噂に聞いていた伝説のアパートメントについにやってきました。
まるで日本に居ることを忘れさせるようなただならぬ雰囲気を漂わせています。
入り口にアダムとイブのオブジェ。
このオブジェは、美大生が作ったものだそうで、“Apple and somethingelse”という名の通り、アダムとイブをモチーフに、創造、進化、発信、自由、束縛、全てをできる限り可能にした場所を象徴しているのだとか。このアパートメントは、そんな精神をもって、住人同士でイベントを企画したり、自ら部屋をカスタマイズしたりしながら、他の物件とはひと味もふた味もちがったクリエイティブな生活を営める場所なのです。
門をくぐり抜けて中庭へと進みます。
ビビッドな色をした不揃いなドアたちが美大生心をくすぐります。
JR横浜線相原駅から徒歩10分の場所にあるアパートメントの周辺には、多摩美術大学、東京造形大学といった美術大学をはじめ、法政大学、拓殖大学、東京家政学院大学、桜美林大学等、多くの大学が位置しています。 建てられたのは20年前。 今でこそ、シェアハウスやDIY物件は珍しくありませんが、当時は前衛的な取り組みだったに違いありません。口コミで先輩から後輩へとアパートメントの魅力は伝えられ続け、歴代の面白美大生が入居、ほとんど空室になることがない人気物件です。 集まる人全てが仲間であると考える、 オーナーの青木さんの大学生を応援する姿勢とあたたかい人柄が、このアパートメントならではの空気やつながりをつくりだしています。
窓の格子や郵便受けも学生の手づくり。”Apple and somethingelse”の名前にちなんで、あちらこちらに林檎のモチーフが散りばめられています。
つい最近まで美大生が住んでいたという部屋を見せていただきました。
ここは赤がテーマの部屋。壁に貼ってあるアンディ・ウォーホルの写真が気になります。
コンセントカバーも赤。
バスルーム。マスタードイエローの猫足バスタブです。
こちらの部屋はカントリーテイストにアレンジしてあります。タイルの張り付けや木材の切り出しも全て住人がDIYしたもの。
ライムグリーンの壁と天井。この部屋はこれから住む学生によってまた違う色に塗装されようとしています。
塗装のための計画書が壁に貼ってありました。さすが美大生。Photoshopで完成予想図を制作しています。
こちらはオーナーの青木さんへの置き手紙。なんだかほっこりします。どんなふうにDIYする計画なのか共有し、青木さんがそれによってアドバイスをくださったり、一緒にお手伝いしてくださることもあるそうです。
こんなふうにDIY精神を最大限に受け入れてくれる物件やオーナーは、美大生にとって強い味方ですね。 自分自身を変えたいと思った時に、最も効果的なのは、住環境を変えることだそうです。 ユニークな環境や仲間をみつけて、学生だからこそできる生活を楽しみましょう!
11月3日文化の日生まれ。随時工事中の人間型文化施設。愛称はルーシー。株式会社モーフィングにて展示キュレーションや自社メディアを担当。東北芸術工科大学卒業後、せんだいメディアテークを経て現職。