【ビジョン人形劇】ソーシャルクリエイティブ研究所発足記念イベント 「日本のビジョンをデザインする」に行ってきた

2019年8月24日(土)

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8月23日、二日連続で市ヶ谷キャンパスへ。

どこから説明すればいいかな。
えーと、ムサビは社会問題の解決や新たな人類価値の創出に貢献する都市型オープンイノベーションクリエイティブハブ「ソーシャルクリエイティブ研究所」を7月に立ち上げました。
英語名称はMusashino Art University Research Center of Social Creative、略称RCSC、愛称は・・・「ソークリ研」でいいのかな?まだ決まってません(笑)

その発足記念でワークショップとイベントを連発してまして、今回はその第1回目となる
ソーシャルクリエイティブ研究所発足記念イベント 「日本のビジョンをデザインする」
のレポートをお送りします。


いつもの7階会場にいくと、

後方に何か仕込んである。

最初は研究所長に就任した井口先生から研究所までの経緯や趣旨の説明。
これまであまり井口先生の口から公の場で語られることはなかったですが、「新学科、市ヶ谷キャンパス、研究所設立はデザイン・ラウンジでの経験・気づきが大きかった」という話。
手羽は後ろで胸を熱くしながら聞いてました(笑)

続いて、「デザイン経営」「高度デザイン人材」の仕掛け人でもある経済産業省の菊地拓哉さん。
通産省・経産省におけるデザインの歴史の話など。菊地さんの話はいつもイベントでチロっと聞くぐらいなので、以前からゆっくり聞きたいなーと思ってて。

そして、今回の中心人物となるエクスペリエンスデザイナーの左右田智美さん。
ムサビを2年で中退して、Royal College of Art (MA) Design Products修了という経歴の方。
12月から東大×RCAプロジェクトの特任研究員になるんですって。東大のデザインにかける意気込みは本気なんだなあ・・。
なんで中心人物だったのか後で書きます。

そしてクリエイティブイノベーション学科の長谷川先生。
いつも黒っぽい服装なのに今日はいつもと全然違う感じなんで、「そのパンツ、パジャマですか?」と聞いた失礼な奴は手羽です。

そしてやはりクリエイティブイノベーション学科の山崎先生が締め。


で。
今日は朝から左右田さん、山崎先生によるビジョン思考を体験的に学ぶ「日本のビジョンをデザインするワークショップ」をやってて、ここからはそのグループ発表会。
こけら落としワークショップだから、手羽もこれを聞きに来たようなもんでして。


  • メンバーをズームアップすると、

参加者は圧倒的に会社員が多いですが、高校2年生が一人いる!!
高校3年なら「この企画を推薦入試の面談みたいに捉えちゃったかな?」と考えたりもするけど、高2ってことは純粋に「ビジョンデザイン」というキーワードに興味を持って、アンテナに引っかかった、ってことでしょ。すごくないですか?


どんなワークショップだったのか、ここからは手羽の完全な推測なので間違ってたら申し訳ないんですが、

最初にみんなで「日本で自分が好きな場所」を共有する。(アイスブレイク的な意味合いがあったのかな?)
普通のワークショップなら「白地図に赤いシールを張る」ぐらいだろうだけど、ここまで作りこむとは・・。
でもこれ、考えれば考えるほど難しい。綺麗な景色やいい経験のあった旅行先をイメージしちゃうけど(多分それも間違いではない)、「好きな場所」となるとやっぱり自分は東京だし、「改善してあげたい場所」となると実家の福岡になるかな。


そして、グループの中で1か所に土地を絞り込み、「そこを10年後にどう変えたいか」を考え、この起承転結シナリオ絵巻物「日本未来ばなし」に書き込む。


  • 絵巻が配役表や台本になってる。これは起


  • 承。


  • 大事な「転」。

そして「結」。これがビジョンってことですな。
もうお気づきの方も多いと思いますが、見た目ユルい感じに見える(笑)この絵巻の中に、サービスデザインやデザイン思考のステップがきっちり含まれてるんですよね。


そして発表ですが、この手のワークショップでよくある「模造紙にポストイットとイラスト描いて一人が発表」形式ではありません。

木製ホワイトボードをセットにして、

事前に大学院生がレーザーカッターで作っておいたヒトやタテモノを使っての

人形劇なのです!(ドーン)

手羽、切り出されたヒトやタテモノ見て気がついちゃった。
これって「ビジネスオリガミの演劇版」と言えるかもしれない。
「Business Origami」とは日立の丸山さんが考案した発想支援ツールでして、それを巨大化して演劇要素を入れると今回のワークショップになりそう。
よし、勝手に「ビジョンデザインパペット」、略してVDPと名付けよう。こういうのは言ったもん勝ち(笑)


では上演。日本未来ばなしの始まり、始まり~。
(頭の中は市原悦子と常田富士男がナレーション)


  • 人形劇を直接見るもよし、リアル中継してるので


  • 正面のプロジェクターで見るもよし。

通常のグループワークショップのプレゼン発表だと「発表者以外は壇上で後ろの方に固まってるだけ」てのがよく起きるんですが、あの恥ずかしそうに、そして他人事のように立ってるだけの姿がほんと手羽が嫌いで。なので東工大合同ワークショップ発表会では条件に「全員役割をつけること」と入れてるぐらいです。
でも人形劇なら一人でやるわけにはいかないから自然とグループで取り組むことになり、なおかつ参加者が役者をやる芝居よりも人形劇の方がハードルが低い。うまい仕掛けだなあ。

