重音部との出会い
僕と重音部の出会いは入学式の日に遡ります。どこの美大も同じだと思いますが、スクールバスから降りた新入生を最初に出迎えてくれるのは、下のイラストみたいなサークル勧誘で必死な先輩方です!
当時ヘビーメタラーだった僕は、明るいノリのサークルはうけつけねぇぜ!とトガった感じでしたので、勧誘に見向きもせずに入学式の会場へ一直線に向かっていました。
そんな会場へ向かう道の端っこに、一人静かに勧誘をしている男性がボソッと立っていたのです。
彼はいたってシンプルな勧誘方法で、「重音部」と書いた段ボールを持っているだけでした。
周りのサークルが試行錯誤凝らして必死に勧誘している中で、そのテキトーな佇まいに心打たれた僕は、早速どんな部活か聞いてみました!すると、「いわゆる軽音楽部と同じだよ~」という何のひねりもない返答に完全にKOされてしまい、すぐに入部を決めました!
新歓でポジション確認
重音部に入る決心が固まり、いざ新歓に参加してみると、そこはまるでバンドのお見合い会場でした。彼らの大半は高校時代から軽音部でブイブイいわせてきた人たちが多く、ノリが合う仲間を見つけては次々とバンドを組んでいたのです。僕は高校では柔道部、出来る楽器など一つもなかったので完全に浮いてしまいました。しかしヘビーメタルだけは誰よりも聴き込んでいたので、ギターならちょっと練習すればすぐ出来るようになるだろう!と夢と希望に満ち溢れて新歓を後にしました。
ヘビメタギタリストへの道
新歓での決意を胸に、さっそく部室に行ってみると。。
なんと!そこには新入生、先輩問わずギターをギュンギュン唸らせて弾く部員がいっぱいいたのです!その状況を目の当たりにした僕は「あ、これまともにやったら10年かかっても追いつかない(^o^)」とすぐさま悟り、ど素人でもステージでカッコよくパフォーマンスが出来る方法はないか?と自分なりの道を模索し始めました。
長所だらけで確立していったスタイル
僕は今も昔もカルチャーにはかなり雑食なので、ヘビメタ好きと言っても黒一色のファッションに偏ることはなく、色々混ぜたかなりオリジナルなスタイルを確立していました。
今、当時のファッションスタイルに名前を付けるとしたら、「スケーター風ヘビメタ面白い」といった感じが適切だと思います。下のイラストがそのスタイルです!↓↓
このスタイルはかなりキワドイと思うのですが、なぜか周りからも結構好評で、もっと派手に仮装してステージに出ればいいじゃん!と同級生から言われたりしていました。
しかしギターが弾けないのにステージに仮装してつっ立ってるだけじゃ、違う意味で笑われてしまうので、どうすれば自分なりの表現を確立できるかしばらく悩んでいました。するとある時先輩から、「ニッパシって声高いよな〜?一回シャウトしてみろよ!」と人生を変えるお言葉を頂きました。
そして実際にシャウトしてみると。。なんと、らしい声が出るじゃありませんか!そのシャウトが他の部員にも徐々に認められ、念願だったヘビメタバンドの一員として、ステージに立たせてもらうことになったのです!役割はもちろんシャウトメインのちょろっとギターを弾かせてもらう感じです。
重音部で培ったスキル
というような感じで、どうにかこうにかオリジナルポジションを確立しようと葛藤してきた僕は、ギターの練習よりも仮装、シャウト、身体表現に力を注いでいたので、在学中にパフォーマンス能力を異様に養うことができました!
その当時得たスキルは今も錆びることなく、社会人になっても接待カラオケでハイクオリティなシャウトをかまし、円滑に商談を進める宴会芸にまで磨きをかけています!
おしまい
僕の悪戦苦闘の重音ライフ、いかがでしたでしたか?
入部当初はギタリストとして、カッコいいヘビメタバンドを組むのが夢だったはずが、気づいたら立派なパフォーマーにいなっていた!という変な話ですが、今の活動にもそのスキルが確実に活かせているので、サークル活動ってほんと大事だな〜と思います。(笑)
この春東京造形大学に入学した皆さん!是非重音部に入ってオリジナルキャラを築いて下さいね〜
人間観察が得意なイラストレーターです。 小さい頃は立川のパチンコ屋で育ち、人間観察の基礎を学びました。 大学では6年間建築を学び、新宿歌舞伎町や団地の研究をしました。 最近は人相占いに目覚め、顔面占い師としても活動しています。 個性的な人や面白い建築を発掘し、イラストで紹介したいと思います!