世界のANDO風、過酷な建築一人旅。

美大生だった頃、良い建築家になりたければ過酷な一人旅をしなければならない。という安藤忠雄の名フレーズに感銘を受け、すぐさま一人旅を決行したニッパシ!今回はその時の建築紀行をお送りします!

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建築オタク時代の過酷な一人旅

大学四年の春、当時建築一筋だった僕は、安藤忠雄の「良い建築家になりたければ過酷な一人旅をしなければならない。」というフレーズの〝過酷な〟の部分に強く影響され、ろくに計画も立てず関西方面へ10日間の建築一人旅に出かけました。

本当のANDO風、過酷な建築一人旅にするなら世界一周的な旅になるのですが、僕が一人旅に選んだ地はANDO建築の聖地でもあり、東京から思い立ってすぐに行ける大阪と京都でした!
 

 
旅先ではお目当てのANDO建築、伝統的な寺社仏閣、取り壊し寸前の団地、それから哀愁漂うポストモダン建築など、ハイからローまで様々なジャンルの建築を見て回ったのですが、過酷な一人旅にするために、地図でルートを決め込まずわざと道に迷ったりしていました。
 

 
たまたまたどり着いた隠れ名所

そうやってドMなルールを自分に課して散策をしていると、当初行く予定ではなかった隠れ名所にたどり着きました。そこは古いお寺で、敷地も広く、かなり歴史がありそうな場所。しかしアクセスが不便なためか、昼間なのに観光客が全くいない、静まり返った独特な雰囲気でした。

 
お寺の境内には本堂以外にも何軒か建造物があったので、一つ一つ見て回っていると、帰りがけ閻魔堂(重要文化財)というインパクトのある宝物堂に出会ってしまいました。

とりあえず怖い名前なので、ちょっと外観を見てスルーしようとしたのですが、一般客入場可という表札がチラリ。見て見ぬ振りをしようと思ったのですが、ここはANDO風建築一人旅。
迷ったら過酷な選択をするドMルールの発動です。その時の一人で閻魔堂に入った状況がコチラ!!
 


  • 暗い室内で一人、閻魔像と対峙するニッパシ

 
閻魔像のハンパじゃない圧にやられた僕は、安藤忠雄の言う通り、やはり本で勉強するだけではなく実際に現地に行ってみなきゃあかん!と改めて実感しました。



食事も過酷な選択
一人旅といえば、気ままにご当地料理を食べるのも楽しみの一つ!という方も多いと思いますが、ハングリー精神を高めるANDO風一人旅ではそれはご法度です!(これは完全に僕のオリジナル解釈です)

そんな時、何を食べたら良いか迷ったら、若かりし頃の安藤忠雄になりきって妄想します。。
そして僕が出した答えが、コチラ! 
 

 
大阪ではおなじみの安くてうまい!?ソウルフードのキャベツ焼きです。一応ご当地グルメではあるけど、決して贅沢ではない絶妙なラインをついているジャンルの食べ物です。一つがわりかし小さいので、何個食べても満腹にはならず、常にハングリー精神になれるので、滞在中は朝昼晩こればかり食べていました!
 



宿泊施設も過酷な選択

宿泊施設も駅近の綺麗なホテルは選ばず、大阪のちょっと怖いエリアの激安カプセルホテルをあえて選びました!!

当時、貧乏学生には変わりありませんでしたが、一応バイトもしていたので、さすがにもうちょい良いところに泊まれたかと思います。(笑)
 


  • カプセルホテルの憩いの場の様子

 
散策、食事で自分をいくら追い込んでも、身の危険を感じることは何もなかったのですが、そこのカプセルホテルは、実はそっち系やあっち系の人たちが寝泊まりしているアジトだったのです!
もう怖くて怖くて今にもキャンセルして駅前のビジネスホテルに変更したい、、と思いましたが、ここはグッと我慢。迷ったら過酷な道に進むのが今回の旅のテーマです。
 

 
 
こうして日中は建築行脚、夜は恐る恐るカプセルホテルに戻るという生活を何日か続けていると、宿泊客の生活サイクルや人間関係が徐々にわかってきました!

旅も終盤の頃はそっち系の人たちと一緒にテレビを見るくらいな関係になっていて、恐怖の館がいつしか居心地が良い場所になっていました。
 


  • カプセルホテルのドンに少し認めてもらったニッパシ

 
こうしてANDO風の過酷な一人旅を実行することで、社会の光と闇を同時に体験できる濃厚な一人旅をすることができました!

おしまい


 

まとめ

ニッパシの、ANDO風、過酷な建築一人旅はいかがでしたか?
日本では多少危険なところを一人で歩いても、外国ほど危険な思いをすることはまずないですよね?
人間、安全な場所にずっといると、おっとりな性格になってしまうと言われていますが、
何かを作り出す人はそれではダメ。常に攻める気持ちが大切だと安藤忠雄と僕は思います!

なのでもし、ハングリー精神を日本国内で高めたい!と思ったら、是非僕みたいなセルフ過酷一人旅をやってみてください!きっと新たな発見がありますよ~



お知らせ

ファンの皆様へ
いつもいいね&読んでいただきまして、誠にありがとうございます!
突然のお知らせではございますが、今回の記事をもって一旦連載をストップする運びになりました。
え~~うそ!なんでー??(ファンの皆様の声)が聞こえます。聞こえますよね!?(笑)
なにやらPARTNERが改革中との噂です‥‥!
決してつまらなくて打ち切りになったのではないですよー!!皆さん!いや、打ち切りの方がネタになったのかな?
とにかく、ここまで自由に記事を書かせてくれた元編集長の出川さん、現編集長の上野さん、運営スタッフの方々には感謝の気持ちでいっぱいです!本当にありがとうございました!!

それではまたいつか、戻ってくる日まで~(^3^)チュ~ス!


イラストレーター/顔面占い師 ニッパシ

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OTONA WRITER

ニッパシ / nippashi

人間観察が得意なイラストレーターです。 小さい頃は立川のパチンコ屋で育ち、人間観察の基礎を学びました。 大学では6年間建築を学び、新宿歌舞伎町や団地の研究をしました。 最近は人相占いに目覚め、顔面占い師としても活動しています。 個性的な人や面白い建築を発掘し、イラストで紹介したいと思います!