色とりどりの短編アニメーションを90分で味わい尽くす、オムニバス上映会「アニメーション・パレット」

東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の修了生たちを中心に有志作家8人の短編アニメーションのオムニバス上映会「アニメーション・パレット」が25日から3日間限りで開催されます。作品もイベントもこれは見ごたえがありそう‥‥!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アニメーションのオムニバス上映会「アニメーション・パレット」。東京藝大大学院映像研究科アニメーション専攻の修了生たちを中心に、普段から映像やアニメーション業界で働く監督達など、有志8人の作品が集います。映像やアニメーション業界で働く監督たちが、仕事の傍ら制作した作品が上映されるんだって。

注目が集まる若手のクリエイターばかり。
どんな作品が上映されるのかチェックしてみました‥‥!



1. 飯田 千里
フリーランスで映像制作、アニメーションを手掛ける飯田さん。SEKAI NO OWARI「PLAY」のライブ用映像や、NHK Eテレの「子ども安全リアルストーリー」「オトナの一休さん」などを手がける彼が今回初公開するのは、「タコ船長と待ちわびた宝 」。

探し、探されるモノたちのおはなし。


  • 飯田 千里「タコ船長と待ちわびた宝 」(7:00/2016)

 
2. 田中 美妃
田中さんは東京藝術大学映像研究科アニメーション専攻を修了、今はドローイングを中心としたアニメーション作家として活動しています。NHK 「0655・2355」の日めくりアニメの作者でもあります。今回上映するのは「盲目の砂糖」。リズムで紡ぐのは、風刺と愛。

男のPCに砂糖をぶちまける女と、憤慨しPCに積もった砂糖を指でちびちびと取り除いていく男、険悪な雰囲気なふたり。一方、カエルの男女は逆立ちをしたり、胸からハトを出したり、とにかくとってもラブラブ。何をしていても楽しくて笑い転げる。ある日、給湯室の砂糖がなくなる。その時ふたりはどうなっていくのか…


  • 田中 美妃「盲目の砂糖」 (10:17/2014)

 
3. 松本 紗季
女子美の卒業生で、東京藝大大学院アニメーション専攻在学中にヒグチアイのMVを制作したことなどで知られる松本さんは、現在はフリーランスアニメ作家。作風を固定せず、主にアニメーターとして映像制作に携わっています。そんな彼女が今回の上映会に出すのは「春の枕木~Spring Sleeper~」。

初春の正午、入院している祖母に会いに主人公は出掛ける。久しぶりに会った祖母は変わりなく元気だったが、昔の思い出を1つ忘れていた。


  • 松本 紗季「春の枕木~Spring Sleeper~」 (11:03/2016) ※2016年新作

 
4.小野 ハナ
インディペンデントプロジェクト『銀杏に雨』を主催し、映像ディレクター、アニメーターも務める小野さんは、今回2作品を上映します。流れる風景も、人間の裏側も、全てこの宇宙の出来事。

「such a good place to die」命あるかのように動く景色。形の中に循環するもの。響き合う”時”の多様な姿。記憶あるものはみな、踊る。
「あいたたぼっち」なかよしとの10年振りの再会は、なんだか全部が変だった。マメの側に。ワタシの側に。寂しいって、わからない。


  • 小野 ハナ「such a good place to die」 (3:00/2015)


  • 小野ハナ「あいたたぼっち」(11:37/2016) ※2016年新作

 
5.秦 俊子
秦さんは東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻を修了し、フリーランスのアニメーション作家・イラストレーターとして活躍中。NHKBSプレミアム「ワラッチャオ!」のアニメなどを手がけます。彼女が今回上映するのは可愛くて怖い、毒のあるパペットアニメ「さまよう心臓」。

廃墟で遊ぶ2人の高校生。奥の部屋から物音が聞こえ、1人が暗い部屋へと入っていく。そこには得体の知れない何かが潜んでおり、2人の高校生は心臓を奪われてしまう。その廃墟に立ち寄った幼い少年と妹は…。


  • 秦 俊子「さまよう心臓」(9:52/2011)

 
6. 永迫 志乃
東京藝大大学院映像研究科アニメーション専攻を 2010年修了し、ピタゴラスイッチ「ぴきひきびきの歌」などを世に送り出したフリーランスの映像制作でありアニメーターの永迫さん。今回上映する「froggy」、可愛いライトなタッチのイラストで描くテーマは病院!

現代に住む日本人の99%が病院で生まれ、80%が病院で亡くなる。「人間はどこから来てどこへ行くのか」といえば、ほとんどの人は「病院から来て、病院へ行く」のである。


  • 永迫 志乃「froggy」 (4:39/2015)

 
7. 野中 晶史
野中さんは、東京藝大大学院映像研究科アニメーション専攻を修了後、現在はNHK Eテレ「オトナの一休さん」「0655•2355 日めくりアニメ」のアニメーション制作などを手がけるフリーランスのアニメーター•アニメーションディレクター。上映する「手乗り上司」では、サラリーマンの苦悩を、痛快なアニメートで描きます。

嫌な上司は踊らせて楽しもう。そうしよう、そうしよう。嫌な上司は踊らせて楽しもう。そうしよう、そうしよう。


  • 野中 晶史「手乗り上司」 (7:43/2016) ※2016年新作

 
8. キム・ハケン
ソウル生まれで東京藝大大学院映像研究科アニメーション専攻修了、今年、映像制作スタジオ「STUDIO 8 DOGS」を設立したキムさん。今年幾つかのアニメーション・フェスティバルで入選を果たしている新作「Jungle Taxi」を上映します。

タクシードライバーはジャングルで嫌な客を乗せてしまった。タクシードライバーは客に言われるがまま、海辺で死に損なった男を迎えに行く。男のところにたどり着いたタクシードライバーは、懐にしまった銃に手を伸ばす。


  • キム・ハケン「Jungle Taxi」 (7:44/2016) ※2016年新作

 

以上8名の作品上映会、美大生はもちろん、大人も楽しめる作品が集まりました。
Webサイトではアニメーションのトレイラーも見ることができる。事前にどんな作品が見れるのかチェックしたい人はぜひ。

上映後には、監督本人による作品解説や、現在制作中の作品紹介、作品制作の支援・助成制度についてなど、さまざまなテーマでミニトークが予定されています。多くの監督が会場に入る予定とのこと、作り手と距離が近く作品理解も深まりそう。

ちなみに、25名が入れるほどの小規模な会場Base KOMは、小さいながらもシアター環境が整っていて、監督の意図に限りなく近い形で画や音を届けたいというこだわりが!
小さな上映会で定員も少ないので、予約はお早めに!



▼上映概要
アニメーションパレット

プログラム:各回約90分 監督挨拶・トーク(15分)+上映(75分)
会場 :Base KOM (東京都中央区日本橋人形町1−15−5 柏原ビル地下1F)
料金 :700円
上映スケジュール:2016年11月25日(金)19:00~
 11月26日(土)13:00~/14:50~/16:40~/18:30~
 11月27日(日)13:00~/14:50~/16:40~/18:30~
   ※開場は各回10分前です
予約 :11月24日(木)午後6時までWebサイトの予約ページから受付


(執筆:上野 なつみ)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

STUDENT WRITER

partner news / partner news

PARTNER編集部より、美大生や卒業生にオススメのニュースを配信しています。展示情報やイベント情報、学校や学生にまつわる情報を提供します。