【こんな靴で】大学の約束 トップメッセージフォーラム2018に行ってきた

2018年11月30日(金) 999記事目!スリーナイン!

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11月29日(木)朝、ミッドタウンに到着した瞬間に衝撃な事実に気が付く。

両足違う靴履いてきちゃった。。
記念すべき999記事目の冒頭がこんな話題でいいのか悩んだけど、通常通りお送りします。

いや、通常じゃないし。
記憶にある限り、こんなこと生まれて初めて。世の中にはこういうことをやらかすやつがやっぱりいるんだなぁ。。だから世界は面白いんだな・・・(涙)

普通ならソールの高さが違うから10mも歩けば違和感に気が付くはずですよね。
原因はなんとなくわかってて、玄関から5歩のところに車があること。
時間がなくて靴をつっかけた状態で車に乗り込み、アクセル踏む右足だけ靴を履きなおして出発したのね。だからちゃんとした状態で一歩も歩いてなく、車から降りてミッドタウンのエレベータに乗る時に「なんか今日は歩きにくいなあ・・足でも痛めたかな」ぐらいに靴を見たら「ええええええ」となった、と。
ま、履き間違えるくらい手羽家の玄関がしっちゃかめっちゃかってことでもありますが。

問題は周りの人が気が付いてしまうかどうか。足元なんか見るかいな。いや、オシャレは足元からっていうし、「面接の時は靴を見ろ」と言ったりもするし、意外と目が行くところかもしれない。
となると、次は「なんであの人は違う靴履いてるんだろ?」と人間は理由を考えてしまうもの。自分もそういうことから勝手に妄想したりするし。
どういうパターンが想定できるか考察してみる。

想定1: 足を怪我してギブスをしてる
うん。真っ先にみんなが思うのはこれだろう。右足が革靴で、ギブスつけてる左足はスニーカー(orサンダル)って姿は時々見かける。とりあえず足が痛いテイをすれば高い確率でごまかせるし「大丈夫ですか?」と気を使われる可能性も高い。

想定2: いじめで靴を隠された
これもなくはない。職場でいじめられて靴をトイレに隠された的な。
問題は学校じゃないから六本木で靴を脱ぐ職場があるかどうか。

想定3: 居酒屋の下駄箱の鍵をなくして応急処置
靴をぬいで鍵のかかる下駄箱にいれる居酒屋で飲み会終わり頃に「下駄箱の鍵がない!」と騒ぐおっさんがよくいますが、とりあえず居酒屋でありものの靴を借りて移動してる的な。
うーん、でもそれで両方違う靴ってのもどんな居酒屋だって話だし、午前9時に居酒屋帰りの可能性は低い。これはちょっと無理があるな。

想定4: 仲良しと靴を交換中
「君とは仲良しだよ!」の証明で片方靴を交換してるパターン。高校生がシーブリーズのフタを取り換えっこする的な。
でもおっさんだよ?女子高校生じゃないし、なんで靴をって話で。

想定5: 六本木ワーカーで流行ってる最新ファッション
六本木界隈のできるビジネスマンの最新トレンドファッション説。
それがなんでスニーカーなんだって話でもあるけど、サッカーボールを手にもったことからラグビーが生まれたように、こういうことから新しいトレンドは誕生するかもしれない。

想定6: なんか実証実験中
企業も多く入ってるミッドタウンだから、「両方違う靴を履いて歩いた場合のストレス実験」的な人がいても不自然ではない。

想定7: なんかパフォーマンス中
「アート&デザインの街ミッドタウン」を名乗ってるんだから、こういうゲリラパフォーマーがいてもおかしくはない。1人アートナイト的な。しかしなんで1人?


想定できるのはこの7つだろうか。
うーん、やはり「足をケガしてて」が一番自然だな。というわけで、ちょっと足が痛そうな顔をしながら今日は1日過ごすことにする。


11時にタクラミ展がオープンし、会場を見ると

グリーンズさんがスカイプ使ってバリバリに編集会議やってた。
立ってるのは鈴木編集長。

ラウンジの中では今度トークセッションをするVIVITAさんとWEデザインスクールさんとグリーンズ河野さんが打ち合わせ。ここにいるほとんどがムサビOBOGってのも不思議なめぐり逢いで。

タクラミ展の展示内容を考えてる時に「パネルだけの展示にはしたくない」と提案したんだけど、その他に「参加団体さんが実際に展示場で仕事をする」って案も出しました。
セキュリティとか一切ない場所だけど(笑)、「ソーシャルデザイン」というわかりにくい仕事やプロジェクトのやり方を伝えるには、パネルや動画だけじゃなく実際に働いてる姿を見せるのが一番わかりやすいんじゃないかと。「プロジェクトの見える化」「仕事のオープン展示」ですね。

それをグリーンズ河野さんが覚えててくれて実践してくれたのは本当にありがたい。
毎日ここで仕事してるわけじゃないけど、タイミングが合えばそういうシーンも見れるはずなんで、ぜひお越しくださいませ。


んで手羽は12時半に某所へ移動。

大手町にある日経ホールです。
こんな靴だけども。

フロアの写真撮ろうとしたら警備員さんに「館内は撮影禁止です!」と怒られた。
「こういう靴だから怒られたのかな」と全部靴のせいにしてみる。

喫煙所に入ると、

灰皿がインスタレーションのように配置されてて感動。
黒床に黒い灰皿を3×3列に配置し、ほんとは9個置きたいところを壁との関係で8個しか置いてないところが非常にアートしてる。手羽の靴ぐらいアートしてる。

