建築家が案内する、グッドデザインすぎる美大生のためのシェアハウス

武蔵野美術大学近くに、社宅をリノベーションしてつくられたシェアハウス「ガーデンテラス鷹の台」。7月のある日、デザインをした成瀬・猪熊建築設計事務所の建築家、成瀬友梨さんと猪熊純さんが、美大生やご近所さんに向けてツア−してくださるというおひろめ会が行われました。そのレポートをお伝えします。

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西武国分寺線の鷹の台駅を降りて左に折れて商店街を進む。
焼きたてのパンの香り、古着のワンピースを着た大学生や、シルバーカーを引っ張るおばあさん。
そんな風景の中をてくてく歩くと、カフェつきのレコード屋さんKIKI RECORDがある。
その先の角に、緑に囲まれた大きな白い建物が続いています。

そう、ここが話題のシェアハウス「ガーデンテラス鷹の台」です。
1980年代に建てられた家族向けの社宅をリノベーションしてつくられたシェアハウス。
まだ梅雨の明けない7月のある日、美大生やご近所さんが集まっておひろめ会が行われました。
この日ばかりは、おひろめ会にふさわしく、雲ひとつない清々しいお天気。


  • 猪熊純さん 成瀬友梨さん

デザインをされた成瀬・猪熊建築設計事務所の建築家、
成瀬友梨さんと猪熊純さんが、ひとつひとつ丁寧に、
リノベーションのこだわりや部屋の中を案内してくださいました。

さっそく建物の中に入ってみましょう。
ウッドデッキのあるベランダからお邪魔します。


美大生「ミントがたくさん生えてる!」
駅近なのに玉川上水に近く、自然豊かな環境。
驚くべきことにこのミントは植えたわけではなく、野生!
いつでも新鮮なハーブティーが飲めそうです。
春になると木蓮の真っ白な花がわーっと咲くのだとか。


「わぁーーーめっちゃいい!!!」
「すっごーーーーーーーい!!!」
中に入るや否や、美大生たちが思わず感嘆の声をあげています。

日当りの良い共有ラウンジ。
テーブルやソファなどの家具、テレビも備えつけてあります。
3LDKの形を残したままリノベーションしているので、
3人で1ユニットをシェアして住むこともできるし、家族で住むこともできます。

美大生「かわいいドア!」
猪熊さん「オリジナルですよ。」

玄関のドアや収納のドアもオリジナル。
今では貴重なデザインです。

シェアメンバー3人で立っても余裕のあるくらい広い、勝手口のあるキッチン。

全て新品のトイレとシャワールーム。

こちらも全て、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、洗濯機など、必要な家電が備えつけられています。
1階には、玄関、シェアラウンジ、キッチン、バスルームに個室が一つ。


階段を登って2階に行ってみましょう。

階段はオリジナルを
そのまま生かしています。

経年変化が生み出すウッドの色合いに
温もりを感じます。

1階からの吹き抜けはとても気持ちの良い空間。
天窓から光がたっぷり差し込みます。

美大生「わーい!天井高ーい!天窓かっこいー!」

白熱灯や階段の手すりなど、インダストリアルな印象のディティールが素敵。
ちなみに一棟一棟違ったアレンジがされているので、
壁の色が、上の写真の建物はグリーン、下の写真の建物はグレーになっています。


2階は個室が二つ。
猪熊さん「ちゃんと部屋ごとに鍵がかかるのでプライバシーはバッチリですよ。」

成瀬さん「ここは元々、企業の高級社宅なので、お庭も広くとってあって、可愛い造りの建築計画ですよね。80年代には、このような形式の住宅も多く建てられていたようです。」

猪熊さん「昔の公共住宅や社宅は、実は大手設計事務所やアトリエが別れて仕事をしていなかった時代。量産のものでもクオリティが高い良い設計がいっぱいあるんですよ。」

美大生「築5年くらいの部屋に住んでいたのですが、住み心地が良くなくて築30年くらいの部屋に引っ越したんです。そうしたら、窓も大きくて過ごしやすくて、住むための家だなという感じがしています。」

美大生「現代に建てられた家はスペースの効率が良くつくられているけれど、昔はゆったりしていますよね。廊下が必要以上に広かったり。」

猪熊さん「この部屋の吹き抜けもそうですよね。昔の家は良い意味で無駄がいっぱいあるんですよね。」

猪熊さん「こちらは和室だったので、和室の雰囲気を残した仕上がりにしています。」

猪熊さん「今は手に入らないデッドストックの壁紙もちょっとだけ上から塗るなどして、オリジナルの良さを大切にしています。どこを残してどこを塗るかというところは設計の技がいる部分でした。全部塗ってしまうとオリジナリティがなくなってつまらなくなってしまうけれど、全部残してしまうと、野暮ったく古い家のように感じられてしまう。」

美大生「ただ小綺麗にしただけじゃなく、オリジナルを生かしつつ空間をまとまっていて本当にお洒落ですね。」

猪熊さん「元の感じが格好良いまま見せられるように意識しました。部屋の状態によってもテイストを変えています。」


そして2階にはもう一つ部屋が。

秘密基地のような
三角屋根のこのスペースは、
アトリエにすることもできます。

たくさんの材料や大きな作品を
抱える美大生にとって、
嬉しい収納の役割も果たしそうです。



再び外へやってきました。
なんと、「ガーデンテラス鷹の台」住民のシェアスペースは、屋外にあるというのです。

成瀬さん「元は駐車場だったスペースですが、シェアハウスは単身者が多く、駅までも近いため、車を持っている方は少ない。駐車場跡に、キッチン、テラス、菜園をつくって、住民同士がコミュニケーションをはかれるようにしました。」

玉川上水の緑を眺めながら、木陰が涼しいテラス。
菜園ではすくすくと茄子が育っています。

おひろめ会参加者がテラスに大集合。
すいかを食べながら、シェアハウスやコミュニティの可能性について、
成瀬さん、猪熊さん、美大生たちが語り合いました。

成瀬・猪熊設計建築事務所の絶妙なセンスにより
新しさと古さが、心地良く共存する「ガーデンテラス鷹の台」。
記事を読んでいるうちに、すっかり住みたくなってしまった方も多いのではないでしょうか。
まだ僅かに空きがあるので入居のチャンスがあるそうです。
ご興味をもたれた方は、下記にお問い合わせしていただければ、内覧ができます。

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〈お問い合わせ〉
株式会社オークハウス
TEL 03-6427-3777
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-15-4モノステップビル3F
「ガーデンテラス鷹の台」物件情報はこちら

お電話の際は美大生のウェブメディアPARTNERで「ガーデンテラス鷹の台」の記事を読んだとお伝えください。早めのご連絡をおすすめします。
また、以上のことを問い合わせの際にお伝えいただければ、9月末までのご予約の美大生の方には初期費用をキャンペーン価格から、さらに3万円引きいたします。
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次回は成瀬さんと猪熊さん、そして美大生によるトークセッションのレポートをお届けします。
お楽しみに!

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