【図工・美術の授業展】はみだす力展vol.3@うらわ美術館に行ってきた

2021年9月20日(月)

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9月19日(日)、台風一過の晴天、

手羽が今一番行きたかった街・浦和にいました。
なぜかは一番最後に書きます。


目的地はこちら。

うらわ美術館


これを見るためでした。
■はみだす力展 vol.3 ~図工・美術の授業展2021~

●会期:2021年9月12日(日)-19日(日)
●時間:10:00-17:00(入場は閉館の30分前まで)
●会場:うらわ美術館 展示室A
●入場料:無料
●主催:さいたま市教育研究会図工美術専門部
●共催:武蔵野線沿線美術教育実践学習会「び会」

幼保小中高大の美術教育現場で行われている「授業」のプロセスに焦点を当てた展覧会。


実はうらわ美術館・・・というか浦和に来るのは8年ぶりでして。

「はみ出す展」の前身となる「えっ?『授業』の展覧会 図工・美術をまなび直す」展というのを2013年にやっていて、それをあかりちゃんと見に来たんです。
これはその時の写真。この日も暑くて帰りにあんみつ食べて帰ったっけ。

あ、最近手羽ブログには出てこなく(出てくれなく)なりましたが、あかりちゃんは中3になりました。誕生日プレゼントにiPhone13を買ってあげることになってます・・。絵を描いて喜んでたあの頃に戻りたい・・。
 

会場に入りましょう。

びっくりしたのが、今回の指導要領(教育要領)の改訂で

幼児教育に「アクティブラーニング」の実施が示されたんですって。


  • 部屋で埋めつくされてる!

これは都立港特別支援学校の高校3年「卒業ピクニック」。
コロナによる大人の予定調和「やめる」を「やめる」ために実施した授業で、むしろ中止になった学事や密回避により生まれた「時間」「空間」を使ったそう。
最後に寝っ転がって見上げた空は一生忘れないだろうなあ。

ピカソの絵を鑑賞して、なぜこんな形や色で描くのかみんなで考え、実際に自画像をピカソになって描いてみよう、という授業。それでこんなに描けちゃうもんなんだなあ。

なんと2000本のスプーン。間違いなくこれだけで興奮する。

「思い出の場所を作ろう」という授業なんですが、手羽が感動したのはこの作品。

「転校した初日、友達がいなくて寂しく座ってると声をかけたくれた」と。それをこんな構図で作れるのがほんとうらやましい。

ロボットかっこいい。


すんごく考えられてるなあ、と思ったのが、

埼玉県朝霞第5中学校2年の「二人の物語」という授業。
まず二人が登場する絵画を鑑賞し、どういう会話がそこにあるか想像しウォーミングアップ。「一人のシーンは作らせない」というのも裏ポイントですね。そして昔だと「針金を芯にした立体制作授業」で終わってるはずだけど、「置きたい場所に持っていって撮影する」というステップを入れ、
それで構図を学び、写真になることでプレゼンしやすくしてる。



  • 食品サンプル作り!絶対にこれは楽しい!!

「今の美術の授業はこういうこともやってるんだ」と感動したのが、

よく見ると、「KJ法で『コロナで嫌なこと』をシェアする」なんてフレーズが書かれてる。
中学美術でKJ法をつかう時代なんだなあ。


そして「STEAM教育」の実践もその一つ。

指扇中学校での美術と技術科プログラミングとの教科横断型の授業「あかりのかたち」。
昔だと「照明を作ろう」で終わってたと思いますが、今は紙の構造力学やプログラミングを学び、光センサー・人間センサーを使って、光と影による造形の面白さを体験させる授業になってます。
もう何の教科とかはどうでもよくなりますね。


  • 明るいビルが


  • 暗くなると光り出す。


  • 離れてると緑なんだけど、

近づくて「照れて」赤くなる。「照れて赤くなる」って表現は美術だなあ、と。

これを見るとはっきりしますが、STEAM教育ってことになれば数学・音楽・技術・家庭科・美術でも時数を計上されてるんです。

板橋第3中学校の佐々木先生がやってる「地域宣伝プロジェクト」はおもいっきりブランディングデザイン、コミュニケーションデザイン。
美術は理科・社会とも相性はいいから、この動きはどんどん広がるはずだし、もう何の教科で学んだことなのかは関係なくなっていくはずで、なんかヒントをもらったような気がしてます。

手羽が一番時間かけてみちゃったのが、

中野区立第5中学3年、私立目白研心高校1年で花里裕子先生がされた「自分を知る、他者に気づく『人を思うデザイン』」
美大1年生にやるような授業内容ですね。

「こういうことを美術の時間に発見してほしいなあ」と昔から思っていたんですが、後で調べたら花里先生ってムサビ出身だった(笑)

最後のスペースは大学との連携授業等がまとまってました。


  • 八戸では小中高の美術教員と美術館学芸員からなるアート連携プロジェクトチームがあるそう


  • そこにムサビ教職の三澤先生が登場


  • 小中高の縦割りってすごい

この緊急事態宣言下、都外に出るのはちょっと勇気が必要だったけど来てよかったです。

実はうらわ美術館で貴重な経験がありまして。

タワシをずるずる引きづって歩いてる不思議な恰好した人と出会ったんですよ。
でもここが美大に染まったダメ人間なところなんですが、確かに普通の美術館や町中で出会ったら不思議な恰好だけど、こういう造形教育の現場じゃ不思議じゃなく、ありえない恰好じゃない、と思っちゃったんですよね。触れちゃいけないからスルーしたわけじゃなく「ま、普通にいるよな」と気にしなかったら同じ匂いを感じられたのか「写真撮ってもらっていいですか?」と声をかけられました。

で、後で「うらわ美術館」で調べてたら「たわしおじさん」という有名の人だと判明。

この人が一番はみ出してる。

浦和まで来たら、あそこも行くしかない。

埼玉県立近代美術館
黒川紀章が初めて設計した美術館 。

彫刻があちこちに設置されてる。


  • 出典:https://blog.aco-gale.com/kitaurawa/
  • 奥に見える白い立方体は中銀カプセルタワービルのカプセル。常設されてるんです(写真がうまく撮れなかった)

手羽の恩師でもあるサトル・タカダの作品があった!
普段からこの公園を使える近隣の方はうらやましい。

北浦和駅をチェック。

はい。最初に書いた浦和に来たかった理由は、9月3日のタモリ倶楽部で「浦和には8つの駅がある!決定神7浦和総選挙」てのをやってたんですよ。これで2つクリアした。

あ、タモリ倶楽部といえば、今週のタモリ倶楽部にデ情OBでリクルートの萩原幸也くんが趣味でやってる「駅もれ」で出演します。
デ情関係者でタモリ倶楽部に出演するのは、2008年J佐藤先生の「秋の巨大建造物クルージング 江東・水門銀座を行く!!」以来。
ぜひチェックしてください!!

 

以上、ABさんだっけかな、「日本人で十万石饅頭が嫌いな人はいない」と教わったような気がするので

十万石饅頭をお土産に買って帰った手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。