で何しにきたかというと、

600人ぐらい入れる会場でした。


最初はOECD東京センター・村上 由美子所長によるゲストスピーカー基調講演。
OECD成人力調査によると、読解力・数的思考力は男女とも日本は1位(2位はフィンランド)。
なおかつ技術的にはトップクラスにいるので、「お金はある」「インフラもある」「教育レベルが高い」とテクノロジーと協働する、イノベーションが起きる諸条件はそろってる。
でも事業化(お金に変える)能力はOECDの平均以下で、イノベーションを経済価値に変えることができていないのが現在の日本の問題点。

また、15歳の科学的リテラシーも日本はトップだが、他国より低いのが「自己肯定力」と日本語だと「大志」にあたる部分。「将来官房長官になってやる!」なあれ。
「学力はあるけど自信もなければ大志もない」という状態。

じゃこれを解決するにはどうしたらいいのか。
ポイントとなってくるのが「つながる・つなげる力」
日本は自分たちのチームをつなげる力(身内の結束力)は強いが、他グルーピングの人とつながる能力が弱い。ああ、これなんとなくわかるなあ。「村社会」「忘年会文化」ってやつですね。
今後はそこが大事になっていくし、これがいわゆる「グローバル化」「ダイバーシティ」といってる意味。単に英語がしゃべれるようになるのがグローバルではない。

で教育はどうすればいいのか。
知識はどんどん進化していくのでそれを教えるだけの存在は意味をなさなくなっている。
知識ではなくOSをアップグレードできる「マインド」、自分のテリトリー以外も学ぶマインドが大事だし、いかに学生時代からリスクを取るか(失敗もするがそこから何かを学ぶ)を経験できる装置化が必要。大きなチャンスを見逃さないためにも、つながる力とマインドをもった学生を育てる必要がある。そしてそのマインドは教授も持ってないといけない・・・というお話。
リーダーシップの話にもなり、昔のリーダーシップ講座で教えてたようなリーダーシップ論から大きく変わってる、という話。


そのあとは学長たちによるパネルセッション。

東海大学の山田 清志学長。
学生数3万人の大きな大学の中にいかに小さなカレッジを複数作れるかがテーマとのこと。
山田学長の言葉で一番印象に残ってるのは、「昔は『ワールド』と言ってたものが次に『インターナショナル』になり、今は『グローバル』」かな。
 

東京都市大学の三木 千壽学長。
創立者というものがなく「自分たちで作った大学」であり「2つの大学がくっついてできた大学」でもあります。
今回初めて知りましたが、東京都市大さんって1929年創立とムサビと全く同じ年にできてるんです。来年90周年!おめでとうございます!!

そして武蔵野美術大学・長澤 忠徳学長です。
終始ムサビ愛が炸裂した話で、場を全部もっていったのはさすが長澤学長でしたね。
あんなに人前でムサビ愛を語れる人は他に一人しか思いつきません。手羽ですけども。

11月25日はタクラミ展オープニング、27日は某所で講演もやってるし、9月からはなにかしらずっとあちこちで学長は予定が入ってました。学長の資質って母校愛も大事だけど、「外国の方含めて人前で臆することがないか」「活力があるか」ってすごく大きいな、と感じるこの頃です。他大学の学長さん見てても。
あ、10月にギックリ腰やらかしたけど(笑)

もちろん新学科・大学院、市ヶ谷キャンパスの話もされてました。
あ、市ヶ谷キャンパスといえば、先日こういリリースを発表しました。
「無印良品」が武蔵野美術大学のキャンパスに出店 産学一体での商品開発などを計画
良品計画さんと協働で市ヶ谷キャンパスに共創実験店舗をオープンすることになったんです。
「構内にお店に入ってもらう」ではないがポイントだったりしますよ。いろいろタクラんでおります。


六本木で打ち合わせが入ってたんで、学長が登壇するパートが終わったら急いでこんな靴だけどラウンジへ戻る。
靴を間違ったことをつぶやいてたら、こんなメッセージが届いてました。
===
うちの息子は意図的に違うのを履きたがる日ありますよ。ファッションだそうでw両足同じものを履かなければならない理由を説明するよう求められ屈しましたw手羽さんもおしゃれさんですね!
===


両足同じものを履かなくてはいけない理由・・そういわれると違う方が右足と左足間違えずに履けるメリットがあるし、デメリットは思いつかない・・深い、深いなあ。
そして「いつも手羽さんはヒョコヒョコ歩いてるから気が付きにくい」と褒められた。てへ。


ところで、さっきから「靴が右左違う」とかいろいろ表現変えて書いてきましたが、これを一言で言い表せる単語があるんだけど、今は差別用語にとられるケースがあるようであえて使っていません。
それはいいんですが、そういう時は代わりの単語を一つ作ってくれないかなあ、と思ったり。


打ち合わせが終わって冷蔵庫を見ると、

ラウンジの冷蔵庫にシュトレーゼンがいっぱい入ってて「いよいよクリスマスも近づいてきたね。こんなに誰からの差し入れ?」と聞いたら、椎茸祭さんの販売用原木(菌床)だった。

これです。

もう少しでナイフ用意するところだった。ま、紛らわしい・・。

試しにお皿に置いてみた。
さらに紛らわしさ感が増幅する。


というわけで、

1人、手羽家にお嫁に来ました。「手羽きの子」と命名。
そんな1日。


以上、ラウンジスタッフが「展示室に白髪のおじさんがいるけど、ムサビの先生のような気がする」というので見に行ったら原研哉先生だった手羽がお送りいたしました。
「そうか。知らない人からすれば原先生も白髪のおじさんなんだなw」と思いながらよく見たら横に永井一史先生と佐藤卓さんがいて逃げて帰ってきた。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。