美大生のフリーマガジン『PARTNER』(このサイトの姉妹メディア)は2007年に創刊しました。当時、まだFacebookやTwitterもない時代。学生にとって、小さな展示や独自につくったウェブサイトでは届けられない大勢への発信を、フリーマガジンという媒体に乗っけて届けるということや、大勢で役割分担をしてひとつのアウトプットをつくるということがとても新鮮でした。PARTNERに限らず、学生フリーペーパーが増えた時期でした。
それ以降、学生フリーペーパーの熱は進化をしながら脈々と世代交代し、今も学生たちが熱く取り組んでいます。今日は、そんな学生フリーペーパーを一挙に読んだり知ったりできる、ふたつのイベントと、ふたつのお店を紹介します。
2006年から続く老舗フリーペーパーコンテスト「Student Freepaper Forum」
2006年以降始まったフリーペーパーのコンテスト、Student Freepaper Forum(以下「SFF」)は、昨年2014年にコンテストの体裁から、ブース展示・ワークショップ・ゲストを招いてフリーペーパーについて考えるトークショーを軸にしたイベントへ転換。毎年、100以上の学生フリーマガジンが集う大きなイベントとして続き、今年10周年を迎えます。通称SFFと呼ばれ、フリーマガジンと、その媒体を通して語られている学生の純粋な「熱量」にフォーカスを当てているのが大きな特徴です。
▼Facebookページ
https://www.facebook.com/sff.web?fref=ts
京都の町屋で上質のフリーペーパーを読める「只本屋」
また、最近は京都に「只本屋」というのがオープンしました。只本屋は、京都の河原町今出川に、月に一回、月末の土日のみ営業しているフリーペーパーのお店です。関西のフリーペーパー制作者があつまって、制作者同士の横のつながりと、作り手と読み手をつなぐそんなお店を作りたいという想いの詰まった場所です。トークやショップなど今後の展開にも期待が集まっています。
▼Facebookページ
https://www.facebook.com/tadahon.ya
学生の夢にフォーカス!「みんなの夢AWARD フリーペーパー部門」
また、みんなの夢AWARDでもフリーペーパーの部門があります。先日開催されたイベントでは、関西の美大生が制作するフリーペーパー『SHAKE ART』がグランプリを受賞。高く評価されました。
▼Facebookページ
https://www.facebook.com/AWARD.For.Youth?fref=ts
大人も学生もぜーんぶ読める!フリーペーパーの専門店「Only Freepaper」
学生のフリーペーパーを読んでみたいと思ったら?関東では、東京・小平市に「ONLY FREEPAPER」というフリーペーパーの専門店があります。
「現在発行されているそれらのフリーペーパー・フリーマガジンはフリーであることが信じられない程に精度の高いもの・創造性に富んでいるもの等、目を見張るものが本当に多いのです。(中略)紙メディアの可能性と、それらをフリーで展開していくことの可能性を探求していき、デジタルとは違った、実際に皆様が手に取ることが出来る「紙」の文化の素晴らしさを伝え続けていきたいと考えております。」オーナー松江健介さんのそんな想いが詰まったお店にも、ぜひ気軽に足を運んでみてください。
▼オフィシャルサイト
http://onlyfreepaper.com
学生フリーペーパーの制作に熱を注ぐ学生がいるのはもちろん、そんな学生フリーペーパーに魅了され、興味をもった学生たちによる、これらのイベントやスペースの運営もまた、新しい年度がスタートしているようです。美大生のみなさんも、フリーペーパーのデザインや写真で参加したり、イベントのトータルアートディレクションをやってみたり、展示空間のデザインをしてみたり、学生時代に他の学生と関わってみるのも良い機会かもしれません。
器用なフリーマガジン・フリーペーパーではないかもしれませんが、心もエネルギーもたくさん詰まった学生のフリーペーパー、まずはぜひ読んでみてくださいね。
PARTNER 035号も先週発行、全国の美術大学・美術予備校などにて配布しています!
なにせ、「フリー」ですから!ぜひ手にとってじっくり読んでみてください。
編集者/メディエイター。美大での4年間は「アートと世の中を繋ぐ人になる」ことを目標に、フリーペーパーPARTNERを編集してみたり、展覧会THE SIXの運営をしてみたり、就活アート展『美ナビ展』の企画書をつくったりしてすごしました。現在チリ・サンチャゴ在住。ウェブメディアPARTNERの編集、記事執筆など。