【地域の未来と美術の力】武蔵野美術大学は地域活性化センターと連携協力に関する協定を締結します

2020年7月27日(月)

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2020年10月に創立35周年を迎える地域活性化センターは、地方公共団体と民間企業が会員となって設立されており、
●地域づくり全般に関する情報提供及び調査・研究
●ひとづくりに資する研修及び交流、
●まちづくりに対する助成等の支援

などに取り組んでいらっしゃいます。

地域活性化センターが教育機関と連携協定を結ぶのはなんとムサビが初めてなんですよ。
「美術・デザインの力でもっと本質的な地域課題の解決をしたい」「しっかりとした連携体制をつくって、自治体や企業も巻き込めるようにしよう」というムサビからのかなり無理な提案を受け入れていただき、今回の連携協定となりました。


地域活性化センターは様々な事業をされていて、地域おこし協力隊の推進や自治体向けの導入支援研修もその一つ。
そうそう、地域おこし協力隊といえば、2月にミッドタウンでこういうイベントが開催されていて、
第6回地域おこし協力隊全国サミットin東京

北川フラムさんも登壇されてたり、これ行きたかったんですよね・・。

というのも、地域おこし協力隊と美大は相性がいいようで、
全国各地で活躍するマウジン2017|石岡市地域おこし協力隊

石岡市地域おこし協力隊4人全員がムサビOBOGでした。
この3月で3年間の任期が満了になりましたが、
【石岡市地域おこし協力隊1期生】3年間の活動記録
4月から着任された方も静岡文化芸術大卒→東京藝術大学大学院修了な美大卒。
ちなみに現在の彼らの活動はこちらをご覧ください。
あつまっぺ!茨城・盆地の空き家でシェア工房をオープン!#READYFOR


また、福島県柳津町の地域おこし協力隊はムサビ日本画の現役学生・宮本芙貴さんが務め(ちゃんと通ってました)、2019年に着任したのもムサビ工デ卒の我妻泉香さんだったりします。
制作場所やフィールドが与えられ、なおかつお金ももらえるので、ファインアートやクラフト系の人にはwin-winかもしれません。
6月30日に開催された
第2回新しい農村政策の在り方に関する検討会
の資料によると(これ必見です)、地域おこし協力隊の任期終了後そのまま定住された方の人数は、1位こそ飲食サービス業155人ですが、その次が美術家・デザイナー112人なんですね。
「意外」と感じるか、「そりゃそうだね」と感じるか。

ただ、
まち・ひと・しごと創生基本方針 2020(令和2年7月17日)
では「地域おこし協力隊の隊員数を2024年度に8,000人に増やす」と目標が掲げられましたが、一方で最近ニュースになったのがこちら。
地域隊員、1年で25%退任 住民・行政との関係に悩み:日本経済新聞
さっき紹介した「地域おこし協力隊全国サミット」にも登壇され、「新しい農村政策の在り方に関する検討会」委員でもある弘前大大学院・平井太郎先生の調査で、隊員の25%が着任から1年以内に辞めている現実があるそう。
「流行りだからなんとなく作ってみた」「アーティストに協力してもらって壁に絵でも描いてもらおう。流行りの鬼滅の刃とか」意識が役所の中にあったり、「地域おこし協力隊は人手不足解消ではなく新たなものを創る仕組み」意識が地域の方になかったら、確かにつらいだろうなあ・・。


アートやデザインの力で「本質的な地域課題」を考える、というのが今回の締結の趣旨であり、今回の連携を機にソーシャルクリエイティブ研究所内にラボを新設しました。
地域価値デザインラボを設立します

●地方自治体職員向けアート・デザインプログラムの開催
●地域課題、情報のデータベース化およびネットワークを活用した調査
●研究、企業との連携による地域イノベーションの創出

等々、地域価値デザインラボでは自治体、企業、教育機関等が参画できるコミュニティを形成した、様々な取り組みを実施する予定です。

既にクリエイティブイノベーション学科や大学院クリエイティブリーダーシップコースではラボ設立前に先行して行っていて、

いすみ市発房総ライフデザインプロジェクト小平市で抱える地域課題に関する提案プロジェクトなどがそれで、少し遡ると、
武蔵野美術大学と千葉県いすみ市にて行政向けデザインプログラムを共同開催
「絵を描いたり、芸術祭をやるのではなく、創造的思考力の理解者を役所に増やす」事業と言えますね。


というわけで、8月3日の締結式の様子をyoutube配信することになりましたっ!
■武蔵野美術大学×地域活性化センター 協定式&記念イベント
●日時:2020年8月3日(月)15:00-
●協定式:
・各代表者挨拶| 一般財団法人地域活性化センター 理事長 椎川忍、武蔵野美術大学学長 長澤忠徳
・協定書締結
●記念イベント「地域の未来と美術の力」
・登壇者:椎川忍(一般財団法人地域活性化センター 理事長)、上猶真美(一般財団法人地域活性化センター 企画課連携交流室長)、長澤忠徳(武蔵野美術大学 学長)、若杉浩一(武蔵野美術大学 造形構想学部クリエイティブイノベーション学科教授)
・モデレーター:井口博美(武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所 所長)


↓こちらからご視聴ください。

コロナで東京と地方の関係も確実に変わってきました。


以上、連休中はどこにも出かけず、

猫とゴロゴロしてた手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。