制作者が語る!イノベーション・マガジン『WE/』の魅力 –POLA【前編】

化粧品会社POLAが発行しているフリーペーパー『WE/』。POLAが提供する価値「美しい肌から、美しい人へ」を実現すべく2017年1月に創刊され、そのビジュアルやコンテンツの独特の世界観が人気を博しています。今回はPOLA宣伝部の吉崎裕介さん、豊田誉力さん、安久志乃さんにお時間をいただき、『WE/』の魅力について熱く語っていただきました!

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―『WE/』について教えてください。

『WE/』は2017年1月に創刊して、今回の11月、12月の号で12誌目になります。
2016年にPOLAが、Science、Art、Loveという3つを独自価値に置きながら新しいスタートを切っていこうという背景があった中で、外見はもちろんのこと、それにとどまらないトータルなビューティーというものを提案していきたいという思いのもと創刊しました。
毎号異なるテーマを取り上げ、MagazineだけではなくWeb、Eventの3媒体を通じて活動を展開していて、「ものの見方が変わる」だったり、「新しい発見がある」といった価値を提供しています。

―デジタルメディアが主流の時代に、あえて紙媒体のフリーペーパーというメディアを選択したのはなぜですか?

理由は、1950年創刊のPOLA美容新聞からはじまって、ビューティー専科、コフレといった長い歴史を持つPOLAの企業誌をひも解くと見えてくると思います。
POLAは、外見の美だけではなくてトータルの美を提供したいと考えているので、もちろん化粧品やそれにまつわるお手入れをお伝えする一方で、人として内面からも美しくなれるような情報もお伝えしながら総合的に美をプロデュースさせていただくということを、創業時から大事にしているんです。

そういったものを、ビューティーディレクターという、人を介して情報をお伝えするという文化が脈々とPOLAの中にあるんですよ。
ビューティーディレクターが一人一人のお客様に向き合って化粧品をご提案する一方で、こういった紙媒体を媒介として新たなコミュニケーションを生んでいくという文化がずっとあるんですよね。

デジタルで見せてお話しするというよりは、こういった紙でいっしょにお話したりとかという方が一対一の人と人とのコミュニケーションにおいてはやりやすいというか、そこから新たな関係性が生まれていくというようなことがあるので、その文化が受け継がれているのかなという気がしますね。

また、POLAはアートというものをすごく大事にしています。紙でしか表現できないアート表現だったり体験というものがあると思うので、お金もすごくかかるんですけど、あえて紙でやっているということですね。

人を介して一人一人と向き合ってコミュニケーションしていく、関係性を構築していくことを大事にしているからこそ紙媒体ということですね。

―紙でしかできないアート表現、空間というのは『WE/』のどのような部分に表れているのでしょうか?

『WE/』として1番大事にしていること、伝えたい価値というのが、「ものの見方が変わる」だったり、「新しい発見がある」ということでして。
その時に中身のコンテンツだけではなく、見た目や仕様においても「冊子、マガジンってこういうものだよね」という常識を裏切っていきたいという思いがあります。

サプライズをどんどん与えていきたいなというのがあるんです。『WE/』の特徴としてA4とB5というサイズ感が違う2種類の紙を組み合わせていることがあるんですが、市場にはこういう形態はほとんどありません。
常にものの見方が変わったりとか、発見があるような新たな仕様にこだわっていきたいと思っています。

―紙の冊子だけではなくWeb、Eventなど、様々な媒体で活動をされていますよね。

そうですね。
『WE/』の中では冊子、Magazineが1番コアな媒体なんですが、紙で表現しきれないところや紙以外の体験というのも提供したいというときに、Webやリアルならではの良さがあると思うんですよね。動画が使えたりとか、動きが見せられるとか、リアルの熱だったりというのは、WebやEventのほうが伝えられるでしょうし。

紙でぎゅっと伝えてきたことを派生させたり拡張させていったり、いろいろなメディアでできたらいいなと思っているので媒体同士の行き来をもっと活発にしていきたいなと思っています。

―いつごろから紙以外の媒体を始めたんですか?

