この手羽美術大学★は2015年4月16日「良いイチロー」の日にスタートしたので、昨日で丸3年、今日から4年目に突入しました!
これもPARTER_WEB編集部の方々のおかげです。どうもありがとうございます!
美大愛好家の手羽イチロウが美大の現状を日夜調査し、
●美大ではどういう授業があるのか?
●どういう活動をしているのか?
●どんな学生さんや卒業生がいるのか?
●美術や美術教育の必要性は?
などなどをまとめ、ウン10年後、理想を集めた夢の美術大学「手羽美術大学★」を作る・・・というテイで始まったこの手羽美術大学★。時々その設定を忘れてることもあるけど(笑)、趣旨はぶれずに続いてるんじゃないかと。しかも今年はムサビ日記から数えてブログ活動15年目なわけで、まあ、よくも美大ネタしばりで懲りずに続いてるなあ、と我ながら思います。みんなもっと褒めてほしいんだけど。
そして、この記事で手羽美★は832記事目となります。1097日で832記事ってことは1.3日に1記事書いてる計算。来年頭ぐらいには1000記事になるかな?しかし、感覚としては2日に1回更新ぐらいのつもりでいたんだけど、オーキャンやら卒展やら入試やら旬ネタを連続で書いてる時もあるんでこうなっちゃうのね。
4年目の目標は「もっとのんびり書こう」で(笑)
そこで4年目突入、ブログ人生15年目を記念して、今日は全然美大とは関係ない「広報ブログの書き方」を伝授しましょう。あ、「バズる書き方」は塩谷 舞さんとかに任せるとして、「広報ブログが書きやすくなる書き方」とでもいいますか。
このご時世に「ブログの書き方」もないけど、広報SNSも同じなんでご参考に。
というのも、武蔵野美術大学デザイン・ラウンジに4月から新しいスタッフが3名入り、新メンバーによる初ブログが公開されたんです。
■「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」 |美大ラウンジ(裏)
どうですか?ちょっと堅いと思いません?(笑)
でも最初だとだいたいこんなもんで、なぜ最初のブログがこういう堅い感じになるのかを手羽は以前から分析してて。
10年前ぐらいに「ブログ」が流行り、多くの企業広報や大学入試担当の人は上司から「今流行りだからブログを書け」と言われてるはず。今だと「twitterでつぶやけ」「インスタやれ」ですね。ただ誰もが最初に感じるのは「あれ、意外と書けないぞ・・」じゃないでしょうか。
自分のSNSをバリバリやってて「普段からつぶやいてるから毎日更新なんて楽勝っすよ。むしろ1日に何度も更新しちゃいそうでそれが心配っす」と思っても、いざ書くぞとなったら筆が進まない。
すぐに更新が止まってしまった大学ブログをたくさん見てきました。
理由は簡単で
「自由なようでいて、テーマが縛られている」
からです。
自分のSNSなら「あの映画がつまらなかった」「おなか減った」「あの芸能人嫌い」「猫かわいい」「パンケーキおいしい」「虹がきれい」「飛行機雲」「満月が大きい」「暇」「眠い」な、どうでもいいお気楽なつぶやきでよく、
それでも友達から「いいね!」もつく。
でも広報SNSだと「広報になるもの」縛りが入り、急に書けるもの、書きたいものが無くなってしまう感覚に陥ります。
こういう時は自分が普段思ってること、感じたこと、体験したことを無理やりにでも関連づけると書きやすくなるんですよ。これを続けてると、ネタ集めしなくても「あ、これ、いつか使えるかも」と思いながら生活するようになってきます。
15年もやってると、手羽は意識せずに「この感覚、ブログに使えそう」な視点でいつも活動するようになりました。
最近だとなんだろ?あ、そうそう。 奥さんの誕生日に買ってあげたホームベーカリーの話かな。
手羽家の朝食は基本ご飯だから「朝にパンを食べる」のが子供たちの夢らしく、彼らからも熱望されて。数年前にも奥さんのホームベーカリー熱が発生し、その時いろんな人にヒヤリングして結論は「すぐに飽きて使わなくなる」だったんだけど、とうとう今年購入してあげたんです。もちろんGOPANっすよ。買うならこれだと最初から決めてた。
で、えーと、3月現在、ほとんど焼かなくなりました(笑)
なぜかというと、奥さんが1月は毎日パンを焼いてたせいで、子供たちが飽きてしまった、というオチ。「お店で売ってる普通の白い食パンが食べたい」と言ってるし。
んで、ここで終わるとただの「家族のホンワカネタ」なんですが、ここから「幸せは毎日続くとダメ。幸せは時々起こるから嬉しいのだ」という話が語れ、ここまで翻訳できればいろんなシーンで使えるようになる、と。
手羽の記事はこういう展開が多いと思いません?そういうことなんです(笑)
また、副作用的に「体験したことの本質ってなんだろう?」と常に考えるトレーニングにもなります。
ちょっと脱線しますが、プレスリリース会社さんから「売りを書きなさい」と教わったことがあります。
大学SNSを例にすると、
「こんな楽しい授業やってます」
「こんな設備が入りました。便利になります」
「オープンキャンパスが●月●日にあります。みんな来てね」
な「はい。そうですね。わかりました」で終わってしまう情報にリリース効果はほとんどないんだ、と。
新聞やテレビでは「参加者は暖かい豚汁に舌鼓を打ちました」「盛り上がりを見せました」「今後の活動が楽しみです」等定番フレーズをよく見かけますが、これって「興味がそれほどわかないけど書かなくちゃいけない」「特筆すべき新規性がないけど、なんかまとめないといけないから」な時がほとんどです。小学生が読書感想文で使う「面白いと思いました。」の大人版とでもいいますか。
なぜそれがすごいのか、どんな楽しいことが起きるのか、行く価値はなんなのか等、小さくてもいいから自分の視点でそれを意識して入れるとそれがそのイベントの「売り」部分になり、リリース効果が高くなるそうです。
「オープンキャンパスやります」は「共に情報を有する」だけの状態「共有」で、それにはそれだけの価値しかなく、「共有」されたものに「感情」を入れると「共に感じる」ことになり「共感」が発生します。
チラシやDMに「共感」を入れるのはスペースの関係で難しいけど、それをたっぷり書けるのがSNSやブログであり、そのとっかかりとして「感じたこと、体験したことを無理やり関連づける」なやり方は便利っすよ、ということ。
冒頭で「こもちさんのブログの書き方が堅い」と書きましたが、展覧会感想で自分の別の体験談も関連づけてて、最初からこういう内容が書けるのはセンスがある証拠。もっと気楽に書けばもっと面白くなりますね。うん。
以上、と偉そうなこと書いても、建築・鈴木先生から「手羽さんのブログは長すぎる。時間がなくて最後まで読めないから最初に結論書いてよ」と言われちゃう手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。