術家・森村泰昌の地元・大阪の美術館では初となる大規模個展を開催する。
森村氏は1985 年京都のギャラリーのグループ展「ラデカルな意志のスマイル」で《肖像 (ゴッホ)》を発表。高い評価を獲得して以来、一貫して名画の登場人物や映画女優、20世紀の歴史上の有名人物などに自らが扮するセルフ・ポートレイトを手がけてきた。
森村氏のポートレート作品が動き出す、初の長編映像作品!
今回の展示では森村としては初めての長編映像作品も上映される。
映像では、自画像を描く芸術家たち、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ファン・エイク、デューラー、カラヴァッジョ、ベラスケス、レンブラント、フェルメール、ルブラン、ゴッホ、フリーダ・カーロ、デュシャン、ウォーホルに森村が扮し、そして森村自身を加えた計13人が登場。それぞれの独白の中から「私」とは何かを浮かび上がらせるという内容だ。
映像制作にあたっては、撮影を映像作家の藤井光が担当。ヘアメイクは、資生堂ビューティークリエーションセンターが全面的に協力。資生堂トップヘア&メーキャップアーティストの計良宏文、同ヘア&メーキャップアーティストの谷口丈児が担当するなど、卓越した高いヘアメーク技術で森村のイメージ通りに具現化した。
これら全編60分を超える映像作品を含み、50点の新作、未発表作と、過去の代表作あわせて約130点で構成する。
「私」と「わたし」、森村泰昌を概観する展覧会
本展は2部構成、森村がこれまで取り組んできた自画像の美術史の集大成とも言える構成だ。
展覧会の第1部では、初期の《肖像(ゴッホ)》を始め、数々のポートレート作品を展示。自画像になることで露になる画家、作品に対する森村の解釈、ダ・ヴィンチ以降の西洋美術史における自画像への森村による批評もうかがい知ることができる。
第2部では、先ほど紹介した映像作品の上映がされる。森村が扮する自画像を描く画家、そして森村が登場し、それぞれの独白の中から「私」とは何かを浮かび上がらせる。
110余点におよぶセルフ・ポートレイト作品に加え、幼少時からのポートレイトも紹介。美術史に触れるまでの森村の個人史(=「わたし」)と、自らが登場することによって批評性をともないながら獲得した美術史(=「私」)がクロスオーバーし、極めて回顧的に美術家・森村泰昌を概観する展覧会となりそうだ。
▼開催概要
森村泰昌:自画像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき
会期:2016年4月5日(火)〜6月19日(日)
会場:国立国際美術館
開館時間:10:00〜17:00
※金曜日は 19:00 まで(入場は閉館の 30 分前まで)
休館:月曜日(ただし、5 月 2 日(月)は開館)
料金:一般 1,300(1,100)円 / 大学生 900(700)円 / 高校生 500(300)円
( )内は前売・団体料金/団体は 20 名以上/中学生以下無料
>> 展覧会公式サイト
>> 国立国際美術館サイト
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