Eventは2017年9月、10月、創刊から1年弱経ってから始めました。Web contentsは2018年の6月からです。

今、新たな試みとしてWebとリアルを繋げたりしていて。「WE/digital contents」というメディアで毎回1人の方をインタビューしたりしているんですけど、読者を一人だけ招待して1対1で会っておもてなしする、ミートアップイベントというのをやっています。
出会うはずのなかった異質の二人が、『WE/』によって出会い、そこでとんでもない熱が生まれるんです。

―やっぱり人と人とのつながりを大事にされているんですね。

そうですね。人と人というところにPOLAはすごくこだわっているので。

―『WE/』を制作するうえで大事にしている、軸にしていることは?

繰り返しますが、提供価値としては、「ものの見方が変わる」ということを1番大事にしていて。
日常生活ってどうしても慣れてきたりするじゃないですか。でも、見方、考え方、捉え方によっていつもの風景が変わって見えてくることってよくあるじゃないですか。バイアスを外したりリミッターを外したりという作用を『WE/』でできたらいいなと。それを常に大事にしています。

そのための手段、手法として大事にしているのが、異質なものの組み合わせ、コラボレーションです。
毎号毎号まったく違う2つを組み合わせて特集を作ってるんですよ。
古事記×人間拡張とか、香道×新体操とか、歌舞伎×オプアートとか、一見関係なさそうな異なるものをかけ合わせてものの見方を変えるような1つの価値を創り出すということを大事にしています。

イベントも、単に場所を借りて、ということはあまりやらない。思想に共感し合った組織や人々と、異質の考えをぶつけあって一つのものをつくっていきます。それは、大変ですが非常に勉強になって高めあえるし、今までにない新たな価値も生まれてきます。

―テーマは毎回どのように決めているんですか?

2017年、2018年の編集方針としてkanseiというものを掲げていまして。
美を提供する日本のブランドとしてPOLAが日本的感性を大事にしながら、今の社会を切り取り、見つめなおしています。

なので、日本的感性がつまった言葉というのを特集のテーマにも設定しています。例えば、なぞらえる、はせる、とうとぶとか、簡単に外国語訳出来ないような。そういう日本的感性がつまった言葉から出発して考えます。
「はせる」だったら…香りって記憶と結びついたり想いをはせるものだったりするじゃないですか。そこから香道がきたりとか。新体操も、イマジネーションが必要なスポーツだと思うんですけど、団体でフォーメーションを組んで演技をしてという。
「はせる」から「香道×新体操」をかけ合わせるのありじゃない?絶対に面白い!体験したことのない美が生まれるはず!という…化学反応を生み出したくて、必死の思いで検討を重ねます(笑)

―今後の展望、最終的な目標などがあれば教えてください。

『WE/』をきっかけに新しいアイデアだったり、新しい関係性だったり今まで起こっていなかったようなわくわくするようなことが起こるというのが目指すところではありますね。
これをきっかけに新たな会話が生まれて新たな関係性が生まれたりとか。

あとは社外でも共感してくださる方がすごく増えていて、書店とか博物館とか社員食堂とかいろんなところでイベントをやっているんですけど、そういうところで『WE/』をきっかけにこういう考え方面白いよね、とか、なにか一緒にイベントやってみない、とか、こんな新しいアイデアが生まれてきたんだけど、という話が生まれたりしているのがいいなと思っていて。

ビジネスライクなところではなく、活動、思想、想いなどに共感、共鳴してくれたことで新たなつながり、新たな価値が生まれていくようなものであり続けたいなと思います。

 
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インタビューを通して『WE/』の魅力だけではなく、制作にかける想いやこだわりが伝わってきました!
何より『WE/』について楽しそうにお話してくださったのが印象的でした。
後編では、制作者の視点から『WE/』に限らずフリーペーパー全般の魅力について語っていただきます!



POLA『WE/』
株式会社ポーラが発行するフリーペーパー。2017年1月創刊、2018年11.12月号で12誌目を迎える。
新しい物の見方を創っていくべく、Magazine、Event、Webコンテンツなどさまざまなコミュニケーションを展開。企業誌であるにも関わらずアート性の高いビジュアルと斬新なコンテンツが人気を博し、様々な読者層に愛されている。

HP:https://www.pola.co.jp/we/


(編集:酒井優実)

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