今年最後の芸術祭!舞台は高松。メディアアート作品が国の文化財で披露される

サブタイトルは「メディアアート紀元前」。紀元前が指し示すように、「高松メディアアート祭」として今年新たに誕生する。この芸術祭は国の重要文化財である御殿にメディアアート作品を展示するというチャレンジングな企画。歴史を超越した審美的興奮が立ち現れる、全く新しいプロジェクトとなりそうだ。

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PARTNERでは、1年を通して各地で開催される芸術祭を紹介してきたが、いよいよ今年を締めくくる最後の芸術祭がやってきた。
しかも!今年誕生・第1回目となるメディアアートの芸術祭だ。


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みどころ1

国の重要文化財である御殿にメディアアート作品を展示
歴史も表現手法も超えた審美的興奮に期待!


瀬戸内海を通して本州と四国を結ぶ高松は、港を介して様々な文化や人びとを受け入れて発展してきた。松平家の別邸として建てられた御殿、玉藻公園/披雲閣は、賓客をもてなす迎賓館としての役割も持ちあわせていたようだが、国の重要文化財である御殿にメディアアート作品を展示するという試みは、歴史を超越した審美的興奮が立ち現れる、全く新しいプロジェクトになること間違いない。


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みどころ2

テクノロジーと人間の潜在能力の
ぎりぎりの格闘のようなエネルギーをメディアに写し取った作品が集結


ジェネラルディレクター・キュレーターを担当するのは、高松市出身であるアーティスト、宇川直宏。「The Medium of the Spirit-メディアアート紀元前-」のタイトルのもと、世界各国から様々な作品が集結する。

昨今ささやかれている「シンギュラリティ(技術的特異点)問題」。コンピュータ・テクノロジーの能力が人間を超え、技術開発と進化の主役が人間からコンピュータに移る特異点(シンギュラリティ)が、遠くない未来にやってくると言われている。
今回のセレクションでは、これらテクノロジーと人間の潜在能力のぎりぎりの格闘のようなエネルギーをメディアに写し取った作品を選出、アートのもつ急進性と普遍性を世に問う。


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みどころ3

メディアアート業界を牽引する錚々たるアーティスト勢。
ステレオタイプな未来像などを軽く打ち破る、「血の通ったフェス」


またコンペティションとして、世界中から集まった多数の応募作品の中から厳選な審査を行った受賞作品が同時に展示される。
招待作家は、あのフランク・ザッパのクレイメーションでも有名なブルース・ビックフォードの初来日を筆頭に、オーストリア・リンツで行われている世界有数のメディアアートの祭典=アルスエレクトロニカの全面協力のもと厳選されたPRIX selection(全アーティスト来日)や、和田永の最新作インスタレーション、また宇川直宏率いるライヴストリーミング・チャンネルDOMMUNE のサテライトスタジオなど、ステレオタイプな未来像などを軽く打ち破った、血の通ったフェスを目指す。




▼参加作家・団体

<展示>
[玉藻公園・披雲閣]

〈ULTRA FEATURE〉
●BRUCE BICKFORD「Sublime world of Mr. Bickford」(from Seattle)
●VIVIAN MAIER「VIVIAN MAIER : THE LIFE LOG」(from NY)

〈SPECIAL1:PRIX Ars Electronica Selection〉
●STELARC「Ear on Arm」「Stretched Skin」「Parasite performance (video)」他
(from Australia)
●ALEX VERHAEST「Temps mort / Idle Times」「Grete_001-3」(from Belgium)
●赤松音呂「Chijikinkutsu」
(PRIX Ars Electronica Selection)
●ARS ELECTRONICA「PRIX ARS ELECTRONICA ARCHIVE THEATER」(from Linz / Austria)

〈SUPER FEATURE〉
●Don’t Follow the Wind
●exiii「handiii」
●カイライバンチ
●BRDG
●GIL KUNO
●清田益章
●出口王仁三郎
●WILHELM REICH
●都築響一

〈SPECIAL2:高松メディアアート祭2015 THE COMPETITION / 受賞作品〉
●STEFAN TIEFENGRABER「USER GENERATED SERVER DESTRUCTION」(from Austria)
●菅野創+yang02「SDM2-レターズ」
●ANN-KATRIN KRENZ、MICHAEL BURK「Kepler’s Dream」(from Germany)

〈SPECIAL3:「憑依 x こっくりさん x 人工知能」〉
●宇川直宏「NATSUME SOSEKI / THE UNIVERSE」with やくしまるえつこ
●宇川直宏「UKAWA'S TAGS FACTORY!!! 1000 Counterfeit Autograph!!!」
●岡﨑乾二郎「T.T.T.Bot (Table Turning Tribot)」
●真鍋大度

〈DOMMUNE 10 DAYS LIVE STRAMING/ライブ・パフォーマンス〉
●山川冬樹
●BRDG/Katsuhiro Chiba + 高橋啓治郎、DUB-Russell + Vokoi
●カイライバンチ
●ハチスノイト
●galcid&斉藤久師
●GIL KUNO
●七尾旅人
●Rhizomatiks Research
●USAGI NINGEN(from Berlin)
●ビニール解体工場(from 高松)
●灰野敬二
●和田永
(他、多数)


[常磐町商店街]
●スポーツタイムマシン(犬飼博士、安藤僚子)

[e-とぴあ・かがわ](予定)
●和田永 Takamatsu Consumer Electronics Orchestra

[南部三町ドーム/瓦町FLAG8階]
●しくみデザイン

[北部三町ドーム]
●BRDG presents Katsuhiro Chiba

[サンポートホール高松 第2小ホール]
●ニブロール

※出演者は予告なく変更する可能性がございます。予めご了承ください。



▼開催概要

名称:高松メディアアート祭 第1 回 The Medium of the Spirit -メディアアート紀元前-
会期:2015 年12 月18 日(金)〜27 日(日)
時間:10:00〜21:00 (18 日のみ18:00 開場)
会場:玉藻公園/披雲閣、常磐町商店街、南部三町ドーム、北部三町ドーム、サンポートホール高松、他
主催:高松メディアアート祭実行委員会・高松市
詳細:http://www.maf-takamatsu.jp

スタッフ:
●ジェネラルディレクター/キュレーター/審査委員長:
宇川直宏(DOMMUNE 主宰/現在芸術家/京都造形大学教授)

●審査員:
真鍋大度(メディアアーティスト/Rhizomatiks Research)
ゲルフリート・ストッカー(アルスエレクトロニカ アーティスティック・ディレクター)
馬定延(研究者/『日本メディアアート史』著者)
垂水浩幸(高松メディアアート祭 実行委員長/香川大学工学部教授)

●コーディネーター:
小川絵美子(アルスエレクトロニカ PRIX ディレクター)
田中みゆき(キュレーター)
田中ゆり(キュレーター)
塚田有那(編集者/キュレーター)



<今年紹介した他の芸術祭記事>
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