美大×農業!?私たちが畑を耕す意味とは?

山形県の小高い山の上に立つ東北芸術工科大学。そこでわたしたちは農業をしています。なぜ大学でアートやデザインを学ぶ私たちが農業をしているのか、全国の皆さんにお伝えします。

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私たちが所属する「放課後農芸」って?

山形県山形市に私たちが通う東北芸術工科大学はあります。東北芸術工科大学にはサークルのほかに先生も一緒に活動する「チュートリアル」があり、私たちはチュートリアル「放課後農芸」として活動しています。サークルと授業の中間にのような位置付けの活動と考えていただければ良いと思います。

東北芸術工科大学には1年生前期の必修として、能動的に学ぶ基礎の習得をめざす「教養ゼミナール」という科目があります。その授業の選択肢の一つに「土を耕し生命を育てることを通して自分が他の生命とつながりあっていることを実感し、生命自然の実態を基盤に、自己や芸術、デザインについて思考を深める」ことを目的とした『農芸』があります。その授業から派生して放課後農芸は誕生しました。
放課後農芸の説明として次の文を載せたいと思います。


▼コンセプト

食べることは、生きること。

生きるためには、つくること。

食と農を通して、食べる喜び、

つくる喜び、元気になる喜びを分かち合いたい。

「なぜ」「どうして」の「?」が生まれたら、

それがはじめの一歩。

みんなで考えることから始まります。

畑を耕して、つくって食べて、考える
そんな活動をしています。
答えはないけれど、みんなで話し合うと、違うせかいがみえてくる。

▼活動内容
・畑をたがやし、おいしく食べる
  大学近くに、畑をかりて育ててみたい野菜を育てています。
  今年はトマトにナス、唐辛子やゴボウ、味噌用の大豆、小麦もありますよ!

・勉強会
 月に2回メンバーがあつまり、食と生き方、暮らし方ををとりあげ意見を交換する勉強会をしてます。例えばフェアトレード、モモ会(ミシャエルエンデのモモから時間の使い方を考える)などを今年の春はやりました。

有志の活動「放課後農芸」に積極的に関わる
放課後農芸メンバー3人に聞いてみました!

テキスタイル2年 玉手りか
①美大では何を専攻してどんなものをつくっているの?
テキスタイルを専攻し、染織や糸紡ぎ、織りを基本に制作しています。映画『思ひ出ぽろぽろ』で知られる山形特産の紅花を、染料として学科で栽培しています。人間がどのように身の回りの植物から衣服を得てきたのかということや、自然布に興味があります。

②大学の授業からはじまった活動とのことですが、どうして参加しようと思ったの?
もともと宮沢賢治が好きで、自然とともにある生き方に漠然と憧れていました。地元の仙台では実現に結びつかずにいましたが、大学に入って畑の授業があり、一気に身近になりました。自然豊かな山形ならではの経験だと思います。

③こうした活動を通して、ものづくりにどんな影響があった?
畑仕事を通して、食べることは「つくる」こととセットで考えるようになりました。あえて食材を育てる手間をかけてみることで、何でも作れる!という自信につながりました。畑に出て野菜や草花を目にしているせいか、作品には植物をモチーフにしたものが多いです。

グラフィック1年
安部綾
①美大では何を専攻してどんなものをつくっているの?
グラフィックデザイン学科を専攻しています。一年生は五感を磨く授業があって、香りをパッケージに落とし込む課題を一番がんばりました。

②大学の授業からはじまった活動とのことですが、どうして参加しようと思ったの?
福岡から山形にきて、せっかく自然豊かなところにきたんだから畑とかやってみたいなとおもって。それに大学で農業なんてめったにないから興味が沸きました。

③こうした活動を通して、ものづくりにどんな影響があった?
ものづくりに影響はまだないんですけど、勉強会のほうで食料廃棄とか添加物について話し合って、生活のいろんなところでいちいち考えるようになりました。

彫刻科1年
松浦暁
①美大では何を専攻してどんなものをつくっているの?
彫刻を専攻してます。大きい彫刻つくりたいです。
②大学の授業からはじまった活動とのことですが、どうして参加しようと思ったの?
掲示板にはってあったチラシに鶏がさばけるとあったのではいりました。
③こうした活動を通して、ものづくりにどんな影響があった?
影響をうけたとはまだぜんぜん分かんないんですけど、今後自分の知らないところで経験が活かされるんじゃないかなと思います。

それぞれが活動を通して思考を深め、何年後かにふりかえってよい体験だったと思えるといいです。
▼活動についてはブログでも紹介しています!
http://blog.tuad.ac.jp/houkago/?p=493

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放課後農芸 / houkagonougei

食べることは、生きること。 生きるためには、つくること。 食と農を通して、食べる喜び、 つくる喜び、元気になる喜びを分かち合いたい。 「なぜ」「どうして」の「?」が生まれたら、 それがはじめの一歩。 みんなで考えることから始まります。