美大生は旅へ出よう! お金はちょっとでも、ずっと豊かに旅はできる!

アルバイトで稼いだお金を全部使っても、やっぱりお金がないのが学生の旅。最近ドイツでは10代の学生が旅をするのが大ブームだそうです。そんなブームも追い風となり、世界的に、お金のない若者たちも利用できる新しいサービスが続々誕生しています。うまく節約する旅の知恵を、私の経験談に加えてリサーチしましたのでご紹介します!

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【旅の節約術①】
ケチるべくナンバーワンは宿泊。


旅をする上でお金がかかるツートップのひとつは、宿泊です。どんな地域でも、ホテルに宿泊しようと思うと1泊5,000円くらいはかかってしまいます。1週間の滞在で、あっという間に30,000円超。しかし、よく考えてみると、ホテルを楽しみに行く(リゾートなど)ケースでなければ、寝る時間を除いて1日のほとんどをホテルの外で過ごします。つまり、安全に安らいで眠ることができればいいわけです。
そこで、旅人たちがよく利用しているのが、ユースホステルですね。共同のトイレやお風呂がほとんど、衛生的にきれいでないところもあるようですが、たいていの場合は寝るだけと思えば問題なく宿泊できます。ホステルを利用する最大のメリットは、旅人が集うこと。勇気を振り絞って、世界から集まっている旅人と、行ってよかったスポット、移動手段など情報交換をしましょう。もしかしたら、いらなくなったガイドブックを譲ってもらえたりするかもしれません。私は、高山病になったとき、出会った旅人から薬を分けてもらったことがあります。


また、私が5年ほど前に利用した時は「サブレット」という名称で、いわゆる現地の人が不在中に部屋を又貸ししてくれるという仕組みがあり、よく利用しました。人のお宅にお邪魔するので、もちろん特段サービスなどはありませんが、現地に暮らす人の生活が垣間見え、観光して見える様子と違う発見がありました。
最近では、これと同じような仕組みで「Airbnb」というサービスができました。世界中で「部屋を貸すよ!」という人たちが情報提供をし、旅人が部屋を選んで借りる。滞在前から、提供者とコミュニケーションを取ったり、彼らから現地のおすすめ情報を聞いたりして、その土地に知り合いができたような感覚に。きっとホテルに泊まる何倍も、大きな出会いや発見があることでしょう。
※ちなみに、Airbnbは2014年のCompany of the Yearにも選出されています。


【旅の節約術②】
ケチるべくナンバーツーは移動。


さて、続いてお金がかかるのが移動です。狙い撃ちで、行き先を一箇所に決める場合は、より安い飛行機のチケットを手に入れることだけ考えればいいのですが、何拠点も旅してまわる場合は、その間の移動費用がばかになりません。ヨーロッパや中南米では、格安航空LCCが進んでいます。バックパッカーで荷物が少ない場合には、追加料金も取られませんし、数千円程度からチケットが手に入ります。変な時間帯に飛んでいることも多いですが、短時間で長距離を移動できますし、逆に宿泊を浮かせることができる場合もあるかもしれません。最近ではLCCのまとめサイトも充実してきていますので、予め渡航先エリアのLCC状況を確認してから出発しましょう。


また、夜行バスや夜行列車も宿泊が浮かせられて時間を有効に使うことができます。寝台列車はいい思い出にもなります。
ただし、これらの移動ではスリが多く発生するので、貴重品の管理は徹底的に。万一カバンが盗られたとしても大丈夫なように準備をしておきましょう。


  • Photo by Natsumi Ueno / 2011 Thailand

【旅の節約術③】
程よくケチるべくは食事。


さて、ここまでが大きな節約ポイントですが、意外と積み重なるのは食事代です。せっかく海外にいくので、「おしゃれなカフェやバー、現地食を」とついつい気張ってレストランに入りたくなりますが、ガイドブックに載っているレストランの多くは観光客向けの値段をつけていて、現地の人からしても高いのです。たとえばタイで、タイらしくてリーズナブルな食事を探すと屋台が目に入ります。衛生状態が心配なときは、現地の人で賑わう店を探しましょう。綺麗で観光客ウケしそうな店よりも、仕事帰りに現地のお兄さんたちで賑わうお店、子供連れのお母さんたちが集まるスーパーマーケット、これならお腹を壊す確率もグッと下がります。日本でいう数百円で食べる牛丼やうどんのようなジャンキーなものかもしれませんが、きっと、現地の人と並んで食べる食事こそ、その地でしか味わえないものだと思います。



【旅の節約術④】
美術館は無料公開日が狙い目。


  • Photo by Natsumi Ueno / 2007 NY MoMA無料公開日の行列

地域によって様々ですが、美術館などの文化施設は無料で入れたり、国際学生証を持っていれば格安で入れたりします。たとえばニューヨークだと、MoMAは毎週金曜日が無料公開日(余談ですが、スポンサーはUNIQLOです!)、メトロポリタン美術館は基本的に寄付制度なので、寄付をしないでも入ることはできます。上手に旅程を組んで、活用してみてはいかがでしょうか。
また、ギャラリーは日本同様入場無料なので、敢えてそういったところを巡ってみるのもおもしろいかもしれません。



【旅の節約術・上級編】
美大生なのだから、パフォーマンスで小銭稼ぎ!?


さて、これは私もチャレンジしたことありませんが(笑)、ケチるのではなく収入を得るというのはいかがでしょうか。オフィシャルにアルバイトをすることは、ビザの関係上無理ですし、場所によっては規制のある場所も多いですが、ちょっとした作品販売も美大生ならできそうですね。
以前、ジャグリングで世界一周をした長竹慶祥さんにお会いしたことがあります。


彼はもともとジャグリングで世界一を獲ったプロフェッショナル。そんな彼がリュックサックひとつ、ジャグリングのグッズを片手にアメリカ入り。はじめはなかなか相手にしてくれなかったそうですが、アメリカ人にどんなものがウケるのか研究し、少し集まったお金でグッズや設備を拡充して、最終的には2時間で150ドル程稼げるまでになったそう。前回の記事でも書きましたが、言葉と違う、他のコミュニケーション手段を持っている人は強いですね。
また、ホステルやレストランでの住み込みバイトというのもよく耳にします。1日数時間お仕事を手伝うから、タダで泊めてもらったりタダで食べさせてもらったりするというもの。これも、節約ポイントの②や③をタダにできてしまうので、長期の旅にはとても有効かもしれません。


行く場所にもよりますが、お金の節約は気合次第。お金がないからなんて言い訳はせず、ぜひチャレンジしてみてください。さて、次回からは、私が訪れた国のなかから、おすすめスポットをご紹介します。

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OTONA WRITER

natsumiueno / natsumiueno

編集者/メディエイター。美大での4年間は「アートと世の中を繋ぐ人になる」ことを目標に、フリーペーパーPARTNERを編集してみたり、展覧会THE SIXの運営をしてみたり、就活アート展『美ナビ展』の企画書をつくったりしてすごしました。現在チリ・サンチャゴ在住。ウェブメディアPARTNERの編集、記事執筆など。