1チーム動画を撮ってみました。こんな感じ。

実は受講生の発表よりも、手羽はワークショップデザインに感動してました。
どんな内容のワークショップにするか考えることを「ワークショップデザイン」と言い、今回それをされたのが左右田さんと山崎先生。2か月間週1以上の頻度で打ち合わせ&プロトタイプを続けたそうで、ほんとよく考えられた手の込んだ構造になってるなあ、と。

「体感性」「没入感」「演劇性」「クリエイティブ性」「グループ性」もあり、それでいてビジョン思考ステップもちゃんと盛り込まれてる。
また、「ワークショップのレベル・時間コントロール」もすごく大事な要素で、説明おわった後に自然と会話が始まったり手が動くのがいい形なんだけど、時々ポカーンと参加者が置いてけぼりになることもあるんです。あれは参加者が悪いのではなく確実に「ワークショップデザインの失敗」なんですが、ここまで没入感のあるテンプレートがあれば多分それも発生しない。
演劇性やクリエイティブ性は視覚伝達デザイン学科の3年空間構成Ⅲ「ちいさな夏休み」や斎藤啓子先生の造形演劇ワークショップに通じるものを感じました(斎藤先生だとテンプレートは多分使わないかな?)
あ、絵巻物フォーマットに落とし込むメリットは「発表時間をコントロールできる」もありますね。これなら大きく時間オーバーすることはないわけで。

最後は恒例の懇親会。これが大事。


ソーシャルクリエイティブ研究所発足記念関連イベントはまだまだ続きます。
3日間のワークショップ「ありえない」を生み出すアート思考ワークショップ」は満席になっちゃいましたが、最終日の
イベント「ソーシャルクリエイティブのために「ありえない」を生み出すアート思考」

●日程:2019月8日28 (水)
●時間:18:00 - 21:00
●会場:市ヶ谷キャンパス
●料金:事前申込制で一般(交流会費を含む)2,000円、学生は無料
●プログラム:
18:30-19:50「広がるアートとクリエイティブの可能性」長澤忠徳(武蔵野美術大学)
18:50-19:40「ソーシャルクリエイティブとは」井口博美(武蔵野美術大学)|「ソーシャルクリエイティブとアート」山崎和彦(武蔵野美術大学)|「Art Thinking Improbable Workshopとは」西村真里子( HEART CATCH)
19:40-20:10 アート思考ワークショップの作品発表
20:10-21:00 作品鑑賞と交流会


はまだまだ申し込み大丈夫です。
今度のワークショップデザイナーはHEART CATCHの西村真里子さん。 長澤学長も出席しますんでぜひ。


また研究所イベントではありませんが、ムサビ企画で1階MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスで開催されるイベントを二つ。
【MUJI com 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス】夏休み、ちょっと新しい学びに挑戦してみませんか?

●開催日時:
8月30日(土)9時30分-13時(開場9時)|ワークショップ1『新しい“暮らし”を考えてみよう!』
9月1日(日)9時30分-13時(開場9時)|ワークショップ2『未来の遊びをつくってみよう!』
●場所:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス7階
※12時~13時の作品発表は1階MUJI com内で実施
●参加費:無料
●参加対象:小学1年生から中学3年生※小学生は保護者同伴
●定員:各回先着10名
●申込方法:こちらの応募フォームから

 

●開催日:2019年8月31日(土)、9月1日(日)
●タイムテーブル:
14:00〜14:30 「シェフが恋した塩尻野菜のスープ」ができるまで
14:30〜15:30 ゲストトークとQ&A、試食&懇親タイム
●モデレーター:角 めぐみ(NPO法人ハナラボ 代表理事)
●ゲスト:
・「シェフが恋した塩尻野菜のスープ」の開発に携わった学生&NPO法人ハナラボのスタッフ
・ 若杉 浩一(武蔵野美術大学大学院 造形構想研究科 教授)※8月31日(土)のみ参加
・ 長谷川 敦士(武蔵野美術大学大学院 造形構想研究科 教授)※9月1日(日)のみ参加
※時間配分や順序は変わる場合があります。
★事前申込制


このイベント行きたいなーと思ったけど、この2日間って

地域フォーラム「アート&デザイン2019吉祥寺」
と丸カブリだった・・。
あ、手羽が司会することになりました。現在ネタを仕込み中。
9月1日のみうらじゅん回はすぐに満席になりましたが、8月31日(土)のパネルディスカッションはまだお席に余裕がありますんでぜひ。

ちなみに終了後の懇親会で栗コーダーカルテット&濵田理恵(Darie)さんの音楽ライブが決定しましたよ。
(栗コーダーのリーダー・栗原正己さんと濵田理恵がムサビOBOGなんです)

良品計画・金井会長も登壇されたオープニング関連イベントの大学公式レポートがアップされたので、手羽の記事
【7/18OPEN!】MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスに行ってきた
【祝 研究所設立】ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ「共創と学びの場」に行ってきた
と合わせてお読みください、の手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。